230130 クラシック倶楽部を聴く イリーナ・メジューエワ ピアノリサイタル 〜ラフマニノフが愛したピアノとともに〜
2023年に生誕150年を迎えるラフマニノフ。ロシア出身のピアニスト・イリーナ・メジューエワが、ラフマニノフが生前愛奏したピアノで珠玉のピアノ作品を演奏する。【収録】2022年11月23日 京都コンサートホールアンサンブルホールムラタ 【語り】川﨑理加アナウンサー
ピアノには、ラフマニノフ自身が書いたサインが残されている。ラフマニノフの作品を数多く演奏してきたメジューエワさん。作曲家自身が愛用したピアノでの演奏は今回が初めて。ラフマニノフのピアノはアメリカの倉庫で長期間保管されていたが、虫食いやひび割れで演奏できない状態だった。2020年4月、ピアノは日本に運び込まれ、調律師の高木裕さんが約1年かけて修復。一つ一つの部品が修理されよみがえった。ラフマニノフが弾いていた当時の音を響かせる。
イリーナ・メジューエワのコメント
生き物ですね。生きてる。まだちょっと寝てるかもしれません。これからですね。やはりどこかでラフマニノフ自身のタッチを覚えている楽器だと思います。温かい音色を持っている楽器ですね。古い楽器ですから、調子がね、今日は機嫌が悪い。お爺さんですからちょっと腰が痛いとか、きょうはちょっと乗れないとか、あるいは時間とともに機嫌がよくなってどんどん様々な音色を出してくれる素晴らしい楽器だと思います。
ピアニストとしてのラフマニノフを私はもうほんとうに尊敬しておりまして、今回はほんとうに神様みたいな方が使っていたピアノで演奏できるのはとても名誉なこと、そして畏れ多いこと、その楽器が覚えているラフマニノフのタッチを教えてもらいたい。楽器と仲良くなって楽器とのすばらしい対話ができたらいいなと思っております。
ラフマニノフのピアノ作品を代表するピアノ・ソナタ第2番について
ラフマニノフの作品の中でも非常にスケールが大きい曲なので、ドラマティックで、エモーション的に豊かな世界を持っている。感情的に。そして技術的にもラフマニノフのエッセンスがよく現れている作品と思います。特に表れてると思います。ピアニズムそのもの、技術的に、技術そのものが大変スケールが大きいので、私自身は、正直ちょっと距離感があったんです。私の手にとって無理がなくはないです。ちょっと弾きにくいところがあるかもしれません。でもこの機会に弾きたいなと思っていて、ちょっと自分の中でもチャレンジ的なものでもあります。
【曲目】
(ラフマニノフ作曲)
☆幻想的小品集 作品3
ラフマニノフがモスクワ音楽院を首席で卒業した19歳の時の作品。このピアノを弾いていた時期と重なる。
☆練習曲集「音の絵」から ハ長調 作品33第2
☆ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品36
🎵ラフマニノフをめぐる“ピアノものがたり”をおもしろく聴く。こういった修理を経た、それもかなり激しくガタついていたピアノの修復跡、後を引き受けて弾くことはどれほどの冒険であるかと思う。決して安定的な音は望めない中から引き出されたラフマニノフ。
🎧名曲アルバム。ハイドン「告別」。外山雄三&東京フィル
ハンガリーのフェルトゥ―ドに18世紀初め壮大なエステルハージ家の宮殿が築かれた。ハイドンはエステルハージ家の宮廷楽長だった。エステルハージ家は夏の間はオーストリアの居城を離れ、ここに滞在。ニコラウス・エステルハージは熱烈な音楽愛好家。ハイドンを楽長に迎え、宮廷楽団を夏の離宮に同行させた。滞在が次第に長引くようになり、家族を残してきた楽員たちは家に帰りたい。そこでハイドンが一計を案じ、演奏者が徐々に減る交響曲を書いた。演奏を終えた楽員は次々と会釈をして去っていくという趣向。早く家に帰りたいという願いを音楽で伝えたのだという。楽員たちの心情を知ったニコラウス侯は、即座に帰郷を認めたという。
⛳21時23分更新
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