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221122 クラシック倶楽部を聴く エマニュエル・チェクナヴォリアン バイオリン・リサイタル

エマニュエル・チェクナヴォリアン1995年に指揮者の父とピアニストの母を両親に持つウィーンの音楽一家に生まれ、アルメニアに育つ。7歳でオーケストラとデビューを果たす。2015年シベリウス国際コンで第2位及びを受賞、及びベスト・シベリウス演奏賞を受賞。使用楽器は、ベアーズ国際ヴァイリン協会から貸与された1698年製ストラディヴァリウス。ゲヴァントハウス管やサンクトペテルブルク・フィルなど共演多数。201712月、ソニー・クラシカルからデビューアルバム「SOLO」をリリース。このCDが注目を集め、201810月には新設されたOPUS Klassik賞を錚々たる演奏家とともに受賞。20179月からは、オーストリアのラジオ番組で、毎月1回「Der Klassik-Tjek」というタイトルの自身のラジオ番組のパーソナリティを務めている他、北ドイツ放送、バイエルン放送や独仏共同出資のテレビなどにも出演している。

マリオ・ヘリング(ピアノ)1989年ハノーファー生まれ。いずれもヴァイオリニストの両親は、父がドイツ人、母が日本人である。3歳からピアノを始め、樋口紀美子、ファビオ・ビディーニに学んだのち2009年よりハノーファー国立音楽大学にてカール=ハインツ・ケマリング及びラルス・フォークトへ師事。スタインウェイ国際コンクールやドイツ青少年コンクールで16回の優勝を飾っており、さまざまな奨学賞も獲得。2003年ベルリン交響楽団とベルリンのフィルハーモニーへ登場してオーケストラ・デビュー、大成功を収めた。巨匠パウル・バドゥラ=スコダが絶賛するドイツ若手ピアニストの注目株で、これまでにエルプフィルハーモニー・ハンブルク、コンセルトヘボウ、ウィーン・コンツェルトハウス、ケルン・フィルハーモニー、ベルリン・フィルハーモニー、コンツェルトハウス・ベルリン等世界有数の会場、キッシンゲン夏の音楽祭、ルツェルン音楽祭、スタインウェイ国際フェスティバル等著名な音楽祭へ出演。2012年名匠アレクサンドル・ラザレフの指揮で日本フィルハーモニー交響楽団と初共演を果たす。2016年ノエ・乾とのデュオアルバム、20182枚目のソロアルバムがそれぞれICMA国際クラシック賞にノミネートされ絶賛を博した。2018年難関として知られるリーズ国際ピアノ・コンクールにて第2位及びヤルタ・メニューイン賞受賞。

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【演奏】エマニュエル・チェクナヴォリアン(バイオリン)マリオ・ヘリング(ピアノ)
【収録】2019121日 ハクジュホール 

エマニュエル・チェクナヴォリアンのコメント
ウィーンには日本人の芸術家がたくさんいて日本はまったく知らない国ではありませんでした。アルメニアでは父の助手が日本人でしたから幼い時から日本はとても身近な存在でした。今回は日本ではじめてのリサイタルなのでドイツやオーストリアを代表する作品でまとめました。
 シューベルトも生粋のウィーン人です。今日は二人のウィーンの作曲家で締めくくられます。この「華麗なるロンド」はあまりシューベルトらしくない作品です。シューベルトは歌曲、ピアノ・ソナタの作曲家として有名ですが、この曲はまったく彼らしくない。ものすごく技巧的で歌曲のようなところもありますが、どこか「悪魔的」です。ピアノもバイオリンも非常に難しい。最晩年の作品ですが最後に突拍子もないものを書いてしまった感じ。演奏可能かどうか考えずに湧き上がる音楽をそのまま書いたかのようです。でもすばらしい曲です。

【曲目】
ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24「春」 (ベートーヴェン)
ウィーン風狂想的幻想曲 (クライスラー)
華麗なるロンド ロ短調 D895 (シューベルト)
アンコールは愛の喜び(クライスラー)



🎵「春」は「クロイツェル」と並んでよく奏される。深刻さはない明るさ。両手を広げて来る季節を寿ぎ喜び楽しんでいる感じが。1801年というとベートーベンはどこでどんな暮らしであったろうか。
「ウィーン風狂騒的幻想曲」、何とクライスラー70歳で作曲。出だしは玄妙、あとはゆったりと黄昏時を楽しんでいるような、鼻歌が聞えてきそうなところも。シャンソンにも通じるような重音の響きに、これがまさしくクライスラー!と。クライスラーはシェークスピア、当時一世を風靡した歌手カルーソーと並んで大いに迎えられた自らの人生に満足であったのでは。
「華麗なロンド」をチェクナヴォリアンは「シューベルトの歌曲、ピアノ・ソナタの作曲からは彼らしくない作品であると。突拍子もなく考えもせずに湧きあがるがままに書かれている」とコメント。譜面の上ではいかに破天荒でも。これが言葉で表した場合には難儀なことになることも。
アンコールの「愛の喜び」、この曲を当時の人々はどれほどに待ち望んだことか。
ふたりのプロフィールはハクジュのコンサート紹介から。自分は70歳まで生きられればと思っていたがすでにこの齢に。クライスラーは70でこんな作曲をしている。単純でもいいから賛美歌の一つも作曲して譜面に残したいと思ったものの、明日は明日にお任せ。

🎧名曲アルバム。「歌劇“はかなき人生”から 間奏曲とスペイン舞曲」ファリャ作曲

(管弦楽)東京フィルハーモニー交響楽団,(指揮)岩村力 ~スペイン・グラナダ~
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ファリャは当時珍しかった写真から想像を膨らませてロマの人々の生活を描いたという。してみるとこのコロナと隣り合わせの時代、メディアだけから想像を膨らませて何かを仕立てることもアリ。

⛳7時7分更新

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