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221118 クラシック倶楽部を聴く ジャン・ギアン・ケラス&アレクサンドル・タロー 演奏会

日本では8年ぶりのデュオを披露したチェロのジャン・ギアン・ケラスとピアノのアレクサンドル・タロー。互いを最高の共演相手と認め合う彼らのアンサンブルをお楽しみください【曲目】ハンガリー舞曲集から(ブラームス作曲 ケラス&タロー編曲)ほか【演奏】ジャン・ギアン・ケラス(チェロ)、アレクサンドル・タロー(ピアノ)【収録】2019年11月27日 王子ホールで収録
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王子ホール

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コメント
タロー:彼とは20年以上も共演しているので、言葉なくして阿吽の呼吸で演奏できます。本番の最中も視線を交わすだけで絶妙な反応が返ってきます。今までと違うニュアンスで弾いていてもそれを受け止めボールを投げ返してくれます。今回演奏するブラームスのように何回も一緒に演奏している曲もありますが、そうではない曲もある。
ケラス:そうした曲はともに理解を深め、我々も作品と共に成長してきました。だから演奏中の無言のやり取りが可能なのです。リスクを恐れずに自由に弾く。長く共演してきたからこそできることです。

 

ドビュッシーの「チェロ・ソナタ」1915の作品。

このデュオ、精彩があって華やか。ケラスいう自由さからくる響きと感じられた。第2楽章、ドビュッシーの陰影を曳きながら、次は自分がおもしろいと思った点をwikipediaでたしかめたのだけれども、「短いながらもチェロの幅広い演奏技巧が駆使され、左手のピチカートスピッカートフラウタンド奏法、ポルタメントが認められる」とある、このところに関心を集中。

ブラームスの「チェロ・ソナタ 第2」。188653歳のとき、避暑地のスイスのトゥーン滞在中にヴィトマンの邸宅で作曲したという。ブラームスの熱が、ケラスの熱となって絞り出されといった感じにも、すこし切なく聴く。ブラームスには底にいつも煩悶と自問自答、あるいはこたえは出てこないといった思いが感じられる。最後はすっきりと仕上げているけれども。

ブラームスの「ハンガリー舞曲」の超有名な第5番、これでケラス&タローの編曲の違いを確かめ得たかなと。それにしても、ロマの影響というものの大きさをここでも。エレジーを裾のように引きずりながらも陽気に踊るすがたが、今そこに立ち現れ、舞い踊り果ててスカッとさせてくれる。

 

🎧名曲アルバム。マヌエル・ポンセ作曲、加羽沢美濃・編曲。「小さな星」。チェロ江口心一、ピアノ加羽沢美濃

メキシコの中央標高1800にあるアグアスカリエンテス(スペイン語で「熱い水」)は温泉郷。1882年生まれのポンセは生後まもなくこの地に引っ越してきた。サンディエゴ教会の聖歌隊に入り、早くから音楽の才を発揮。16歳で正オルガニストを務める。代表作が「小さな星」。原曲はポンセ自ら詩をつけた歌曲であるという。ポンセは故郷に向かう夜行列車の中でこの歌詞を書いたといわれている。


遠い空の小さな星
私の悩みを見ている星
私の苦しみを知る星よ
もしもあの人が少しでも私のことを愛しているのなら
降りてきて教えておくれ
なぜなら私は生きてはいけない
あの人の愛なしには

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ポンセが弾いたオルガン

⛳ポンセの哀切に澄んで美しい「小さな星」が、今のこのオルガンを天から見下ろしたとき、その頬に一筋の涙がつたうのでは。
けさは5時段階で⁻3。予報を見てこの音楽がおわるころには陽がのぼるとおもっていたが、今しがた遮らなければ眩しいほどの光が一気にさした。6時50分更新

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