クラシック倶楽部を聴く、などなど、まとめ更新
6月3日(金)クラシック倶楽部を聴く 大西宇宙 〜七変化のバリトン〜
大西宇宙(おおにしたかおき)バリトン
武蔵野音楽大学、同大学院を修了後、ニューヨークのジュリアード音楽院留学。音楽院時代から多くのオペラ公演の主要キャストに選ばれ舞台にあがる。2015年シカゴ・リリック・オペラの所属歌手となり、さまざまな公演に出演。日本では2019年にセイジ・オザワ松本フェスティバル、エフゲーニ・オネーギンで代役を務め話題を集める。
村上寿昭 ピアノ
桐朋学園大学で指揮を学び、オーストリアのリンツ、ドイツのハノーヴァーの歌劇場に在籍し数多くのバレエやオペラを指揮。現在は活動の中心を日本に定め、室内楽や歌曲の演奏などピアニストとしても活躍。
大西宇宙のコメント
Q今回のプログラムについて
イタリア語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、各国語にわたってこのリサイタルを回していただいたんですけど、それぞれ言葉によってキャラクターも全然違うし、バリトンという声種そのものがいろんな顔と性格があるという事で、今回それを楽しんでいただければと思ってこういうプログラムにしてみました。
Q「さすらう若者」について
マーラーは最初ピアノ伴奏で作って、オーケストラを想定して作っていて実際に自分でもオーケストラで最後のバージョンを書いたと思うんですが、すごく交響曲に近いというか、交響曲のいちばんの下地になった歌曲なんですけど、ものすごくスケールの大きい作品になってます。オーケストレーションの鮮やかさ、そこにこの歌が乗るという何とも魔法がかったというか、そういう音楽の持ち主だと思います。すごくそういうマーラーの歌の世界をどんどん自分の中でも広げていきたいなといつも思ってます。私もアメリカの音楽院時代ですとかシカゴにいた時代から、すごくドイツリートを大事にしてきて、やはりこう一つの音楽的な表現の基礎となるような礎となるようなレパートリーだと思うので、これからも大事に歌って行きたいと思っています。
Qバリトンという声について
男性のふつうの地声に近い声種だと思う。ちょうど真ん中ぐらい。だからいちばんハートが素直に出る声種なんじゃないかなと思いますけれども、そこの間で揺れ動く心情を歌ったりダークな面、暗い面を歌ったりとか或いはスケルツォな、おどけたような役もやったりするわけで、その物語の中でも複雑な役が多いというか、名脇役みたいなキャラクターがよく出るキャラクターで、たまにやっぱり自分の中にまったくないキャラクターをやらなければいけないときもあるので、そういうときはやはり、作品をしっかり読み込んで、想像力で補う事をしていかないといけないかなと思います。自分だったらこの立場に置かれたときにどうするか。で、もし必要だったらその時、当時の時代背景はどうだったのか、この人はどういう信条を持っていて、どういう暮らしをしててとか、そういうところに、分かるところはちゃんと情報を得て、分からないところは想像深める。音楽家の人生ってたぶんすごく長距離のキャリアだと思うんですね。やはり長く歌って行くというのが大事で、目の前の事だけを見るんじゃなくてこう常に先を見据えながら自分の心に正直な歌を常に歌える人でありたいと思っています。
曲目
☆ドゥルシネア姫に心を寄せるドン・キホーテ(ポール・モラン作詞/ラヴェル)
訳 大西和子
バス歌手シャリアピン主演の映画「ドン・キホーテ」のために書かれたが、映画では用いられず歌曲として残った。スペインの作家セルバンテスの小説を題材にしたポール・モランの詩による3つの曲から成る。
☆さすらう若者の歌(マーラー作詞、作曲)
訳 西原稔
20代半ばのマーラーが自分の体験をもとに書いた4つの曲からなる歌曲集。
当時勤めていた歌劇場の歌手ヨハンナ・リヒターへの報われぬ愛がきっかけとなって生まれた。
☆歌劇「フィガロの結婚」から「もうあんたの勝ちだと言ったな」(モーツァルト)
アルマヴィーバ伯爵の召使フィガロとスザンナ二人の結婚式に起こる騒動を描いたオペラ。スザンナを口説く伯爵だ
が彼女の言葉に「騙されているのでは?」と疑念を抱きいきまいて歌う。
☆歌劇「ランメルモールのルチア」から「激しい苦しみ」(ドニゼッティ)
訳 小畑恒夫
17世紀のスコットランドを舞台に恋人がいながら政略結婚をさせられるルチアの悲劇を描いたオペラ。ルチアの兄エンリーコは仇敵エドガルドに心を奪われていると知り、怒りに燃えて歌う。
☆歌劇「ドン・カルロス」から「私ですカルロス~わが生涯最高の日です~ロドリーゴの死「終わりの日が来ました」(ヴェルディ)
訳 岡本和子
舞台は16世紀のスペイン 実在の人物をモデルに歴史に翻弄される人々の愛と葛藤を描いたオペラ。反逆の罪で捕えられたスペインの王子ドン・カルロス 親友ロドリーゴは彼の身代わりとなり未来を託し死んでいく。
☆歌劇「スペードの女王」から「あなたを愛しています」(チャイコフスキー)
訳 小林久枝
野心家の青年士官ゲルマンと伯爵令嬢リーザの身分違いの恋を成就させようとするゲルマンは賭博に身を滅ぼしていく。第2幕舞踏会にやってきたリーザと婚約者のエレッキー侯爵 侯爵はリーザに対する深い愛を歌いあげる。
🎵これだけの解説があって、これ以上何を書くことがあるだろう。すごい! どなたかが言っていたが声は最も簡単な楽器と。しかしその研鑽は並大抵ではなさそうであり、その表現の豊かさ多様さはどの楽器にも及ばないものがあるのでは。生まれながらにしてこんな楽器を内蔵して生まれることができた驚き。ところで楽器に掛ける保険があるとは聞くけれど、声という楽器に掛ける保険はあるのかしらんと、検索してみると、これがしっかりとした筋のページかどうかは分からないけれども、一応こちらに一件出ていた。
この日の🎧名曲アルバムは、「アイ・ソー・ザ・ライト」 ハンク・ウィリアムズ作曲・作詞/パイレーツ・カヌー編曲

6歳のウィリアムは、アラバマ州にあるマウントオリーブ・バプテスト教会でゴスペルと出会う。脊椎に病を抱え、辛い幼少期を送ったという。
☆ ☆ ☆
6月2日(木)クラシッククラブを聴く 笛田博昭&ヴィンチェンツォ・スカレーラ リサイタル
日本を代表するテノール・笛田博昭が、オペラ・アリア、歌曲の伴奏者として一流歌手から絶大な信頼を寄せられているスカレーラとベッリーニ、マスネなどの名曲の数々を熱演【出演】笛田博昭(テノール)ヴィンチェンツォ・スカレーラ(ピアノ)【曲目】マリンコニーア(ベッリーニ作曲)、オシアンの歌「春風よ、なぜ私を目ざますのか」(マスネ作曲)ほか【収録】2019年6月9日 テアトロ・ジーリオ・ショウワー番組紹介よりー
写真を撮り損ね、別なところからお借りしました。
笛田博昭(テノール)
名古屋芸術大学音楽学部声楽科を首席で卒業。同大学院修了後ミラノで学ぶ。2012年フェッラーラ国際コンクールで優勝。歌劇「トロヴァトーレ」マンリーコ役でイタリアデヴュー。「アイーダ」「マクベス」「運命の力」など多くのオペラ作品に主要な役で出演を重ねている。
ヴィンチェンツォ・スカレーラ(ピアノ)
アメリカ ニュージャジー州出身。マンハッタン音楽学校で学び、ピアノ演奏の学位習得。1980年ミラノ・スカラ座の副指揮者兼リハーサルピアニストに就任。カルロ・ベルゴンツィ、ホセ・カレーラスなど世界一流の歌手の伴奏を務め、芸術性の高い演奏は「名手スカレーラ」と評されている。
笛田博昭・スカレーラのコメント
Q今回のプログラムについて
あまり日本で歌われないというか、みんながやるようなプログラムではないものをやりたかったと。「アマランタ」は初めて。やってすごく大好きになりました。やればやるほど歌えば歌うほど、どんどん掘り下げられる。歌曲はそんなにたくさん勉強してこなかったので、勉強する作業が、歌うってことが僕は声を出すことにすごくとらわれていたわけですよ、アクート、高い声を出すのにはそこに集中しなければいけないし、けれどもそうするとドラマが見えてこない。「アマランタ」を勉強していてあるとき、オペラ歌手というのは役者以上に芝居ができなければ成立しないのだとすごく思った。訳者みたいにオペラの人は、もちろん歌いながらなので動いて表現するよりも言葉のニュアンスとか、動かないでそのドラマを再現するという意味では、ものすごく芝居心とかが必要だなとよくわかりました。
Qスカレーラについて
笛田博昭:僕はフランス歌曲とかぜんぜん歌ったことがないし、フランスものをほとんどやったことがなかった。だからスカレーラに教えてもらいました。
スカレーラ:私がそうだと言っているわけではありませんが、理想的な伴奏者というのは歌手の息が続かないなどトラブルが起きたとき助けられる人です。リハーサルからやり方を変えて演奏を音楽的に成り立たせるのです。
笛田博昭・スカレーラのコメント
Q今回のプログラムについて
あまり日本で歌われないというか、みんながやるようなプログラムではないものをやりたかったと。「アマランタ」は初めて。やってすごく大好きになりました。やればやるほど歌えば歌うほど、どんどん掘り下げられる。歌曲はそんなにたくさん勉強してこなかったので楽しかった、勉強する作業が、歌うってことが僕は声を出すことにすごくとらわれていたわけですよ、アクート、高い声を出すのにはそこに集中しなければいけないし、けれどもそうするとドラマが見えてこない。「アマランタ」を勉強していてあるとき、オペラ歌手というのは役者以上に芝居ができなければ成立しないのだとすごく思った。役者みたいにオペラの人は、もちろん歌いながらなので動いて表現するよりも言葉のニュアンスとか、動かないでそのドラマを再現するという意味では、ものすごく芝居心とかが必要だなとよくわかりました。
Qスカレーラについて
笛田博昭:僕はフランス歌曲とかぜんぜん歌ったことがないし、フランスものをほとんどやったことがなかった。だからスカレーラに教えてもらいました。
スカレーラ:私がそうだと言っているわけではありませんが、理想的な伴奏者というのは歌手の息が続かないなどトラブルが起きたとき助けられる人です。リハーサルからやり方を変えて演奏を音楽的に成り立たせるのです。
Q今回初挑戦するマスネの歌曲について
スカレーラ:: フランス語のマスネのアリアは私のアイデアでした。彼の声に合っていると思ったのです。ベッリーニの歌曲からイタリア歌劇のアリアへの橋渡しになると思いました。
曲目
☆「フィッリデの悲しげな姿よ」ベッリーニ:作曲
ベッリーニの若き日の恋から生まれたといわれる作品。今は亡き恋人に変わらぬ愛を歌いかける。
☆「マリンコニーア」ピンデモンテ:作詞、ベッリーニ:作曲
「マリンコニーア」はイタリア語で「憂愁」「哀しげ」の意味。恋人をニンフ(妖精)に例え、「憂愁」にひそむ甘美を歌う。
☆「お行き、幸せなバラよ」ベッリーニ:作曲
「6つのアリエッタ」の第2曲。ベッリーニらしい旋律美にあふれた作品。
☆「アマランタの4つの歌」ダンヌンツィオ:作詞、トスティ:作曲
トスティの生涯の友人で詩人・劇作家のダンヌンツィオと意見を交わしながら作曲した歌曲集。
☆「あなたの青い目を開け」ロビケ:作詞、マスネ:作曲
マスネが母校パリ音楽院の作曲家教授に就任した1879年の作品。歌曲集『愛の詩』の第3曲。
☆「エレジー」ガレ:作詞、マスネ:作曲
ピアノ独奏だった曲にガレが詩をつけた作品。フランス歌曲の名作の一つとして広く愛唱されている。
☆「歌劇「ウェルテル」からオシアンの歌「春風よ、なぜ私を目ざますのか」」マスネ:作曲
若き詩人ウェルテルが人妻シャルロッテへの思いを、伝説の詩人オシアンの詩に託して歌う甘美なアリア。
☆「タイスの瞑想曲」マスネ:作曲 ピアノ独奏
☆「歌劇「運命の力」から「この世は地獄」「天使のようなレオノーラよ」」ヴェルディ:作曲
アルヴァーロが不幸な生い立ちを振り返り、レオノーラへの愛と絶望を情熱的に歌うアリア。
訳は河野典子
🎵 「アマランタの4つの歌」は1そっとしておいて2暁は光と影を分け3虚しく祈り4賢者の言葉よ、何を語っているのか。ガレの「エレジー」春はもう戻っては来ないと切々。ヴェルディ「運命の力」、王座を夢見た者は皆斧で殺され、その血筋にあることにふるえながら不運に掴まれた慟哭が真に迫り地を圧するの感。
「あなたの青い目を開け」、マーガレットが出てくるが、近くでは今マーガレットが一帯を覆いつくさんばかりに咲いている。この歌の核心部分とはあまり関係なかったかも。
🎧名曲アルバムはデュレー「ソナチネ」。フルート上野由恵、ピアノ三浦友理枝
20世紀の初頭、「音楽を裸にする」と簡素で明快な作風がパリ音楽界の話題となる。プーランクらとともに「六人組」と呼ばれ、時代の寵児に。しかし富裕な家庭に生まれながら華やかな生活になじまず、独り音楽に向き合う。1921年パリから小さな港町サントロペに移住。1925年この地で「フルートとピアノのためのソナチネ」は作曲された。
☆ ☆ ☆
6月1日(水)クラシッククラブを聴く 小林厚子のソプラノ
東京藝術大学大学院修了。その後イタリア留学。2000年ドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」でオペラデビュー。2015年プッチーニの歌劇「蝶々夫人」でイタリアデビュー。 近年は、ワーグナーやヤナーチェクのオペラにも出演。幅広いレパートリーで活躍。ピアノの江澤隆行は、東京藝術大学別科を修了後フランスに留学。オペラや歌曲の伴奏法を学ぶ。【演奏】小林厚子(ソプラノ)、江澤隆行(ピアノ)。【収録】2021年11月29日武蔵野市民文化会館大ホール。
コメント(一部)
アリアはその場所、コンサートでしたらその歌詞をとりあげて歌いますので、それまでのどうしてこのアリアに至ったかという物語を自分の中で反芻してからじゃないとやはりそのアリアを歌いきれないんですが、歌曲はほんとうにコンサートのためにつくられているので、共演者と一緒にその世界を作り上げるというのですね。大学に入ったときに、最初のレッスンだったと思うんですが、先生が「きみねぇ、歌は長い長い人生をかけてやるものだよ」と仰って、私はほんとうに途方にくれました。やっとこの自分という楽器がすこし見えてきたかなあというところで、まだまだ進化していきたいとはおもっているんですが、その運転の仕方をやっとすこし身につけてこられたかなあと。でもまだまだこの先がありそうです。
【曲目】
かわいい口もと(トスティ)
君ゆえ死ぬ思い(ロドリーゴ)
ノクターン(レスピーギ) 江澤隆行のピアノ
歌劇「ゴイェスカス」から「マハと夜鳴きうぐいす」(グラナードス)
歌劇「ルサルカ」から「月に寄せる歌」(ドボルザーク)
歌劇「ドン・カルロ」から「世のむなしさを知るあなた」(ヴェルディ)
字幕 多田茂史
🎵前回は後半30分ほどしか聴くことができなかった。今回は一通り聴く時間はあった。そして書き落しの多さに気づかされる。少々疲れ気味で、前回をそのまま転載した。ヴェルディは圧巻。
🎧名曲アルバム。グリーグ「ソルヴェイグの歌」。ソプラノ天羽明惠、ピアノ松川儒
ノルウェーの作家イプセンの代表作が「ペール・ギュント」。1875年、グリーグがこれを組曲に。と私が書き連ねるよりもこちらに素敵なページが。
⛳転載、転載の付け足しで更新。そろそろ体力が、そういつか私が花巻市にいた時分に見に行った時の豊沢ダムの干上がった底のように、何か枯渇しそうな、つまり続けられる余力が乏しくなってきているこの現実。あの時に詠んだ俳句でも記しておこう。
旱魃やダム底の村見えて来し(小原啄葉 選) 中ぶんな
ダムの底の泥土が干からびひび割れており、かつてはそこにあった村の人々の暮らしを彷彿とさせる形状があらわれ陽光にその様をさらしていた。ことしはどうなるだろう。猛暑にいたぶられる夏とならなければよいが。
6月3日(金)21時18分更新
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