北上山地

デジカメ写真/リニアコライダーに関する記事ー岩手日日新聞ー

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              かわいいネコちゃん

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           新緑の小道

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 はなしは変りますが、岩手日日新聞によれば、5月16日に奥州市水沢区で以下のような講演があったようです。北上山地に関係することなので、転載しました。

 東北加速器基礎科学研究会主催の国際リニアコライダー(ILC)講演会は15日、奥州市水沢区の市文化会館で開かれ、東京大学素粒子物理国際研究セン ター准教授の山下了氏が「加速器で自然の謎に迫る」と題して講演した。ILCは同市を含む北上高地への誘致の可能性があることから、会場の大ホールに大勢 の市民らが詰め掛けた中、山下氏は「建設地は本当の意味での国際科学都市になる」と、世界でただ1カ所だけ建設されるILCの意義について語った。

 同研究会は、ILCの東北誘致に向けた環境整備を目的に、東北の産学官31団体により2009年4月に設立。講演会はその活動の一環で、あいさつに立っ た同研究会代表補佐の松澤伸介氏(東北経済連合会副会長)は「今年度総会で、東北誘致を想定した具体的な検討事項を整理するため分科会を設置することを決 めた」と、取り組みを紹介した。

 また達増拓也知事は「これから数年間、ILC計画推進に当たって大変大事な時期になる。昨年度策定したいわて県民計画には、次世代技術創造いわて構想の 中に国際学術支援エリアの形成を盛り込んだ。本県から宮城県にかけて世界に誇る学術拠点とするための活動を行ってまいりたい」と支援を約束した。

 講演では、山下氏が「加速器はさまざまな先端技術を結集して実現される。その結果、ブラウン管や放射線治療装置、電子顕微鏡、ポジトロン断層法 (PET)検査機、重粒子線がん治療などが生み出された」と、最も根本的な基礎科学の研究でありながら、結果的に人類に多くの成果をもたらしていることを 説明。

 ILCについては、宇宙が誕生した137億年前のビッグバンから、1兆分の1秒後の宇宙の様子を知ることが目的であるとし「私たちが知っている(目に見 える)宇宙は4%だけで、ダークマター(暗黒物質)が23%、ダークエネルギーが73%を占めることが分かってきた。まさに『無知の知』であり、素粒子物 理は新たな幕開けの時を迎えた」と、期待が大きいことも強調した。

 さらに「ILCは世界初の『世界の研究所』であり、建設地は本当の意味での国際科学都市になる。しっかり理解した上で支援してほしい」と協力を求めた。

 質疑では「東北誘致が実現すれば研究者と家族が大勢居住することになるが、どのような環境整備が必要か」との質問に対し、「研究者と家族が最も大切にす るのは子供でありインターナショナルスクールは絶対必要。宗教施設や娯楽施設、(所得、納税などの)法律的な問題へのケアも必要となる」との見解を示し た。

 「建設場所はいつごろ決まるのか」との問いに対しては「12年までに科学者サイドは技術的な詳細についてめどを立てる」と答えるにとどめた。




                            

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雑感 ーリニアコライダーなどなどー

 今朝の岩手日報に「北上山地に優位性」と題し、国際リニアコライダー(ILC)の誘致の可能性が載っていた。何しろ北上山地を翔るイヌワシさんが環境問題にすぐさま反応するために、成り行きでイヌワシさんの僕となった当ブログ筆者は、リニアコライダーとは如何なるものかを知っていようがいまいが、このトンネル計画の動向をすこしでもキャッチしなければならない羽目となっている。
 13日仙台で東北加速器基礎科学研究会では、国内候補地のなかでは、振動に強い地盤がある岩手県の北上山地の優位性が強調されたようだ。国内候補地の地盤振動データを示し「(北上山地の)江刺が一番安定しており、いい環境にある」という。受け入れの具体的検討はこれかららしい。ILCの着工は2020年ごろになる見通し。達増知事は協力には積極的な構えだ。

 物理関連を書くのは役目ではないわけで、関心は専ら、地下100㍍に全長約40㌔というこんな凄いトンネルがほんとうにできるんだろうか。原子炉の中並みというけれど、安全性はどうなのか。環境にはどうなのか……? という側面なのです。ところがこの側面を書いてくれている記事にはなかなか出くわしません。
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 ところで、江刺を大正6(1917)年に地質調査をした人がいる。宮澤賢治と佐々木又治、高橋秀松だ。当時の江刺郡役所が盛岡高等農林学校に依頼した調査だった。関豊太郎教授は土壌・地質学の権威であり、成績が優れ人望のある賢治に目をかけていたという。
 
種山ヶ原は北上山地の南西。奥州市江刺区・遠野市・気仙郡・東磐井郡(現・一関市)・上閉伊郡にまたがって高原状をなす。物見山(約870㍍)を頂点にに600~870㍍の丘陵地を形成している。種山ヶ原は隆起準平原。老年期の山地が浸食作用を受け平原になったもの。
  また、岩石などの固い部分が浸食から取り残されて孤立した丘を残丘=モナドノックと呼ぶ。後者は、アメリカのニューハンプシャー州にあるモナドノック山 にちなんだものである。県内では物見山をはじめ、貞任山・早池峰山・薬師岳・兜明神岳・姫神山・平庭岳などが残丘である。これら、準平原やモナドノックの 語は賢治が好んで使った語だという。(URLpen

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牛のきもち

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きょうもブランデンブルグ。春の花が咲きつぐ。ごめんなさい。いったい誰に? 風がつめたい。けれど街路樹を満たす空は青く明るい。

人ならばこんな陽気に誘われもしようが、そう、書こうとしているのは牛舎に繋がれた牛たち。こんなうららかな春がきても、外を眺めることはできても、一生自由に歩き回ることのない産業の一部と作られた牛たち。運動もせずに食べる穀物はおいしいかい? 牛舎から見える世界がたった一つの世界。

600㌔もの体重を支えるには、まず脚力を付けなくちゃならないのに、立っているばかりじゃ、相当筋力も衰えるだろうさ。代謝だって悪くなる。骨折したらどうするのさ。ギプス不要、手当無用と診断された日にはどうなるの? まさかまさか処分じゃないよね。あれやこれやのストレスに、草が足りなきゃ胃だって膨らむ。獣医を呼んで手当かい? コンクリートじゃ蹄も腐る。だけど腐ってるのはそれだけじゃない。気分が腐ってしかたがない。(URL

だけど土地が狭いんだって? 山地だと1㌶ に一頭が理想だとも聞いたけど。広い世界を知らなきゃしらないでこんなもんかと思うけど。だけどね、この目を見てよ、心だってあるんだよ。

ブランデンブルグも聞かせたい。広い草地を歩かせたい。青い草も食べさせたい。

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牛飼いの人たちのせいじゃないさ。文明ってやつの罪深さ。苦労を知らない人達ほどさまざまうるさく要求するのさ。人の必要という身勝手さ。
「ほう、この牛舎の平均乳量は11,000(普通は一年で約8000㍑)!! そいつぁすごい」
乳牛の評価は乳量だけで決まるらしい。そんな価値基準に沿った牛を作るらしい。

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草地

 春先には、チューリップや水仙の芽の間に生えたはこべや姫踊子草を雑草としてむしり、夏が近づいたときには、それこそカゼクサ、メヒシバのようにさまざまな草がはびこってくる。一本一本を気をつけて見ることもなかった。

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 けれども、この写真にあるチモシーのような草は懐かしい。早朝に玉の露に光り、高原の薫風にゆれるさまは胸の隅々までを爽やかにしてくれる。

 実はこれを牛や馬、ウサギも喜んで食べるらしい。チモシーだけではない。牧草地の草をクリックしてみると家畜たちが喜ぶ草はこんなにたくさん! 山地酪農では牛がクマザサも食べているらしい。消化機能が驚くほどに優れているのだ。もちろんクマザサだけを食べさせているわけではなく、場合によっては穀物などの飼料もプラスしている。
 草地で育った牛は牛舎に繋がれて育った牛よりも小腸、大腸の重量が大きい。ここでも放し飼いの方が牛が本来持っている機能が存分に生かされることが分る。牧歌的な情緒でいうわけではないが、牛や馬が、このような風も香り虫が飛び交う豊かな草に鼻面を触れさせてゆったりと青い草を食べられるとしたら。

 近頃は、スーパーに肉が並んでいると、すこしはのんびりと草を食べた牛かな、それとも牛舎につながれて濃厚飼料ばかりを食べさせられた牛かな、虐待されなかったかな、などと見るようになった。屠殺、解体を潜った肉ではあるけれども、そこまでに至る過程がどんなであったかに思いが至る。

 いまどれだけの食品が、スーパーや飲食店、ホテルなどで投棄されているか、数字はわからないがこれもまた気になる。食品を粗末にすることは、命を粗末にすることでもある。食前に感謝の祈りをすることは、自然体系にも適っていることのように思う。

             

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乳価の矛盾

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 毎日おいしく飲んでいる牛乳。価格もメーカーによってさまざまですが、無調整で何と1㍑145円のときがありました。今日行ったスーパーでは178円、230円。さらには1000円程度のものなど、も~う、どうしてこんなに違うの? と思うほど。成分も様々です。

「基本的に草を食べさせて得られる牛乳の乳脂肪率は3.0~3.5㌫。夏は牧場に放牧し、水分の多い青草を食べるので3.0程度。冬は牛舎につなぎ、乾草やサイレージ(牧草を乳酸発酵させて作った飼料)を与えるので3.5程度。こういった自然な牛の飼育では、乳脂肪率がこの水準を上回ることはまずない。
 ところが酪農の現場では3.5~3.8という高脂肪路線となっている。何故か。それは、1987(昭和62)年に、メーカーと農協によって、3.5を下回る生乳が出荷された場合、出荷価格(単価)を半値とするルールが導入されたのだ。」(「黒い牛乳」中洞正著から)
 牧場飼育で乳脂肪率が一定した牛乳は得にくい。乳脂肪率に拘り、買い上げないとなると、これは理想的な山地酪農の切り捨てであるともいえる。常時高脂肪率の生乳を得るには、牛を一年中牛舎につなぎ、輸入穀物主体の飼料を与えるとよい。そこで酪農家は、放牧をやめて、このスタイルに転換したという。山地酪農を推し進めてきた中洞正さんは、現在ホルス(乳牛)を飼っていない。詳しい事情は訊いていないが、理由はこんなところにあったのだろうか。

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 飼料の輸入先は主に米、オーストラリア。トウモロコシのおよそ92、7㌫はアメリカからの輸入で、このほとんどが飼料用である。2008(平成20)年に乳価が上がったが、これはトウモロコシなどの輸入穀物が、バイオ燃料の原料に回されたり工業化が進む中国で需要が増したためであるという。

 オーストラリアは地球温暖化の大きな打撃を受け、降雨量が2年連続で過去10年間の平均を下回る大干ばつだった。小麦栽培に大きな被害が出た。特に南部のニュー・サウス・ウェールズでは史上最悪の旱魃による大被害だった。

 一方アメリカでは、小麦、大豆、トウモロコシの穀物価格が一年間に2倍に上がった。アメリカでは穀物をエネルギー原料として出荷するのと食糧としての出荷と2通りある。いまのアメリカの農家の関心事はWTOの交渉経過ではなく、原油価格の動向であるという。

 現在の穀物価格急騰を作っているバイオ燃料需要も、このまま続くとは予測しないとフィッシュラー氏は見解を出してはいるのだが。

 「なぜ自給率が低いと言いながら米が余っているの?」とスウェーデン記者が訊いたという。不思議だろう。フランスのワインとおなじコメにたいする文化意識という事情があるようだ。しかし、もはやこの意識にも変革が迫っている。「日本の米問題は休耕地活用も含めた休耕地活用も含めた水田生産力の新たな可能性をさぐる必要がある。当然日本農業のアキレス腱である家畜生産と結びつく飼料米喫緊(きっきん)の課題となる。トウモロコシの代替飼料穀物として生まれ変れれば一大穀物として甦るであろう。」(「海外ジャーナリストが見た日本の農業・農村」から)

 何れ地球規模の温暖化、旱魃などで、輸入穀物が入って来ない事態は常に予測される。アメリカの穀物生産量はほぼ一定しているという。緊急には、これの奪い合いとなるのか。或いは他から買い付ける道を模索することになるのか。

 何れ減反などしている場合だろうか。休耕地を放っておくべきだろうか。もしこのまま通年牛舎型酪農をつづけるとしたら、コメも家畜に与えざるをえないのではないか。しかしそれも家畜より人に回さなければならない事態も起こりうる。農協がメーカーと組んで、山地酪農の牛乳価格を切っているばあいではない。乳脂肪率に関わらず生乳を、農政の補助をもってしても同じ価格で、否むしろ高値で買い上げ、穀物ではなく草を食べさせて生乳を得る山地酪農を保護するべきと思う。山地酪農では乳量が多く得られないという課題はあるかもしれないが、保護することによって、或いは、こういった酪農に取り組もうという意欲を引きだし、従事者を若干でも増やせるのではないか。乳脂肪率が低ければ低いなりに技術を用いて消費する手だてを講じることができるのではないか。


 
 

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イヌワシさん

 イヌワシさんは、東北、北陸、中部地方中心に全国で約650羽いるらしい。夜になっちゃったけど、ねぐらにはちゃんと帰っているでしょう。
 嘴の先から尾の先端まで81~89㌢。翼を広げた長さ1.7~2.1。体重4~5㌔。飛ぶスピードがすっごく速く(時速何キロぐらいだろ)、行動範囲が広いそうだ。
 とにかくカッコイイ! イヌワシになったつもりで大空を飛びかけてみる。ハングライダーやパラグライダー、単調な飛行機などはものの数じゃない。
国の天然記念物という歴とした〝肩書き付き〟、誇り高い鳥なのだ。

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 たぶんイヌワシさんたちも、自分たちの仲間がぐ~んと減ってるのにもう気づいているだろう。
 何しろ絶滅危惧1B類だ。分類で、もっとも悲劇的なのは1A類で「ごく近い将来絶滅の危険性が極めて高い種」。1Bというのは「1A類ほどではないが、近い将来に絶滅の危険性が高い種」なのだそう。大好物のノウサギを見つけるのも近頃はしんどいらしい。やっぱり1Bだって相当悲劇的だ。
 生き物たちが悲劇的だってことは……、どきっ! 次つぎに順番がやってきて、やがては自分の番?

  だけど、イヌワシさんは誇り高い。真っ青な大空にワッシワッシと翼をしならせながら、岩手の大地のように力強く生き抜くだろう。

 樹を植えよう、野菜を植えよう、草を生やそう。だけどそれだけじゃ、どうにもならないんだろうなあ~  

 

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「海外ジャーナリストが見た日本の農業・農村」

 音楽も聴きたい、聖書もメッセージもいいが、聖書に出てくる植物も面白そうと思いつつ、先日図書館で借り集めたのは農業関連。発行年の新しいものがあまりないので、数字などは不安。検索であらっ! 立松和平さんが、子ども向けの牧場ものを出していた。「酪農家族4 牛が学校にやってきた」河出書房新社 置き所は集密。楽しく書いたこんな本が沢山あったなら…

  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

 興味ひかれたのが「海外ジャーナリストが見た日本の農業・農村」(平成20年刊)
 その中から、海外ジャーナリストの疑問は…

「日本の食糧自給率は非常に低い。米ばかり作っていてもうちょっと食用油になる菜種、大豆やカロリー自給率のあがるような作物(麦・飼料作物等)になぜ転換ができないのか。」
「減反政策で政府はどのような作物栽培を指導しているのか。何も植えられていないところもあった。」
 

 世界の食糧自給率の約半世紀の推移(農水省HP)
日本  1961年78㌫ 06年39㌫
輸出国以外の国では…
英国  1961年42㌫ 06年70㌫
スイス(欧州で一番低い)
     1961年51㌫ 06年49㌫
さらにEU(スイスは非加盟国)では農業や環境は条件不利地域の環境支払いの後押しを受けている。環境支払いはEUの人々にも支援されている。…日本のように食糧自給率を半減させた国は世界のどこにもない。  

 
「赤字なのに、何故酪農を続けるのか」。記者が質問する。
「酪農家には所得補填があるだろう。いくら貰えるんだ」とフィシュラー・元EU農業大臣。
 販売価格が下落したり、コストが急増した場合、欧州の農家は、一定の所得補填を受けることができる。しかし、日本にはない。 ー以上は著書からー

         

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 本著ではアニマルウェルフェア(家畜福祉)にも触れている。EUでは家畜倫理の基準づくりが進んでいるようだ。こういった基準づくりの機運があるということは、既に見過ごしにできない実態があるからだろう。牛の断尾もそうだ。ヨーロッパの記者の目には牧草地や穀物畑が見えないことが不思議な酪農風景と映るようだ。牛舎につなぎ、輸入飼料を与えている場合にそう見えるわけだ。

 乳量をあげるためとは別に、ビヴァルディやモーツァルトを牛舎に流したらどうだろう。働く人々の気分を和らげることによって、家畜にたいする扱いも違ってきはしないか、或いは牛のストレスを軽減できるかもしれない、とたわいのないことを考えた。

 一番は農政がテコ入れしてくれることなのだろうが…

チリ地震津波で、養殖に被害。平均株価1万代を維持するも、経済に好転の兆しも薄。厳しい時世だ。

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北上山地ー酪農入植者の償還金ー

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 北上山地に入植(北上山系開発の酪農プロジェクトに)したある方は、当初1億だった借金が、「まだ3千万」あるという。7、8千万払ってまだ3千万残っているのだ。それでも入植者の中では返還してきた方だろう。高額所得者には到底知り得ない苛酷な労働投下での返済だ。他の方々も返済不可能、或いは1億払って尚数億あるといった状況であろう。
 この償還金の問題には、しばしば牛肉の輸入の自由化、関税引き下げの波による乳価、雄子牛価格の暴落、飼料の高騰などが挙げられる。しかし本当の問題の根は、入植の時点にあった。
 ある方は、53年の入植当初、負担金は約4千万といわれていた。ところが、58年の牧場の引き渡しのときには、2度にわたるオイルショックを経、資材が高騰し、約1億円に跳ね上がっていた。ここで役場と入植者との間には激しいやり取りがあったのだが、請求されたキャンセル料の支払いができなかった為に、入植せざるを得なかった。このキャンセル料についての事前の説明は無かったと聞いている。出来上がった施設にもはや失敗と分っていながら、行政は、強引に入植者たちを押し込んでしまったとしか私には見えない。言うも恐ろしい気がするが、やはり言ってしまった。
 渡辺基氏の「北上山系開発入植者の経営」によれば、この償還金は「5年据え置き15年償還、利子率7、5㌫の国の財政資金の融資で賄われた」とある。サラ金と変らぬ借金地獄だ。後には低利子の農協資金に借り換える、或いは利子の猶予など対策が執られたが、現状はさして変ってはいない。

 100年に一度の同時不況で上場企業ですら倒産する時代。農政にいかほどの手当が期待できるのか。企業を持たせなければ日本が潰れると言われるのだろうが、この北上山地でこの厳しい状況下にも如何にしてか借金を返さねばならないと日夜苦慮、苦闘している私の友人が居る。気丈で底抜けに明るい。このことはあのイヌワシも 知らないはずはないのだ。

手掛けたときにはさして疑問も抱かなかったが、いま思うに、関わったゼネコンとはどこどこ? 農用地開発公団とは何ぞや? 国土開発とは? …分らないことだらけだ。 

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ゼネコンの爪痕-北上山地ー

 胆沢ダムは小沢ダムとも言われている。また胆沢ダムには小沢の闇が貯まっているとも。この小沢一郎幹事長が不起訴となった。政治家とゼネコンの癒着。胆沢ダムの総工費は2440億円。大蔵省が「ぜいたく言うな」と反対したのを破ってくれたのが小沢〝先生〟だという。

 昨日聴いた講演で、この厳しい情勢下、日本滅亡が危惧される瀬戸際、生き残る策を講じなければならないこの重大なときに、普天間、鳩山の脱税、小沢の疑惑のみに膨大な時を費やしている無念さも語られたが、これにはまったく同感でもあったが。

 ここで政治のことを云々したいというよりも、イヌワシさんが、あの北上山系のイヌワシさんたちがどう言っているか

 北上山地の裸地化。これがやはりゼネコンが無関係ではない。北上山系開発によって、
(ここまで書いて、押し入れにしまい込んだきりだった北上山系関係の資料をやっと
また引っ張り出す気になり、いま出してきたところだが)
 北上山系開発は正確には北上山系8区域、奥羽山系2区域、合わせて10区域29市町村を対象として北上奥羽山系開発として実施された。事業費は986億円。昭和50年~平成5年にかけて、6800ヘクタールの農用地造成、570㌔に及ぶ道路整備、畜舎など農業関連施設の整備、公共牧場64ヶ所、共同牧場15ヶ所、及び92の個人牧場が創設、整備された。 このとき、山地にブルドーザーなどの重機を投入し、造成、道路整備を行ったのはゼネコンだった。東西南北に縦貫する570㌔の開発整備には、総事業費の71㌫が注ぎ込まれている。(「北上山系の開発」岩手県北上奥羽山系開発整備促進協議会刊ー岩手県立図書館蔵ー)
 山系に道路が通ったことにより、まともに風の煽りを受ける範囲が大きくなり風衝荒廃を促進する大きな要因ともなった。この裸地化には古くから牛馬の放牧や炭焼きのために奧まで伐採されたことや野芝の病害などがある。この要因に更に造成、道路整備が〝一役買った〟結果となったのだ。
 観光などを考えたときには、道路整備が不可欠とも思ったのだが、しかし、一旦裸地化したときには、もう元の通りに作り直すことが不可能なのだ。再生不可能な自然を犠牲にするのはどんなものだろう。ただ山地に住む人々には利便性があるのも確かだ。都市部に住んでいて云々するのも申し訳ない気持になる。 

 風衝荒廃対策のための研究は行われているようだ。ただこれが裸地化のスピードに到底追いつかないのではないか。離農の跡地に笹が勢力をのばし、裸地化が食い止められたところもあるようだ。何れ、この裸地化も、地球規模の課題でもあるのだろう。

 話しはゼネコンにもどるが、
 北上山系開発は昭和50(1975)年農用地開発公団によって着手されている。遡れば昭和44(1969)年、国が新全国総合開発計画を策定したことに端を発する。
 佐藤内閣(第三次)が1970~1972年、継いで
 田中角栄(第一次~)1972~1974年

 これは何かありそうという、いまのところ根拠のない疑念が、しかし実際にはやはり、政治家とゼネコンの間には駆け引きがあったと考えるのが〝自然〟という気が。ただこれ以上つきつめていくのはしんどい。

 新全国総合開発計画が策定された理由は、穿った見方をすれば名目は、

日本の経済は昭和25年でGNP109億ドル。43年には1419億ドルと急増(米に継ぐ)。一人当たりの国民所得が123㌦から1100㌦となった高度経済成長期であった。これを反映して国民の食糧需要が高度化、多様化し、コメの一人当たりの消費量が減少の一途を辿り、44年には150万㌧の生産調整が強いられた。農政史上かつてない事態だったようだ。一方畜産物、野菜、果樹の需要は年々旺盛となり、43年に公表された「農産物の需要と生産の長期見通し」において、特に畜産物は、52年には約2倍の需要が見込まれ、我が国の農業は、これに対応できる体勢作りが急務とされていた。畜産は新全総の目玉であったが、50年には大規模畜産基地の失敗が新聞に躍ることになる。

 新全総の事業費が全国でどれぐらいであったか、さらに資料をめくり直さねばならないので、きょうのところは、ここまでにしたい。

 何れ酪農家の離農、そして北上山地の裸地化は農政の失敗であり、ゼネコンの爪痕ともいえるだろう。

 

 

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北上山地 ーイヌワシー

いわての〝宝〟イヌワシは、いったい何を食べて生きているのか。

 ノウサギやヘビを中心に、ハト大以上の鳥類、テン大以上のほ乳類をハンティングする。メインはノウサギで、地域や季節によりヘビとなったりヤマドリとなる。
 空中ハンティングで狩られる餌鳥類は当然のことながら幼鳥や亜成鳥が多い。回避(イヌワシが飛ぶ高度よりも高い位置に回避して直撃されるのを避ける)するということを知らないものがやられる。
 森林でのハンティングは、中小型ほ乳類や、5,6月ごろに鳥の卵を狙い樹冠にいるヘビなど。
 冬場に死亡したシカやカモシカ、イノシシも食べるようだ。
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 イヌワシの大好物であるノウサギは身を隠すようなブッシュ的なところが連続してあると多く棲息する。ヤマドリは餌となる植物、即ち草本ではイネ科の植物が豊富であること、木本ではマメ科の植物が豊富であることと推察されているようだ。
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 大部分のイヌワシはノウサギを主食としているが、ノウサギを増やすにはノウサギが好む植物が多くなくてはならない。ヘビやヤマドリについても同様なことがいえる。
(以上はブログ「猛禽の部屋」からの抜粋です)
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 ところが、大規模な北上山系開発により、道路などは改善されたが、当時造成された多くの公共草地の経営は厳しくなる一方。北上山地に合った「夏山冬里」(夏期は昼夜放牧、冬は里の畜舎)方式で飼われていた日本短角牛の飼養頭数も激減している。
 もともとはイヌワシが北上山地で生き延びてきたのは、ウサギなどを捕獲しやすい草原の存在が大きかった。この草原は昔南部馬で栄えた北上山地の人間活動によって維持されてきた。ところが畜産振興とともに拡大された草地に裸地化が進んでおり、これがイヌワシの生存を脅かしている。
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 傾斜の点からみると,確かに,北上山地には山稜部を中心に開発可能地が多いが、標高が高いために、寒冷地特有の荒廃裸地化の問題を常に抱えている。即ち、山稜部のシバ草地では地面が直接寒冷寡雪気候にさらされるため、土壌の凍結、融解が頻繁に生じる。これが牛馬の放牧圧(採食・踏圧・糞尿)や病原菌によるシバの枯死でむき出しになった地面に作用し、裸地を拡大していく。これに降雨による雨洗いや風蝕が加わり、裸地化はさらに加速される。昭和51年に、北上山地の荒廃裸地は標高900メートル以上の頂陵部西~南側斜面(冬季の風衝斜面)を中心に、893ヶ所、合計面積352ヘクタールに及ぶ。
 この値は、これまで人為のもとで維持されてきたシバ草地における200~300年間の累計である。この裸地化スピードが人口草地化したことで、鈍るのか或いは加速されるのか。この評価は早急には下し難いが、適切な草地管理により初生的な裸地の発生が抑制できれば、寒冷気候下の裸地化スピードは確実に鈍るであろう。この意味で、北上山地山稜部の小起伏地はきめ細かな草地管理のもとではじめて、土地資源的価値を持続しうるだろう。
(以上は「荒廃裸地化の潜む北上山地山陵部の草地」からの抜粋です)
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 上記の数字は昭和51(1976)年現在。いまはどうなっているのか。検索してみたが、うまく数字に行き当たらない。実態を知るのが怖いくらいだ。
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 いわてのイヌワシがいまどうなっているのか。
岩手ではおよそ30つがいの営巣が確認されており全国最多。そのほとんどが北上山地に棲息しているという。そのうちでも岩泉町は8つがい確認されておりイヌワシがもっとも多く住んでいる市町村となっている。
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 家畜の糞尿処理に関しては糞尿処理法を設け、さまざまな研究がなされているようだ。北上山地が裸地化から救われ、イヌワシも、動植物も本来あるべき姿で存在できるように、全くの回復は無理としても、被害を最小限に食い止める本格的な対策が為されているのか、どの程度着手されているのか気になるところだ。
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