230120 クラシック倶楽部を聴く エスメ弦楽四重奏団
韓国人の女性4人で結成し、今若手で注目のエスメ弦楽四重奏団。彼女たちが2022年11月に武蔵野市民文化会館(東京)で開いた演奏会をお送りします。【収録】2022年11月14日 武蔵野市民文化会館 小ホール
以下は紀尾井ホールのページから転載
2016年、ケルン音楽舞踏大学に学ぶ韓国人メンバーにより結成。「エスメ」という名前は、愛や尊敬といった意味の古フランス語の単語に由来する。2018年のウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクールにて、ベートーヴェンのベスト賞など4つの特別賞を得て優勝。エクサン=プロヴァンス国際アカデミーへの招待とECHO選出、トロンハイム国際室内楽コンクール入賞、ハイデルベルクの春弦楽四重奏コンクール特別賞など多数の受賞歴を誇る。
結成以来、ウィグモアホール(ロンドン)、セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ教会(ロンドン)、エステルハージ宮殿(オーストリア)などで演奏しているほか、エクサン・プロヴァンス音楽祭、フラジェ音楽祭(ブリュッセル)、プロ・カルテット・アカデミー(フランス)、ユニシス国際室内楽アカデミー(ドイツ)、またエクサン・プロヴァンス音楽祭のレジデント・カルテットとしてマギル大学国際弦楽四重奏アカデミーなどに出演。また、ウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクールの優勝者として、ルツェルン音楽祭への出演のほか、イギリスやイタリアへのツアーやレジデント・アーティストとしてロッテコンサートホールへの出演、ドイツ・リューベック市でのブラームス音楽祭、エステルハージ音楽祭、モントリオールの国際弦楽アカデミーへの出演を果たす。
2020年には名門アルファ・レーベルよりベートーヴェンやチン・ウンスク、ブリッジの作品を収録したデビューCDが発売され、仏ディアパソン誌より5つ星を獲得。アメリカ東海岸最大のクラシック音楽専門ラジオ局WQXRの2020年クラシック・ベストアルバムに選出された。
2022年には北米と日本への初ツアーを開催。また、エルプフィルハーモニーやシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭への出演など、その活躍の幅を世界中に広めている。
これまでにアルバン・ベルク四重奏団のギュンター・ピヒラーをはじめ、アルフレッド・ブレンデル、エバーハルト・フェルツ、アンドラーシュ・ケラー(元ブダペスト祝祭管弦楽団コンサートマスター)、クリストフ・ポッペン(元ケルビーニ四重奏団/元ミュンヘン国際音楽コンクール芸術監督)、ジョナサン・ブラウン(カザルス弦楽四重奏団)、ハイメ・ミュラー(アルテミス弦楽四重奏団)など、優れた奏者に指導を受け、現在はオリヴァー・ヴィレ(クス・クァルテット)のもとで研鑽を積み、さらなる高みを目指している。
http://www.esmequartet.com/
コメント
Q エスメ弦楽四重奏団の結成と成功の理由
ペ・ウォンヒ(第1ヴァイオリン):そもそも私たちは4人とも弦楽四重奏が大好きだったのだと思います。音楽への情熱だけでなく同じ文化的背景を持つ女性が4人集まったら素敵だろうと思いました。
ハ・ユナ(第2ヴァイオリン):それぞれの解釈から生まれたアイデアが形になっていくのはとても楽しいものです。私たちは1年の内300日くらい顔を合わせていると思います。一緒に食事をして練習をして生活をする。それが結成間もなく成功をつかんだ理由だと思います。
Qどんな弦楽四重奏団をめざしているか
ペ・ウォンヒ(第1ヴァイオリン):私たちがベートーベンの「大フーガ」を演奏した時の新聞の批評に、タキシードを来た4人の白人男性奏者が弦楽四重奏曲を演奏するのは当たり前だが、アジア系の女性4人がベートーベンのような難易度の高いドイツのレパートリーを演奏する様子にかなり興味を持ったとありました。私たちは伝統的な弦楽四重奏曲を演奏するだけでなく、あらゆるジャンルの作品を取り上げ、さまざまな側面を見せていきたいと思っています。また女性グループとしては、女性作曲家の作品も演奏したいですね。弦楽四重奏の未来には、私たちのような存在が必要だと思います。
Q「死と乙女」のなかで好きなところは?
ペ・ウォンヒ(第1ヴァイオリン):変奏曲で様々な感情や気持ちを表現できる第2楽章が一番魅力的でおもしろいです。
ハ・ユナ(第2ヴァイオリン):私は第4楽章です。歌のような主題が、死神が「こっちにおいで」と少女を誘惑しているかのようです。この部分に親しみを感じます。
キム・ジウォン(ビオラ):私は第一楽章の第2主題が大好きです。この美しく甘い旋律に合わせて演奏するのが非常に味わい深いのです。ビオラの旋律やビオラ奏者の伴奏に注目するとおもしろいですよ。
ホ・イェウン(チェロ):私も第2変奏に大切なメロディーが登場する第二楽章が好きです。私はチェリストなので個人的にはチェロの響きや優しさを聞いてもらいたいです。だから聞いてもらいたいと思うのはこの楽章です。
【曲目】
☆弦楽四重奏曲 作品71 第2から 第2楽章(ハイドン)
☆弦楽四重奏曲 ニ短調 D810「死と乙女」(シューベルト)
🎵韓国女性4人による弦楽四重奏は初めて目にし耳にする。予告を見た時から楽しみに待った。美しさの核心部分にもしっかりとした芯のある響き。そうとらえてからは弾き進むごとに愉快でならなかった。聴き手に斬りこんでくるような気構え、気魄がある。最後まで失速しない強さ。硬質な美しい響きを随所に最後までしっかりと楽曲を届けくれた4種の弦に、奏者に感謝。
🎧名曲アルバム。ヴィヴァルディ、「四季」から「冬」
千住真理子、高関健&東京フィル
ヴィヴァルディは1678年ベネチア生まれ。サン・ジョバンニ・イン・ブラゴラ教会で受洗。現在も洗礼版と洗礼証明書が残っている。ヴィヴァルディはピエタ教会の祭司を務めながら、今日付属の養育院の少女たちにバイオリンを教え、作曲もする。ウィーンに活路を求めるが挫折して帰還。失意のうちに亡くなる。彼が亡くなって間もなくベネチア共和国も崩壊する。
⛳8時46分更新
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