農林水産

東北農業研究センターの菜の花畑 見学

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 18日の午後、東北農業研究センターの菜の花公開に行ってみた。公開エリアは380a。さまざまなパネル展示もあったが、主に菜種の品種開発やトマトを病害から護るための土壌づくり、これはまだ研究途上にあるけれども。また小麦の開発などを聞いた。TPP交渉で農産物の行方も注目される中、農業研究は弛まずに行われているようだ。
 病害虫、雑草の防除に使われてきた臭化メチル剤が、オゾン層を破壊することから2012年末日で廃止されたようだけれども、詳しいことは分からないが、この使用に至るまでも多くの研究が積み重ねられたに違いない。それが廃止され、こんどは、それに代わるマニュアルによって安定的な生産を実現しているという。立派なメロンやショウガ、ピーマン、キュウリが店先に並んでいる理由は、農業生産者の方々の。身惜しまぬ努力もさることながら、このような研究に支えられている側面が大きいことを実感。
 公開のときだけでも場内に入ることができ、内側から、自然がくれる豊かさも実感。2枚目の写真、張られた水の面が輝いているが、水耕の実験なのだろうか。3枚目の写真は、広く耕され播種を終えた黒々とした土には、すでに野菜の2、3センチほどの芽が、何列にも延々と続いていた。草地には牛の親子が。
 食の守りがこの一角にも存在することに安堵したひと時だった。

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自分の腹を満たす分ばかりも

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 写真の不出来はともかくとして、自分の裏庭の一角に、こんな野菜が重量感をもって、枝にさがり、また土のうえに、まだ栄養のパイプラインをつけたまま悠然と転がって日差しを浴びていてくれるこの安心感!! 残念ながら、小麦、大豆、トウモロコシはありませんが。

 種をまき、実をならせることによる豊かさの実感。こればかりは、たとえスーパーに行っても産直に行っても味わうことはできません。そしてまた、農産物は、いつでもお金さえ出せば買えるというものでもない。経済大国? は農産物は輸入すればよいというものでもない。輸入できる相手国がいつも一定に農産物を生産できるとは限らないようです。

以下はYahoo! JAPANからの抜書きです。
 穀物の主要輸出国である米国が56年ぶりの大規模な干魃(かんばつ)に見舞われた影響などで、食料価格が上昇している。世界銀行が8月30日発表した報 告書によると、7月の世界の食料価格は全体で前月に比べて10%上昇。トウモロコシと小麦は25%も値上がりし、食料価格の高騰で世界各地に暴動が起こっ た2008年以降で最も高い水準に達したという。国内でも、食用油などに値上げの動きが広がり始めており、景気に減速感が漂う中、消費や企業業績への影響 が懸念される。

 日本の穀物調達はトウモロコシのほぼ全量を、大豆と小麦の約9割を輸入に頼っている。今回の干魃の局面を乗り切っても穀物高の潜 在リスクを抱える構図は同じで、これらの試みに象徴される普段の備えが企業には求められそうだ。(佐久間修志)
 

 これは、たまたま経済記事から拾ったので、「普段の備えが企業には求められそうだ」となっていますが、「企業」を「政府」と置き換えて読んでみました。

 自分の腹を満たす最低の分量ばかりも、自分で作らないと大変なことになりそうです。いま眠っている田畑をそのまま眠らせておくわけにはいかないようです。

 こうなると、農産物の価格を、大手スーパーに牛耳らせておいていいのでしょうか。苦労して育てた立派な農産物が、安く買いたたかれてしまうようでは、誰だって農作物を作ろうという気持ちがなくなります。

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復興途上の漁業に見えた海の現況「3・11 その時、それから わたしたちが伝えたかったことー31人の声ー」より

 昨日このブログに紹介した本「3・11 その時、それから わたしたちが伝えたかったことー31人の声ー」(ツーワンライフ刊)の寄稿者31人のうちのお一人の振り出しは、どうも水産庁の研究機関だったようで、以降水産畑を歩まれてきている。
 沿岸では水産の復興途上にあるわけだが、ニュースに水揚げなどが報道されても、甚だしいダメージに水産を直視できないでいたのだが、しかし、この方が以下のように書かれていた。

 「驚天動地の異変は海底地盤の滑り、隆起と陥没をもたらしたが、その規模は過去と比較すれば破格ではあるが、黒潮と親潮の流況から見れば影響は考えられない規模。従って、これらの海流が混合する三陸沖の特徴は今後も変わらない。言い換えれば、この三陸沖の混合域を舞台に生育する海産生物は、津波後の一時的減少はあっても変わらず活用できる。従って、北海道から千葉までの漁港に水揚げされてきた混合域起源の漁獲量約224万㌧(平成20年度総漁獲量の約41㌫を占める。このうち岩手・宮城・福島3県に水揚げされるのは、約65万㌧)は今後も到達できる水準であろう。もちろん沿岸域では堆積した瓦礫、浮泥の影響により、しばらくの間は生物生産への支障は考えられる。しかし、過去の津波後の体験から、津波後の沿岸域からは筏に垂下されたカキなどのほかこれに付着する生物まで含む多くのバイオマス(生物体量)が取り除かれるため、海域の上位捕食者は平年以上のプランクトンを享受出来る状況となり、海の生産力は衰えない。特にカキなどの養殖漁場ではこのことが昭和35年のチリ地震津波後に確認されている。すなわち、漁業の場である「海」は立派に残される。」

 甚大な被害も勿論証言されていたが、この箇所には、久方ぶりに漁業に明るみを見たように思った。ただ一方では、懸念される放射能として、

 「高濃度放射線物質が海に放出されてしまったために、長期にわたる影響調査が必要。現在までのところ、限られた海域範囲に止まっている放射能汚染であるが、生物作用を伴う長期の影響については世界の誰も確かめたことがない。人体や生態系への影響を確認し、危険性を排除する努力は、継続的に行うモニタリング抜きに進めることはできない。水産物は水揚げされてからの調査では間に合わないので、漁獲、収穫以前の調査を行わなければならない。早急にモニタリング体制を整え、調査結果を公表する以外に風評の防止はできないであろう。」

 と指摘、示唆している。

 この他、編著「3・11 その時、それから わたしたちが伝えたかったことー31人の声ー」には、議員、教員、図書館長、新聞店、会社員、商店主、主婦、寺、画家、小5、情報誌などさまざまな分野の方々の3・11気仙沼の目撃証言が記されています。山内繁・柳希嘉子編著。1500円。

 この益金はすべて震災孤児たちの支援に回されます。

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農林中金盛岡支店営業終了

 このビル、看板が外されている。平成23年2月10日までは農林中央金庫盛岡支店の社屋だった。
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 業務は仙台支店に統合になると聞いていたが、看板がはずされているのはきょう午後に通りかかって初めて見た。


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 店舗の前に設けられた花壇にはいつもきれいな花々が植え込まれていたものだ。母が生前、農林中央金庫から花をいただいてきたことがある。ここに口座をもっていたとは聞いていないけれども…。それはともかく。

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 統廃合は全国で17支店。店舗移転は7支店となっている。

 HPには「人々の確かな暮しと食のためにとあり

豊かな自然と、豊かな暮らし。それは農林中央金庫の願いです。
JAバンク・JFマリンバンクの全国機関として
農林水産業をしっかりと支えていくこと。
ひいては日本に暮らすすべてのみなさまに貢献すること。
それが農林中央金庫の使命にほかなりません。
明日の農業を支える担い手の育成や、
自然環境や資源を守るための森林再生事業。
さらには、国内有数の機関投資家として
グローバルな投資活動による安定収益の確保も、
私たちの使命を果たすための重要な活動です。
次の時代の豊かさのために。
農林中央金庫は活動を続けてまいります。

と謳われている。だがいまはなぜか、「国内有数の機関投資家としてグローバルな投資活動による安定収益の確保」という文字ばかりが浮き上がって見える。農業県岩手から、全国の農業の膝元から農林中金が撤退した。


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2010年8月現在の中洞牧場

  随分と酪農から離れてしまっていますが、それというのも、自ら牧場に出かけまた再び酪農を体験させていただくなどの時間を取るのがとても難しいことから、ついつい疎遠になっておりました。10月6日でしたでしょうか、このブログに記載されてある中洞牧場が現在とは違っているのではないかと、現在の牧場のURLを頂いたことがありました。一旦は書いたのですが、誤操作で記事を消してしまいそのままに。しかし早師走。年を越すまえに、それを転載するだけでもと書かせていただく次第です。(青い字の部分が転載です)

牧場の概要
 山地酪農実践の拠点である中洞牧場は、三陸海岸から20km ほど入った山間部に位置しています。
 岩手県の約6割を占める北上山地は、本来、なだらかな地形と豊かなシバ草地、そして白樺林が広がり野生動物が多く生息する自然豊かな地です。
 中洞牧場は、株式会社企業農業研究所を事業主体として、2010年春から再構築計画を進めています。 2011年の夏〜秋には、乳製品製造プラントや研修宿泊設備も完成します。また、牧場の一角を利用して、新時代の農業ともいえる「自然栽培農業=無肥料・無農薬栽培」にも挑戦してまいります。どうぞお楽しみに。

<中洞牧場の概要> 2010年8月現在

所在地 岩手県下閉伊郡岩泉町上有芸水堀287 〒027-0505
電話:050-2018-0112 ファクシミリ:050-2018-0178

スタッフ 7名
面積 50ha( 自然栽培農場1ha含む )
頭数 約50頭
平均乳量 2,200〜2,400ℓ/頭/年
事業主体 株式会社企業農業研究所


 事業主体は株式会社企業農業研究所とありますが、株式会社企業農業研究所は(株)リンクの関連会社が3社あるうちの1社です。(株)リンクは東京都港区赤坂にあり、業務内容はIT系、物販系、農系(岩手中洞牧場の乳製品の製造・販売、山地酪農場構築のコンサルティング)、広告系、その他となっています。売上高は2010年5月期で37億9600万円です。

 当然のことながら、しあわせ乳業と袂を分かってからは独自の経営路線を歩み、(株)リンクの関連会社である今日です。

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休耕地拡大の歯止めは?

 「農業はどうなるんだろ」
午後に立ち寄ってくれた友人からこんな話題が。

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 目に見えて休耕田、休耕地が広がっている。農耕放棄地ともいうようだ。果たして全国でどのくらいあるのか。埼玉県の総面積とほぼ同じだという。3797,25㎢だ。
 1反(約992㎡)の面積でとれる米が500キロ(約8俵)。一人の年間の米の消費量は1人1俵。1反では約8人分の米が収穫できるようだが。

 農家の高齢化。後継者不足、農業人口の減少などで、作付けされず荒れ果てた農地が増加の一途をたどっている。農業経済が疲弊しつつある。 減反政策が大きな原因の一つ。農家の収益は減る一方だ。耕作放棄をした農地はすぐに使い物にならなくなる。
 休耕地の復元を目指す動きはある。千葉県の流山市、
横芝光町。岐阜県の白川郷など他にも、全国各地にあるだろう。検索してみると、東京都内では、芝生栽培のビジネスモデルがある。農家は投資がほとんどなく、 あたらしいエコロジービジネスに参入でき、 しかも米作りに匹敵する現金収入を確保できるようだ。栽培した芝生がCO2を削減していくという環境へのメリットが付くという。

 ざっと駆け足で知るのはこんなところだけれども、時間さえあれば農業体験してみたいと思う。白川郷でも受け入れているようだ。

 お日様を背中に背負って稼ぐ、これが基本なんだろうけれども、       


       

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間伐材で作られたベンチ

 久慈市の「いわて森のトレー生産協同組合」の間伐材を利用したトレー生産事業が導入した製造機械の不具合で失敗し、補助金返還問題で生産設備メーカーを相手取って訴訟を起こしたが、全面敗訴となったニュースがあった。一瞬ひんやり。突き詰めれば、この補助事業の内実、実質といった問題もあるようだ。

 それはそれとして、9/16にこのブログに書いた中三デパート1階にある花屋「PIVOINE」さんに置かれているベンチ、これは間伐材を使っているのですが。わたしの説明だけでは実物にほど遠いので、写真を撮らせてもらいました。ついでにちっちゃな梔子の鉢植を買ってきました。

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 この写真では板に丸みを持たせたところがよくわからないのですが、あたたかみが感じられ、自然とともにある気分。ニスの光沢も落ち着いた感じです。背もたれはふつうのベンチよりも高いめです。もっとさまざまな角度から、或いはパーツの形状がよくわかるように撮りたかったのですが、何しろ一般客なものですから、すこし遠慮しました。
 
「PIVOINE」さんに相談すれば、この製作者ともつながり、自然ともつながるでしょう。

 このような間伐材で、たとえば自然景観の一コマを思わせる物干し台とか、犬小屋にも物置にもできる小屋、或いはペットを家族同様に可愛がっている方々も多くいらっしゃいますが、ペットの遊具など。発想が豊かであればもっともっと思いつくのでしょうが、先ずはこんなところです。

 


 

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間伐材で何を作ろうかな

 盛岡市にある中三デパート1階にある花屋さん(アーケード街側の入り口)に高いめの背もたれのあるベンチが置かれていた。たまにこの辺りには来るのだが、ベンチには昨日気づいた。「間伐材使用」とある。価格は3万弱。この価格は一般の半値だ。ぬくみがある。ゆったりと腰掛けることができ、庭のテーブルに置くことができたなら、さらにもう一歩、間伐材を手に入れて自分で作ることができたならと夢が膨らんだ。

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               2010/9/2根田茂の間伐現場

 そして今夕、TVで、盛岡市玉山区の玉山製材所が紹介されていた。間伐材を利用した木製残存型枠や杭材、測量材、トンネル用材等の各種土木資材の製造販売会社だ。特に残存型枠(ダム工事などでコンクリートを流し込むための枠)としての利用が映し出された。この残存枠の開発については、すでに2010年4月10日の岩手日報で紹介済みなのだが、その後このような方面からの発注が増加しているという。
 間伐の消費が進めば、森が生き返る。この夏の猛暑で木陰の有り難さ、樹木のそれはもう尊さといっていいほどの大切さを痛感した。異常気象にも地球規模の連鎖があるらしいのだが、“山ばかりの岩手県”と寂しく思った昔もあった。しかし今は翻って、岩手がどんなにすばらしい資産を持っているかを思う。岩手のみならず、山々に恵まれたところすべてがそうなのだけれども。

 間伐は地球温暖化防止にも貢献する。(独)森林総合研究所の調査では、「適切な間伐を実施した森林は、間伐未実施の森林に比べ、伐採木を含めた森林バイオマス全体の二酸化炭素吸収量が多くなされる」とされています。

 玉山製材所の試みのように、これまでゴミ同然に扱われていたこの安価な間伐材の板に丸みをつけるという創意工夫で、こんなにも素敵な板材ともなっている。
 中津川河川敷の舗道には木材チップが埋め込まれているが、これも各家庭で庭に埋め込むなどしたなら足にもやさしい歩き道となるのでは。花壇の境目にも良さそう、などと考えているところです。


   

 

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市政見学会「盛岡の林業~市産木材を使いませんか」に参加するーその4(最終) 岩手県森林組合連合会 木材流通センター

  2010/9/2(木)の市政見学会「盛岡の林業~市産木材を使いませんか」の最後の見学コースは矢巾町にある盛岡木材流通センター(岩手県森林連合組合直営の丸太市場)でした。ここで通常月に一度、丸太の競りが開催されます。昭和56年に完成した丸太市場です。

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 これは市場にある入札箱。出荷者は岩手県内80~85㌫。あとは秋田県、青森県。落札し買ってゆくのは県内、県外半々。針葉樹ではスギ、カラマツ、ヒノキなど、広葉樹ではクリ、ケヤキ、ナラ、トチ、カツラ、サクラ、ホオノキ、トネリコ、ニレタモなどが競りに掛けられる。伐採許可書を取って伐りだした合法木材であって産地のわかるものだけを扱っている。

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 丸太を置いてある土場に移動。土場全体を写真に撮れなかったのが残念。ここは2人で管理されている。材木はピーク時の半値。細いものの多くは、土木用の杭材に用いられる。スギの丸太は建材。広葉樹は建具、木工品に使われる。参考URL
 冬は夏の2、3倍の丸太が流通する。夏は虫やカビがつきやすい。 

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広葉樹。

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                  およそ130年スギ。

径58㌢、長さ640㌢の芯持ち材。およそ5、6万円。この丸太からは、芯を裂避けて8本の柱を取ることができる。背割りを取らないと表面にひびが入りやすい。芯の入った柱は壁の中など隠れるところに使う。                  

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 これはスギに貼られている 測定値が書かれた札です。上の写真の丸太の隣に置かれてあったスギの丸太です。クリックすると数字が読めます。

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木の根。細工用。遠隔の県の業者に買い取られることが多い。

運送は、2㌧トラックなら百数十年木2本が運搬できる。

一度見てみたいと思っていた土場も見ることができました。冬に来れば、もっと堆く丸太が積まれていたのでしょう。埠頭に荷揚げされ、積み上げられる外材の山を思い出しながら、見学したことでした。

  見学に参加していたある方が、漆の木を植林したらどうかと提案していました。そこでは言いませんでしたが、実はわたしも同じことを考えていました。某百貨店で漆職人さんの実演販売があったとき、色々話を聞いて、採算があうのではないか、などと思ったのですが…どんなものでしょう。   

 このあと再び盛岡市のマイクロバス「せきれい」に乗り込み16時にはこの見学の出発地点であった岩手県民会館の中津川沿いに帰り着きました。2010/9/2(木)9時半から16時のあいだ、根田茂から流通センターと、これだけの見学ができたことに感謝したことでした。

                    終わり

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市政見学会「盛岡の林業~市産木材を使いませんか」に参加するーその3 (有)二和木材

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 2010/9/2(木)の盛岡市政見学会のコースは、根田茂の市有林、都南つどいの森、そして次は紫波郡矢巾町煙山にある(有)二和木材でした。

 (有)二和木材にはレーザーセンサーで製材に必要な計測を可能にしたコンピューターシステムの世界にも最先端を誇る機械が導入されています。扱う材木は98㌫が県産材。樹種は主にスギ、カラマツ、クリなど。年間7万2千本を処理。機械設備2億円。
 説明くださったのは、副社長。ここで写真撮影の許可をいただきました。背後に積まれているのは、4000㎜×133×35のスギの板が120枚ずつ括られた板材の山です。

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 製材といえば人の手による流れ作業との思いこみは、もはや昔のこと。最初に出会った機械は、樹皮粉砕器付きの剥皮装置でした。参考URL

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丸太が剥皮装置めざして階段状を運ばれてゆきます。

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丸太が装置に装填されてゆきます。(左)/ 奥の方、皮を剥がれた丸太が出て来ました。(右)

粉砕された樹皮はこの装置の右側から吐き出されます。

 次に見学した大型装置ではチップキャンター製材とチップ生産を同時に行います。

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 角材が板に変身です。

 この次は乾燥機

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 天日にさらして乾燥させるとばかり思っていたそれも今は昔。この製材所では温度は100度以下に設定。(木材への負荷を配慮。他では100から120度設定もある)

 板はこの後、機械で削られる。鉋がけに相当する機械作業だ。

 乾燥の建築基準法によって設けられているという。
 下の写真の機械について、「いわば電子レンジに入れて乾燥させるのと同じ」という説明があった。しっかり乾燥が終わるとさらに仕上げの削りがある。最初12㌢で削られた材は出来上がりで10.5㌢となる。削り代は1.5㌢。

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この人工乾燥をきっちりかけることは、品質を高め、外材に対抗するためにも重要な工程であるとわかった。

 この写真だけでは掴みにくいとおもいますが、概略を書かせて頂きました。
国の森林の扱いの杜撰さ、往時の木材価格の半分値、枝打ち、間伐、植樹など森林を守る労働力の半減といった難題の中で、このように林業の再生、克服を目ざし戦っている活き活きとした企業を見ることができ嬉しかった。

 

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