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221201 クラシック倶楽部を聴く ラドヴァン・ヴラトコヴィチ ホルン・リサイタル

ザグレブ出身の世界的ホルン奏者ラドヴァン・ヴラトコヴィチが、ベートーベンのホルン・ソナタから現代の作曲家の作品までを多彩な音色で奏でる演奏会をお送りする。
【演奏】ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン)、児嶋 一江(ピアノ)
【収録】2022年5月20日 紀尾井ホール(東京・千代田区)


ラドヴァンのコメント
 どんな楽器にも特有の魅力がありますが、ホルンの魅力の一つは多様性だと思います。神秘的で魔法のような楽器です。私は6歳でホルンを始めました。最初は遊び感覚で、毎週土曜日がレッスン日。当時はホルンではなくメロフォンというホルンに似た楽器で練習していました。帰国後小学校と音楽学校に通い始め、そこから本格的な音楽の勉強が始まり、楽器のテクニックや音楽理論などを学びました。
 ホルンは音色がとても魅力的な楽器です。大きい音や勇ましい音、逆に信じられないほど繊細な音も出るし人間の声のように歌うこともできます。4オクターブ以上の広い音域があり、音の強弱の幅も大きい。木管楽器と共演するときなどは、とても小さな音で演奏することも可能です。逆にオーケストラと演奏するときには、それなりに大きな音を出せるのも魅力です。楽しいという気持ちは6歳の時から今も変わりませんね。
 ベートーベンのソナタのように有名な作品もあればあまり知られていない作品もあります。キルヒナーもそうです。どの作品も個人的な「縁」があるものばかりです。今日演奏する「オルフェオの嘆き」は、私の知人の女性ホルン奏者のために書かれたものです。
 オルフェウスの神話は音楽と深い関わりがあります。〝空間と反響〟そして〝時の流れと反響〟の関係性に注目して書かれた作品です。ピアノの中で音が発せられ、そこから跳ね返ってくる音をピアノストがペダルを踏むことで更に響きに変化を加えます。作曲家は数年前に亡くなりましたが、とても美しい作品です。
 今日演奏するもう一つの現代曲は、ノルウェーの女性ホルン奏者のために書かれた曲です。ベルゲという作曲家の作品で、ノルウェー語で「牛追い歌」を意味する「Horn Lokk」という題がついています。とても面白いホルンのための独奏曲です。古典から現代曲までホルン音楽の大きな流れを紹介できるので、ベートーベンも喜んでくれるでしょう。同時に彼の時代にはなかったバルブ付きホルンの可能性も感じていただけると思います。

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曲目
ホルン・ソナタ ヘ長調 作品17(ベートーベン)
 1800年、ベートーヴェンが29歳の時に、ホルンの名手プントと共演するために書いた作品。難易度の高い作品でベートーベン自身が弾くために書かれたピアノパートも技巧的。楽譜を書き始めたのは演奏会前日と言われている。
☆オルフェオの嘆き(キルヒナー)
☆7つのスケッチ(マッツ)
 マッツ(1901~1988)はクロアチアの作曲家。約500の器楽、声楽曲を作曲。ー
☆ホルン独奏のための「Horn Lokk」〈牛追い歌〉(ベルゲ)
 北欧の冷涼な空気を感じさせるこの曲のタイトル「Lokk」はノルウェーの伝統的な牛追い歌の意味。叫び、歌い、語りかけるようすが現代的な技法を伴うホルンで再現されている。
☆序奏、アンダンテとアレグロ(ロッシーニ)
 父がホルン奏者だったロッシーニは、この楽器の扱いにたけていた。37歳の時、「ウィリアム・テル」でオペラの筆を折った彼はサロン向けの小曲を多く作曲した。ロッシーニらしい歌心にあふれたこの曲は、晩年のパリ時代に作曲されたと言われている。
☆アンコール サルタレッロ(アルトー)


🎵今回は演奏から醸される空気感を楽しむ。「Horn Lokk」、音に遠近感をもたせ、広さ、空間、或いは、近づき来るものたちを感じさせるこの曲。「序奏、アンダンテとアレグロ」、哀歌のようにきこえながらも、次第に展望が開けてゆくような。アンコール曲、小さいながらも軽快、小気味よさも。

 

🎧名曲アルバム。「ディヴェルティメント K.136」モーツァルト作曲 。飯森範親&N響。

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 モーツァルトは十代半ばに3回イタリアを訪れた。ザルツブルクからインスブルック、ブレンナー峠を越えてイタリア最初の公開演奏を行ったヴェローナまでの道のりをたどる。
 モーツァルトはザルツブルクに生まれここに育つ。十代半ばの彼は、ここから3度イタリアに旅立った。モーツァルト父子はザルツブルクから先ず西へと向かう。途中インスブルックには今も彼らが滞在した宿が残っている。ここから二人はブレンナー峠へと向かった。18世紀馬車による山越えは過酷なものだった。現在はアルプスの南北を隔てるブレンナー峠がオーストリアとイタリアの国境で、ドイツ語とイタリア語が共存する。峠からおよそ100キロのロヴェレートでモーツァルトは温かく迎えられた。モーツァルトの十数年後にアルプスを越えたゲーテは「イタリア紀行」の中で、この街で言葉はイタリア語だけになると述べている。ロヴェレートからおよそ50キロ南のヴェローナに古代ローマ時代の野外劇場がある。モーツァルトに強い印象を与えたかと。
イタリア最初の公開演奏を行ったホールでは、13歳の神童は聴衆の大きな喝采を浴びた。モーツァルトのイタリア体験は、その後の創作活動に大きな影響を与えた。
興味深いモーツァルトのカレンダーはこちら

🎵ブレンナー峠越えのモーツァルトの旅にたった数分間同行。馬はこの坂をのぼれるかしらん、馬車は大揺れ、背中は痛いおしりも痛い、全身ぐったり。現地到着で息を吹き返す。こんな旅?

⛳さきほど盛岡にも雪がちらついていた。初雪ではないらしいけれど。もう12月1日。ことしもあと一か月。月並みなこのセリフだと思いながらの更新。何が何でも朝食は7時に出すと決まっている。朝食を終え、後片付けを終えて8時25分更新。

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