220218 クラシック倶楽部を聴く 庄司紗矢香&ヴィキンガー・オラフソン デュオ・リサイタルII
世界的バイオリニスト庄司紗矢香とアイスランドの精鋭ピアニスト、オラフソン▽二人が最も演奏したかったというバルトークのソナタ第1番▽超絶技巧の大曲に挑んだ熱演!▽5つのメロディから第1曲、第3曲、第5曲(プロコフィエフ)、バイオリン・ソナタ第1番(バルトーク)▽2020年12月15日アクトシティ浜松中ホール(静岡県浜松市)
庄司紗矢香:1998年からヨーロッパを拠点に活動している。1999年パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで史上最年少および日本人として初めて優勝した。 1999年都民文化栄誉賞、2010年芸術選奨新人賞、2016年毎日芸術賞 受賞。
使用楽器は、上野製薬株式会社より貸与された1729年製ストラディヴァリウス“レカミエ(Recamier)”である。
ヴィキンガー・オラフソン:アイスランド出身。初共演は2013年。
コメント(バルトークのバイオリン・ソナタ 第一番について)
紗矢香:長年、バルトークの1番のソナタを弾きたいという気持ちがとても強くあって、年々その気持ちが強まっていっていたこと、オラフソンとの共演の中で次は何を弾きたいという話をしていたときに、バルトークというのがあがったことが最初のきっかけ。和声的にとても難解ともいえる曲ですけれども数学を解くようにして解いていくと、その根本がとてもシンプルなメロディーであったり、ストラクチャーがやはりそこにあり、民俗的な歌の要素と民族的なリズムの要素というものと、あとは毎回がインスピレーションということ、いちばん大切に思っています。そういう意味でオラフソンとの共演はとても面白いと思っています。
オラフソン:バッハやベートーベンのように様々な長調や短調を使っているわけではありませんが、完全に別な種類のハーモニーがあります。すべてが歌であり、それが紗矢香との共演を一層すばらしいものにしています。紗矢香のようにバイオリンで歌えるひとはいません。偉大な物語を皆さんに届けているのです。この曲はバイオリンと同じぐらいピアノがものすごく難しい曲です。今まで演奏してきた中で最も複雑な曲の中の一つですが、紗矢香と共演できるのは大きな歓びです。ツアーでは8回演奏しますが、同じ曲でも毎回違う演奏になります。この曲は惑星のようで訪れるたびに変化していくのです。
曲目
5つのメロディーから 第1,3,5曲 プロコフィエフ
バイオリン・ソナタ 第一番 バルトーク
バルトーク自身が「一流のバイオリニストしか弾けない」と語った非常に難しい壮大な作品。
🎵バルトークのバイオリン・ソナタ第一番、研ぎ澄まされた、研磨されたような旋律の奥に、土のにおいもし、狂おしさもあり、デフォルメされた野卑といった感じもあると聴いたのだが、どこかにこの曲の感想が出てはいないかとそちこち探したが、民俗音楽の影響とは出ているが。ストラクチャーがなかなか明瞭に見えては来ず、今また聴き直している。コメントで「宇宙」とも言われていたけれども、闇の空間を縫い何等かに照らされてでもいるような硬質な響きがそんなイメージをも確かにくれる。石筍に滴るようなピアノの響きの部分を、それを霊妙に潜りゆく弦の音の揺らぎを聴きながら、それでもバルトークのかの世界にたどりつけそうな気がしてきている。
庄司さんの足は治癒されたのだろうか。足を踏ん張ってこそ出る響きというものもあるだろう。そこは天的資質で座して弾いても補っておられると感じられるけれども。
🎧名曲アルバム。シューマン「謝肉祭」。ピアノ伊藤恵
⛳ウクライナ、戦車の移動するさまが空恐ろしい。なぜ戦争があるの? この問いは、もう地上からなくなることはないのだろうか。
並行して続くオリンピック。悪しきこととよきことの共存といえるかどうか。常にどちらもだ。人の二面性とよく似ている。
20時28分更新
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