音楽雑感
きのうのクラシック倶楽部にラヴェル、きょうは進藤美優さんのラヴェル。「鏡」からの3曲、おもしろかった。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ23番の曲名「熱情」はどうも後日に出版社がつけたものらしい。「熱」とか「炎」といった言葉にはなぜか惹かれる。久方ぶりに「熱情」を聴いた。思えばベートーヴェンは〝立派な〟障害者だったのだ。その苦しみは、ハイリゲンシュタットの遺書にあらわれている。しかも彼の女性への思いはことごとく成就しなかった。神は苛酷なまでの試練をベートーヴェンに負わせたが、しかし、かれはそのすべての想いを音楽に投入、懊悩を偉大な音楽に作り替えた。けさは改めてその苦悩と曲がもたらしてくれる感動に涙が流れた。神は彼を苦しめたが、偉大な作曲家として創造させ、この荒れた時代にも心の休みどころを与えてくださった。彼の苦しみは無駄ではなく、むしろ賞賛と栄光につながっていた。ここまではもう多くの方々が語りつくしている。今更わたしが、ただ今更でも何でも、その事実に涙が止まらない。
もう一つ名曲アルバムのフィンランド、カレリアの冬の自然の美しさ。シベリウスは26歳で当地を訪れ、組曲「カレリア」を作曲。冬の映像を、しかもこれら一瞬一瞬の最も美しい瞬間をとらえるためには、どれほどの時間を費やしていることか。
そして今一つ、クラシック倶楽部、名曲アルバムが始まる前の血圧は150。感動し聴き終えた後の血圧は130。これはほんとうのこと。
⏰6時42分更新
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