211022 クラシッククラブを聴く 広瀬悦子 ベートーベン ショパンを紡ぐ
ヴィオッティ国際コン、ミュンヘン国際コンに入賞後99年アルゲリッチ国際コンで優勝。各地の音楽祭への出演のほか、バイエルン放響、モスクワ・フィル、N響などと共演。【曲目】ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」(ベートーベン)バラード第1番作品23、バラード第4番作品52(ショパン)ほか【演奏】広瀬悦子(ピアノ)【収録】2020年12月8日 武蔵野市民文化会館大ホールで収録(無観客収録)ー番組紹介よりー
広瀬悦子のコメント
フランスで受けた影響については 私、15歳のときにフランスに行ったんですけれども、ショパンだったりドヴュシーだったりラヴェルだったり、そのフランスで生活した作曲家の音楽がすごく好きだったということもあって、その作曲家がどんなところで暮らしたんだろうという事を知りたくてフランスを選んだんですけれども、そのときに痛感したのが、日本の音楽教育は全般的にそうなんですけれども、先生がこう弾いたら生徒もこう弾きなさいというのが多いんですけれども、フランスはいかに個性を表現するかの教育が多い。例えば初見の授業の中でも、そんなに弾けない子でも自分の思ったこと、表現したいことをほんとうに上手く表している。そういうのを目の当たりにして、そういった個性の確立と言うのがすごくフランスで受けたいちばんの影響です。
1番に関して、当時、ショパンはあまり幸せな人生でなくて、やはり祖国愛が強い人で、ポーランドに帰れなかったというのがすごくショパンの心に影を落としていて、その時ロシアに占領されるという事態にすごく心を痛めて、自分がそこになにもできないというもどかしさだったり怒りだったり、そういうものをこのバラードにぶつけたというか、最後のコーダなんかほんとうに神様ってほんとうにいるんですかというそういう心の叫びだったり、そういうものをすごく感じます。
4番はほんとうにこうショパンの4曲の最後に書かれた作品で、ショパンが人生いろいろな経験をしてきて自分の特に影の部分というものをすごく感じる曲で、ほんとうはほほ笑んでいるんだけれども、心では悲しんでいるみたいな、そういう心の動きをすごくピアノの音に反映させているなというところが魅力だと思います。
曲目
ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調作品31第2「テンペスト」ベートーヴェン
バラード第1番ト短調作品23ショパン
バラード第4番ヘ短調作品52 ショパン
「愛のワルツ」作品57 第5 モシコフスキ
🎵モシコフスキについてwikipediaから抜粋
「プロイセン王国のブレスラウ(現ポーランドのヴロツワフ)に生まれる。一家は1852年にザヴィエルチェに程近いピリカ[注 2] からブレスラウに移り住んだ、裕福なユダヤ系ポーランド人である。当時多くのユダヤ人が出自を明らかにしたがらなかったのに対し、モシュコフスキは熱心なユダヤ教徒であった。
彼は何度もアメリカのピアノ製造会社に招かれてピアノの宣伝を頼まれたが、いくら報酬を積まれても依頼を断り続けた 」
多くの弟子を教えたが、最後は健康上の理由もあり、弟子を取らなくなった。新しい感覚を志向する傾向はあまり好まなかったようだ。
今回の「愛のワルツ」、もし誰かに、これはショパンの曲ですと言われたなら、私などはなるほどこんな曲も、と肯いてしまいそうだ。
⛳10時03分更新
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