なみだをこぼす鈴蘭-苦しんでいる友達に捧げるー  ぶんな詩

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ああ
ほんとうに
なみだが出ます
どうしてこうなのか
どうしてああなのか
それが罪が原因だというなら
じつは
もう
何千回も悔い改めました
それでも
なみだがにじみ
なみだは流れます
 
きよいものが
きよいほどに
きよいばかりに
後からあとから
なみだが出るのです

じぶんを洗って
すみずみまで洗って
頭のてっぺんから
指先
足のつま先まで
洗って洗って
もう
からだじゅうが
真っ赤に腫れるくらいに
洗えば洗うほどに
なみだはこぼれる

きよいものの悲しみが
なぜこんなに深いのか
それはまるで
永遠に
解けることのない
複雑で難儀な
パズルのようです

けれども
そのたくさんのなみだが
いつしか
ひとにも知られずに
小さく
ひっそりと
透明な紫色に輝く
勲章となるように
祈ります
いのります



 

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鳥の影

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水の面にすべり
先んじることなく
遅れることなく
波だっていようと
静まっていようと
鳴きもせず
笑いもせず
不平をいわず
呟きもせず
ため息もつかずに
光のあるかぎりは
寄りそい
そっと着きしたがう
鳥たちの影

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星たち

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あのきらめきはいったい何なの?
ああ、あれはね
暁が
おお慌てに慌てて
袋にかき集めた星たちが
ずんずん重たくなって
袋の底がとうとう破れちゃって
たまたま地上に眠っていた池の中に
ざらざらと一気に落ちてしまったのさ
もう
リゲルやシリウス
プロキオン、ポルックス
カペラやアルデバランも
ごちゃまぜさ
何が何だかわからないまま
ああして
沈むことも忘れて
白銀となって
ただひたすらに
光を放っているのさ

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球根たちは雪の下

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スノードロップやヒヤシンス
スイセンやユリにチューリップは
みんなまだまだ雪の下
それでも
芽はいまにも吹き出しそう
けっこう伸びてもいるだろう
見えないけれども生きている
真っ暗な土の中で
春がくるのを
疑いもせずに待っている
たまには居眠りや
小さなあくびもするけれど
頭上の雪が融けだして
だんだん土もぬくもって
だいじに花芽をかき抱く
球根たちは待っている
春一番を待っている

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夜明け

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薄墨色のそらに
硬く冷たくたたずむ
凸凹のビル
その向こうから
朝は
街をようよう溶かしだし
街灯の白昼色を消し
後ろ手に闇をかなぐりすてて
きょうという日に在るものをみな
きょうというあやかしの器へと
一つひとつを
ていねいに移し変えていく

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