221205 クラシック倶楽部を聴く 福間洸太朗 ベートーベンを弾く
20歳でクリーヴランド国際コンクールで日本人初の優勝を果たし注目を集める。ベルリンを拠点に、ソロ活動のほか国内外の著名なオーケストラとも多数共演。
【収録】2020 年7 月15 日 すみだトリフォニーホール 小ホールで収録


【曲目】(オール ベートーベン)
☆幻想曲 作品77
☆ピアノ・ソナタ第24番「テレーゼ」
☆ロンド・ア・カプリッチョ 「なくした小銭への怒り」
☆ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
【収録】2020年7月15日 すみだトリフォニーホール 小ホールで収録
福間洸太朗のコメント
ベートーベンに対して恐怖心というか、恐れていたために、自分には向いていないんじゃないかとか、まだ早いんじゃないかという意識を持ちながら作品を弾いたり取り組んでいたんですけれども、ようやくベートーベンという人間像にすこしづつ近づいているように感じられて、生誕250年というタイミングもあったので、CDを録音しましたし、演奏会でもたくさん取り上げるようになったんですね。彼自身ものすごい向上心と忍耐と勇気を持っていた方だと思うんですね。そういったものを私は彼の音楽を通してつたえたいなと思います。
「幻想曲」に関して言うと、ほんとうにユニークな作品だなあと私は思います。記述によると、「幻想曲ト短調」と書かれている場合もあるんですけれども、ト短調の部分というのは最初の4小節ぐらいしかないんですね。それからどんどんどんどん転調していっちゃって結局はロ長調で終わるんですけども、その調性だけでなく、場面もかなり頻繁に変わりますし、テンポも変わりますし、こう、ソナタ形式とかロンド形式とかバリエーションとか、その当時は形式に則ってその中で自由に冒険しながら音楽を書くというのが通例だったと思うんですけど、ほんとうに自由な作品だなと思います。その中でもベートーベンなりのロジックを立てて音楽を構築してて、最後は一つのモチーフがバリエーションになって盛り上がっていくんですけど、ほんとにこれはユニークな作品だなと思います。
「ロンド・ア・カプリッチョ」について、あまり取り上げられない作品を敢えて取り上げました。やはり生誕250年だけれども、ベートーベンがいかに幅広い音楽スタイルを書いたかということも皆さんに聴いていただきたいなということで選んだんですけれども、「ロンド・カプリッチョ」、これもまた大変珍しい作品ですけれども、オーパス・ナンバーは129といってかなり終わりの方なんですけれども、実は初期の作品で、「悲愴」とかも作られる前に書かれたんですよね。サブタイトルがあって、「失われた小銭への怒り」という冗談みたいなタイトルがついているんですけれども、この曲が全体にアップテンポで、非常に技巧的にも難しいですし、見せ場もたくさんあるんですけれども、全体にはハンガリー風のロマの音楽をモチーフに作られているので、非常にリズミックだし、一人で弾いてるんですけれども、何かこう楽団、ロマの人たちが何人かで一緒に弾いてるという気分で私は弾いています。
ベートーベンを弾くにあたって難しいのは、感情表現はとても大切なんですけれども、ほんとうにもう細かなところで緻密に音楽が構築されてるんですね。「熱情ソナタ」とかは、たぶん10代の終わり、20代で弾いたときには、とにかく勢いに任せてエネルギッシュに弾くことで満足を得ている自分がいたと思うんですけど、今は全然そうじゃなくて、特に3楽章とか、アレグロ・マ・ノントロッポ、「速いんだけれどもそんなに速くなく」いう指示を私はすごくこだわりたいんですね。勢いに任せてエネルギッシュに弾くんだったらもう指の訓練とその時のフィーリングで弾けると思うんですけども、そうじゃない、どこか抑制しながら、どこか抵抗を感じながら弾くということにすごい意味があると思うんですね。「熱情」というタイトルは勿論そうなのかもしれないですけど、かなり冷静な部分というのも私は大切じゃないかと思います。
🎵激情の表現にも抑制のある方がとおもっていたけれども、今回の「熱情」が何かそれでむしろ奥行、深みが出ていたという感じが。選曲の面白さ、「幻想曲」にはピアノ・ソナタ32番で聴いた旋律も。何か新しい。「失われた小銭への怒り」すっきりと立ち上がった響きが、くぐもった頭脳を洗ってくれた。
🎧名曲アルバム。「“ペール・ギュント”からハリング舞曲」グリーグ作曲



ハリング舞曲(参考にピアノ演奏)はノルウェー西部のハルダンゲル地方の結婚式や祭にまつわる一曲。演奏に使われる美しいバイオリンとともに「ペール・ギュント」の知られざる名曲を紹介する。
ハルダンゲルバイオリン山瀬理桜、ピアノ中村真理
グリーグはハルダンゲル地方で生まれたハルダンゲルバイオリンを愛した。ライオンの頭と自然をモチーフにした伝統的な装飾。熟練工でさえ年に1,2台しか製作できないほど。弦の下には共鳴弦を張ってある。
🎵ハンダンゲルバイオリンの山瀬さんは、この界の巨匠クヌート・ハムレ氏から絶賛される奏者であるようだ。ハンダンゲルには沈んだ気分も引き上げてくれるような明るさと懐かしさ陽気さも感じられる。これは通常の4本の下に張られてある4、5本の共鳴弦のマジックなのかもしれない。
⛳実はきょうはちょっと朝寝坊。前の記事を引っ張り出して、何か所か知りたい箇所につないでみた。
10時30分更新
書き足し:
けさXR技術なるものが紹介されていたけれども、近頃は逆な在りようが自然に思われ、自然に息ができるような気もしている。
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