220916クラシック倶楽部を聴く カナディアン・ブラス 演奏会
50年にわたり金管五重奏の音楽をけん引し、世界中の聴衆をとりこにしてきたカナディアン・ブラス。確かな技術と豊かな音楽性で紡ぎ出されるスーパーサウンドをご紹介。 【出演】カナディアン・ブラス
ブランドン・ライデナワー(トランペット)
ケイレブ・ハドソン(トランペット)
ジェフ・ネルセン(ホルン)
アキレス・リアルマコプーロス(トロンボーン)
チャック・デーレンバック(テューバ)
【収録】2020年2月1日 武蔵野市民文化会館 大ホール
コメント
ブランドン・ライデナワー:(途中から)また私たちメンバーが編曲を手掛けた新しい曲も演奏します。皆さんと共に過去を振り返り未来を見据えるプログラムです。
チャック・デーレンバック:ツァーのタイトルは「ライト・ナウ(まさに今)」です。アニバーサリーとして私たちの過去と未来をひも解きますが、それだけでは少々退屈です。だから「今」に集中することにしたのです。ブランドンが「ライト・ナウ」という曲を編曲しましたが、今回のツァーにぴったりです。過去も未来も大切ですが、今この瞬間が一番かけがいのない時間なのです。
ブランドン・ライデナワー:私たちのポリシーは心を開くことです。メンバーの間のコミュニケーションのためにも、そして聴衆のみなさんと公演の感動を分かち合うためにも大切なことなのです。
ジェフ・ネルセン
どんな曲でもソプラノからバス五声部のアンサンブルとしてしっかりスタイルを確立できます。5人という小編成ではそれぞれの個性も表現できるので聴衆のみなさんはそれぞれの個性もアンサンブルの魅力も味わえます。
ブランドン・ライデナワー
僕らが金管五重奏を生んだわけではありませんが、親しみやすいものにしたのは僕らかもしれませんね。
アキレス・リアルマコプーロス:カナディアン・ブラスは、子どもたちとの活動から始まり、そしてカーネギーホールまでたどり着いたのです。若者と音楽を分かち合うのはすばらしいことです。私たち自身カナディアン・ブラスを聴いて育ち、大きな影響を受けています。だからこそ今度は自分たちが音楽のすばらしさを伝えていきたいと思うのです。
曲目
☆「ジャスト・ア・クローサー・ウォーク・ウィズ・ジー」黒人霊歌:作曲、ギリス:編曲
黒人女性を傷つきながらも飛び立つ黒い鳥に例えた応援歌とも言われている。
☆「戦いのガイヤルド」シャイト:作曲、カナディアン・ブラス:編曲
☆「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」バッハ:作曲、ミルズ:編曲
☆「ビートルズ・オン・ブラス」レノン/マッカートニー:作曲、ライデナワー/デドリック:編曲
☆「ライト・ナウ」ロングストレス:作曲、ライデナワー:編曲
電子的なサウンドを取り入れた現代的な曲をトランペットのライデナワーが編曲
☆「リベルタンゴ」ピアソラ:作曲、バーグストーラー:編曲
☆「ロンドンデリーの歌(ダニー・ボーイ)」アイルランド民謡:作曲、ハドソン:編曲
☆「デキシーランド・トリビュート」ヘンダーソン:編曲
ハイ・ソサイェティー
ブラック・ボトム・ストンプ
チューバ・タイガー・ラグ
🎵とにかく明るい! 明るい! 青空、大空のように明るい! カナディアン・ブラス、伝統をまもり、未来をめざし、ブランドンいうに「今のこの瞬間がいちばん大切」と。もともとは子どもたちとの活動、子どもたちのために演奏していたのが、やがてはカーネギーホールに、世界にと。バッハからビートルズ、ソプラノからバスまでを5声、それぞれの個性をアンサンブルに反映させての演奏。演奏者自身がカナディアンを聴いて育ったとも。
5人が黒のパンツスーツにオレンジ色のネクタイ、スニーカーで、黒人霊歌「ジャスト・ア・クローサー・ウォーク」、これが葬送の曲なのだけれども、これを演奏しながら観客席に登場。客席のあいだを縫ってステージに。この曲を演奏しながら登場するのがこの楽団の定番であるという。続く「戦いのガイヤルド」。何と、ここまでがアンコール曲。時々時間の関係でできないこともあるので先にアンコールを演奏。これからがプログラムにある演奏です」とユーモアたっぷりの日本語挨拶には皆が爆笑。
そしてバッハの「トッカータとフーガ」。軽さ、光の軽さとでもいおうか、そんな明るい響きを巧みに響かせながらも荘重さも感じさせる。ここで逆なりにパイプオルガンの響きが思いだされ、パイプオルガンの地を圧する地のすべてをおおう壮大な響きのすごさを再確認させられたような。「ビートルズ・オン・ブラス」ではビートルズナンバーから3曲を。トランペットで「イエスタディ」。トロンボーンで「ブラック・バード」、これは黒人女性を傷つきながらも飛びたつ黒い鳥にたとえた応援歌。続く「ケニ・レイン」。「リベル・タンゴ」。「ロンドンデリーの歌」。
それにしても、このブラス使用の金管の美しさは! 譜面台や天井に並ぶライト、演奏する指のうごきなどが輝く金色のラッパの曲面に映りこみ繊細にうごき流れている。どこかの頁でアメリカのどこぞで製作されたものと出ていたけれども、華麗、流麗という感じが。
ディキシー・ランドジャズ、発祥はニュー・オリンズ。1917年にニューオリンズに登場し、ニューヨーク、シカゴに移動して広まったのが1920年か。1917年というと大正6年。たしか最初は大阪の道頓堀あたりで盛んに鳴っていたはず。しだいに東京へと。
五重奏のディキシーランドジャズ「ハイ・ソサィエティ」、「ブラック・ボトム・スクンプ」、「テューバ・タイガー・ラグ」、軽々とチューバを自在に振り回し振り回されるチャックのパフォーマンス。せっかくのサービスに観客の反応はちょっと遅いのが残念。また3人の奏者が歌声を聴かせてくれた。ユーモアたっぷりの実力派金管五重奏、朝の空気を清々しく震撼させてくれた。
🎧名曲アルバム。プーランク「オーボエ・ソナタ」
ロワール川の恩恵で栄えたフランス中西部トゥーレーヌ地方の田舎町ノワゼーにプーランクの館がある。生涯独身だったプーランクはこの地のワインを愛し作曲に専念した。かれは生粋のパリジャンだが曲を作るときはノワゼーへ通った。美しい土地で自由に作曲ができる環境を気に入っていたという。印象主義音楽が華開いた19世紀末に薬品会社を経営する父のもとに生まれる。ピアニストの母に5歳から学ぶ。サティなど様々な作曲家と出会い、独学で作曲を始める。父に音楽家への道を反対される。
この曲は死の前年に書かれた。彼にはノワゼーで暮らしたいと願う、彼の音楽の理解者である幼なじみのリノシエがいたが、彼女は早世してしまう。
⛳20時10分更新
いまオーボエ奏者が書かれていないことに気づき、撮ったものをまた繰ってみると、オーボエは古部賢一、ピアノ宇根美沙恵。
取り立てて書こうと思わなくとも打ち始めると出てくるときもあるけれども、きょうは書いては消し、書いては消し。結局は書き足さないまま11分経過。
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