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211228 クラシック倶楽部を聴く 金子三勇士 ピアノ・リサイタル

自然豊かな中標津町で行われた金子三勇士のピアノ・リサイタルからショパンの名曲「革命」「雨だれ」やリストの「ラ・カンパネラ」「ピアノ・ソナタ」を熱演6歳からハンガリーで学んだ金子三勇士のバルトークやリストについてのインタビュー2019年6月16日北海道・中標津町総合文化会館での公開収録番組紹介よりー

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金子三勇士
1989年日本人の父とハンガリー人の母とのもとに生まれる。6歳からハンガリーと日本で音楽を学び現在は国内外で活動。6歳のとき単身ハンガリーに渡る。数々のコンクールで優勝。国内外のオーケストラと共演するほか、ソロ、室内楽でも活躍している。
コメント 中標津はハンガリーのような風景。6歳から自分自身もハンガリーの祖父母の家、山の奥の何にもないところで暮らしてたんですけど、その景色にものすごく似てますね。遠くの方に牛さんがいたり、自然の中だったからこそ、ピアノと向き合う時間も自由に取れましたし、たぶん、音楽的なイメージをするとき、作品を弾くときに景色をイメージするときというのは、ある意味で自分の原点ですよね、この自然豊かな環境は。
リストはバルトークの次に音楽世界を感じさせてくれた作曲家で、バルトーク音楽小学校の次には、リストが立ち上げたリスト音楽院で5年間学ばせていただいたんですが、如何に彼が偉大な作曲家、偉大な人物だったかというのを意識させられたことがとてもよかったかなと思いますし、一人でも多くの方々に本来の、本当のリストのすがたを知って欲しいなという思いで、今回も多めにリストの作品を選んでみました。
今回、後半のプログラムには、リストのロ短調ソナタという31分ぐらいの長い作品を選んでおり、最高傑作と言ってもオーバーじゃないかなと思ってるんですけど、彼の人生観、或いは音楽家としての生き方、人間としての生き方、すべてが詰まっているような作品でして、18歳の時に弾いたこのロ短調そなた、或いは20代の時に弾いたロ短調ソナタ、で、この先、30代、40代、50代、何歳まで生きるかですけど、70代、80代で弾いたロ短調ソナタがどういう風に変化していくのかというのを、ずっと人生をかけてお付き合いしていく大事な曲かなと思っていまして、10年ごとのこのロ短調ソナタを皆さんに是非楽しんでほしいなと思います。

曲目

☆「「ミクロコスモス」から「オスティナート」」バルトーク:作曲
「練習曲 ハ短調 作品1012 「革命」」ショパン:作曲
「前奏曲変ニ長調作品2815「雨だれ」」ショパン:作曲
「「パガニーニによる大練習曲」から「ラ・カンパネラ」」リスト:作曲
「ピアノ・ソナタ ロ短調」リスト:作曲

🎵2019年6月16日の収録ながら、この緑の豊かさ、ゆったりとした家畜、飼い犬とともにある暮らしにしばし癒される。中標津町は酪農の町。飼育頭数は人口よりも多い。人口は23,000。郷土館には開拓時代からの品々が展示されている。本格的な開拓が始まったのは明治末期。1937年標津線開通。1989年標津線廃止。50年以上も暮らしと共にあった駅がなくなる思いはどんなものだったろうか。苛酷な開拓と共にあった駅舎が消えた日。しかしその跡地に中標津町総合文化会館しるべっとホールが建てられたのだ。

この中標津まで来てくれた金子三勇士は国際派の若手ピアニスト6歳で祖父母のハンガリーの田舎の家からバルトーク音楽小学校に、11歳でリスト音楽院に通学。中標津の風景を歩む金子に、ハンガリーの祖父母の田舎の風景が重なる。演奏するときの彼の原風景だ。
 けさはバルトークの「オスティナート」に風通しの良さ、新しさを。熱を帯びた「革命」、左手に淡々と落ちる雨粒が際立つ「雨だれ」、そしてリストの「ラ・カンパネラ」は鐘の下で暮らす人々の面影も拾い上げて豊かに鳴り響く。つづくリストの「ピアノ・ソナタロ短調」は、謎かけ、謎かけが連綿と。ピアニストは生涯このなぞ解きを迫られ、答えを詰問されるのではないかとさえ思われる。金子が「バルトークのほんとうのリストのすがたを知って欲しい」と語っているが、その大方がこの曲に詰まっているのではないかと。多面体であるリストの様々な側面を聴かせてくれた。リストが最も充実している時期に書かれている。曲についてリンク先で賛否両論を読んでみると面白い。金子はこの曲はリストの最高傑作であり、人生観、音楽観、人生のすべてが詰まっているといった意味のことを述べていたが。金子がこの曲に取組んだのが18歳、これを自らの年代ごとにどう紐解いていけるか、10年後の演奏も楽しみに聞いて欲しいと語っている。10年後というと、2029年。はたしてどんな世の中に、世界となっているかを想像すると空恐ろしくもあるが、どうか芸術家たちが、誰もがどんな方々も、音楽をゆったりと楽しめるような世の中であってほしい。
 それにしても、このリストのロ短調、ピアノの可能性の極限までも音を、旋律を探り当てよう、掘り出そうとのし烈な闘いとも聞こえた。作曲家の才能と執念、爆発。

🎧名曲アルバム。パーセル「歌劇ディドーとエネアス
(ソプラノ)森麻季,(演奏)バッハ・コレギウム・ジャパン,(指揮、オルガン)鈴木雅明 映像~イギリス・ロンドン~
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⛳きょうガラスふきをしながら、このガラスふきもガラス戸1枚に付き2面あるわけで、きょうはリビングの8面だけを磨いて、あとはあすかあさってに、という悠長な年末掃除なのだが。ちょうどTVでは伊東四朗と小椋佳が流れており、面白く聴いた。芸人、俳優としての伊東四朗、「どんな小さな仕事でも一生懸命にやる」という一言、小椋佳の美空ひばりの「愛燦燦」の歌詞、凡そ人に使われそうにないことばの使い方をしたのだとか。このお二方から浮かんだ言葉は全力投球。渾身。非凡。
ガラスをふきながら、こんなときでも想像力を膨らませることができたなら。びっしりと汚れのついたガラスをふいているうちに、やっとむこうにいつも景色が見えてきて、そしてもっとピカピカにしてみると、見たこともない異次元の世界への扉が開いた。その扉を開けてみると、さらにその向こうには三つの扉がある。さて次はどうしようか。さまざまな人生の選択の扉とでもしてみようか。それとも海への扉、空への扉、山への扉としたらよいか、それともマクロへの扉か、ミクロへの扉か、等身大への扉か。ここまではきたものの、凡人私は、もうここでお手上げ、どんと晴れ!
21時34分更新

 

 

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