211014 クラシッククラブを聴く 亀井聖矢 ピアノ演奏
2001年愛知県出身。高校3年に進級する2019年春に飛び入学試験を経て桐朋学園大学に入学。同年、日本音楽コンクール第1位入賞。注目のピアニストとして活躍中【出演】亀井聖矢(ピアノ)【曲目】ピアノ・ソナタ 第21番 作品53「ワルトシュタイン」(ベートーベン作曲)超絶技巧練習曲 から第5番「鬼火」第4番「マゼッパ」(リスト作曲)ほか【収録】2020年9月29日めぐろパーシモンホール 小ホールー番組紹介よりー
亀井聖矢のコメント
最初についた先生が自分が弾きたい好きなやりたい曲を、それが難しい大人になってからやった方がいい曲でも自由に弾かせてくれたことが自分の中では大きかった。自分がやりたい曲を触ってるのが楽しくて、お客さんが喜んでくれた、それでここまで楽しく続けられたと思っています。難しい曲が多いので、テクニックに夢中になりがちな部分があるが、なんでこの作曲家がこういうふうな曲を書いたのか、もっとミクロな視点でいえば、なんでここにこの音を書いて、なんでここには休符があって、なんでここにはこんなフレーズがあってというところ、作曲家がどういう思いで書いたのかを考えて、自分はまだ未成年と言う事もあって人生経験が豊富ではないんですけど、その作曲家がどういうふうに過ごしている時期だったりとかということに思いを馳せて、そういうことを考えて演奏に向き合うようにしています。
昔から一日8時間練習するとかいったようなタイプではないんですが、量をよりも質、短い時間でいかに効率よく自分のものにできるように練習していくかを考えるようにしてやっていたんですが、本番が多くなってくると質も大事だしその中でたくさん時間も練習しなければいけないということで、本番近い時にはもう一日中さわっているときもありますし、コロナのあいだとか、のんびりできる時は、1時間2時間という日もありました。頭を使ったりすることが好きで、パズルやなぞ解き、そういうものをピアノをやっている意外の時間で楽しんだりしてて。あとは一人暮らしをしているので、あいている時間に料理をしてみたりとか、そういう時間の過ごし方をしています。
周りがすごく腕の高い先輩方ばかりで、同じ学年の子も一こ上の学年だったりとか、先輩にも日本音楽コンクールで1位取ってるとかが門下に何人もいたり学校でも周りでもそういう子がいっぱいいたりその環境自体がすごく刺激になるし、自分が負けてられない頑張らなきゃという、特に自分がとび入学させてもらってちゃんとそれに見合う頑張りをしていかなくちゃならないというところで気持ちを高めてコンクールに臨んだりとか、周りの生徒の刺激だったり、ピアノ以外にも作曲を副専攻してたりとか、いろんな授業があるんですが、そういうところからも自分の演奏に生きるような学習がいろんな学習が、いろんな方向から音楽に向き合う事でできるので、すごく自分にとってはいい選択だったと思います」
曲目
ピアノ・ソナタ 第21番 作品53「ワルトシュタイン」(ベートーベン作曲)
パガニーニの主題による変奏曲第一巻(ブラームス)
超絶技巧練習曲 第1番 「前奏曲」(リスト作曲)
超絶技巧練習曲 第5番「鬼火」(リスト作曲)
超絶技巧練習曲 第4番「マゼッパ」(リスト作曲)
🎵「ワルトシュタイン」の冒頭を聴いただけで、「鮮烈、華麗」と紹介されることに肯けた。これはベートーベンがスランプを脱し、作曲意欲が上向きになっていたときに作曲されている。亀井の演奏、恐れげなく淀みなく急こう配を駆け下り駆け上る。テンポが比較的穏やか目なところでさえ速度を感じてしまう。それは性急であるというのとは別物。シャープで暗さ重さを感じさせない。亀井の感性というフィルターに濾された「ワルトシュタイン」といった感じが。
ブラームスの変奏曲、リストの練習曲でのほうに、より芸術性が感じられた。
🎧名曲アルバムはラヴェル「クープランの墓」。大友直人&N響。
パリの凱旋門の下には第一次大戦で命を落とした名もない兵士たちの墓がある。毎晩決まった時刻に慰霊の式典が行われる。その慰霊の火は90年以上にも亘り燃え続けている。作曲家ラヴェルがこの曲の構想を抱いた1914年に第一次大戦が勃発。愛国心の強かったラヴェルは作曲の手を止め志願してパリから戦地に向かった。ほどなくラヴェルは重い病を患い戦線を離脱。さらに最愛の母の死が告げられた。身も心も打ちのめされたラヴェルは思い出の詰まったパリから離れることを決意。パリから北西1000キロ離れた山村リヨンス・ラ・フォレへ。800人ほどが暮らすこの村ではいつも穏やかな時が流れている。ラヴェルはひと夏滞在し、再び音楽と向き合う力を養った。戦争前の構想を実現すべく、ここで「クープランの墓」を作曲した。ラヴェルが敬愛する19世紀の作曲家クープランの名を冠したこの作品はクープランが生きた時代の音楽をピアノ組曲としてよみがえらせた。そして組曲を構成する6曲をそれぞれ戦地で失った友人たちに捧げた。ー番組からー
⛳曙光、放射状にまっしぐらな光が眩く窓を射抜き眼を射る。絶好の洗濯日和。洗いに洗いぴしぱしと日向にさらす。遠くに柿の実むふむふと。もう山では里では栗の実もみなころかろ落ちてしまったろう。ナナカマドの実はちゃらちゃら笑い、アケビは気難しげにまだまだぎりりと口むすぶ。 21時10分更新
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