221028 クラシック倶楽部を聴く ギター・フェスタ 2022 猪居亜美と押尾コータロー
8月19日から21日にかけて東京のハクジュホールで開かれた<ギターフェスタ2022>から、第一夜の猪居亜美と押尾コータローの演奏をお届けします。
【収録】2022年8月19日 ハクジュホール(東京)
猪居亜美:1993年大阪生まれ。4歳からギタリストの父に英才教育を受ける。大阪音楽大学で藤井敬吾、福田進一に師事。ギター音楽大賞グランプリ。台湾ギター国際コンクール第三位。国内外のコンクールで数多く入賞。今年16回目のギター・フェスに初出演の注目の若手ギタリスト。
猪居亜美のコメント
Q今回のプログラムについて
最初に福田先生から今回の「ハクジュのゲストどう?」というふうにお話をいただいた時に、日本ではあまり引かれていないけれどもすごくおもしろい作品、日本で広めたい作品も、そういった曲目ですべて組んでみたらどうなるかなということで、アンドレ・ヨークの作品そしてロベルト・シエッラの作品を選んだ形です。一見すごく不協和音、現代作品独特の不協、それぞれの作者によって音遣いがすごく独特なものがあるんですけれども、そのなかでやっぱり通して弾いてみるとギターの特殊奏法だったりいろんな可能性が秘められているような作品たちだなと、クラシックギターのために書かれてはいるんだけれども、すごくロックのようなカッコいい作品が取り上げられたなと思っていて、特にアンドレ・ヨークという作者はクラシック・ギターの中でもよく定番曲サンバーストであったりとか、そういったテーマ曲とかすごく人気な作曲者兼ギタリストなんですけれども、もう今までの彼とはまったく違った音遣いであったりとか奏法も取り入れていて、すごくカッコいいのでこちら聴いていただけたらなあと思っています。
【曲目】猪居亜美・演奏
☆Just how funky are you(ヨーク)
クラシックにジャズの語法を取り入れたジャズプレイヤーとしても熟達したヨークらしい作品。
☆ギター・ソナタ(シエッラ)
シエッラは1953年プエルトリコに生まれた現代のラテン・アメリカを代表する作曲家。終楽章にはシエッラが得意とするサルサのリズムが散りばめられている。
押尾コータロー:1968年大阪生まれ。14歳でギターを始める。2002年アコースティック・ギタリストとして日本、全米でメジャーデビューを果たし、この年から3年連続でスイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演。特殊奏法を用いたアレンジと類まれな演奏テクニックが醸し出す表現豊かな音楽は、日本のみならずアジア圏でも多くのファンの支持を受けている。
押尾コータローのコメント
Qギター・フェスタ出演について
僕は今回の企画にほんとうに感謝なんですけど、なかなか押尾コータローという鉄弦のフォークギターのインストロメンタル奏者を呼んで一緒に何かやってくれるという事態はほんとうにすごいことで、なかなか近そうで近くない鉄弦とナイロンがなったのがその垣根を取ってくれた福田進一さんにほんとうに感謝ですね。しおむらあきおさんもそうですし。
Q今回のプログについて
とはいえ初めて見る方もおられると思うので、その時にやっぱり押尾コータローを知ってもらえるきっかけになった曲の一つにやっぱり、坂本龍一さんのメリー・クリスマス、ミスター・ローレンスを聴いてほしいなというのと、あとやっぱり、このハクジュホールのすばらしい響きの中で演奏するのに生音をいかにクラシックギタリストのように出したいなというのがぼくにもあって、その中で選曲したらやっぱり「第三の男」、ここで弾くと気持ちいいだろうなと。あと自分の曲でやってる「黄昏」という曲も普段はその前譜でとってるんですけども、きょうはその生音をできるだけ聴いてもらおうかなと。(弦をつま弾いて)これだけ響くんですからほんとに気持ちいいですよね。
【曲目】押尾コータロー・演奏
☆映画「戦場のメリー・クリスマス」からMerry Christmas Mr.Lawrence(坂本龍一/押尾コータロー編)
坂本龍一が音楽を担当し俳優としても出演した映画「戦場のメリー・クリスマス」のテーマ曲。押尾は弦やボディーを打楽器のようにたたく奏法や変則的な調弦を使ってアレンジした。
☆映画「第三の男」から、ハリー・ライムのテーマ(A.カラス/押尾コータロー編)
民族楽器チターの奏者としてウィーンの酒場で活躍していたアントン・カラス。撮影で現地を訪れた監督に見いだされ、この映画の音楽を作曲・演奏して一躍有名になった。
☆黄昏(押尾コータロー)
ブラジルで親しまれているショーロというジャンルをイメージして作曲。夕暮れ時の寂しさと明かりが灯る町並みの温かさが描かれている。
☆リベルタンゴ(ピアソラ/押尾コータロー編)
タンゴの革命児といわれたピアソラが新天地を求め母国アルゼンチンからイタリアへ移住したときの作品。リベルタ(自由)とタンゴを合わせた曲名には従来のタンゴの枠を超えようとした決意がうかがえる。
☆翼~you are the HERO~(押尾コータロー)
「夢はきっとかなう」という思いを込めて、押尾コータローは初めて作った応援ソング。口ずさみたくなるようなポップなメロディーと軽快なグループ感にあふれた作品。
🎵ハリー・ライムのテーマが鳥の囀りのようにも聞こえて。アコースティックゆえか。「黄昏」、語り掛けてくれる歌のような。「翼」、なかなかうまくいかなくて、そんな軽い吐息にも、ああそうさ、そうなんだよ、そんなときもあるさ、と受容効果もあるような。
🎧名曲アルバム。「英雄の生涯」リヒャルト・シュトラウス作曲
(管弦楽)NHK交響楽団,(指揮)小泉和裕 ~オランダ・アムステルダム~
コンセルトヘボウを世界有数の楽壇に作ったメンゲルベルクは約半世紀楽壇に君臨。鬼軍曹と呼ばれて。しかしR・シュトラウスは彼を絶賛。この曲を彼とその楽壇に捧げたという。
⛳番組が終わって東の方を見やると、
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