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210830 クラシック倶楽部を聴く マテュー・デ゙ュフォー フルート・リサイタル

【収録】2019年7月30日 武蔵野市民文化会館(東京都武蔵野市)

マテュー・デュフォー(フルート):1972年パリ生まれ。8歳から本格的に始める。20歳でトゥールーズ・キャピタル管の首席就任、以降各地の名門オケの首席を歴任。2015年にはベルリン・フィルの首席に。
浦壁信二(ピアノ):1969年生まれ。都立芸術高校、パリ国立高等音楽院に学ぶ。国内外の演奏家と共演。洗足楽員音楽大学客員教授。

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マテュー・デュフォーのコメント
音楽の演奏家はみな「歌うような音楽」を目指しています。声をイメージして演奏するのです。声は何も介さずに自己表現ができる最も原始的な「楽器」です。フルートは声に一番近い楽器です。息と音が直接結びついています。歌口に(リードのような)物理的な抵抗がなく直接息が入る唯一のクラシック楽器なのです。だから私はフルートに話しかけるように演奏します。とても親密な関係です。息と戯れている感覚です。
今回は前半にフランス、後半にドイツとはっきり分けたプログラムにしました。私自身の人生と重なります。私にとってもピアニストにとっても難曲ぞろいですが、心を豊かにしてくれる作品ばかりです。やや暗く物悲しいプログラムですが、その気持ちを共有し会場を一つにしたい、そう願って組みました。
美しい音とはどのような音?
感情が伝える響きだと思います。ポジティブな感情もネガティブな感情もただ綺麗なものは飽きられます。人生と同じように音も変化や柔軟性があってこそ輝くのです。感情を音に乗せることが大切だと思います。私が音楽を通して目指すのは分かち合いです。音楽で物語を語りメッセージを伝える。それさえできれば私は満足です。人の心に響く演奏をすることが、私の幸せなのです。 

 

【曲目】
フルート・ソナタ  プーランク
フルートとピアノのためのソナチネ op.76  ミヨー
フルート・ソナタ ホ短調「ウンディーネ」op.167  ライネッケ

🎵プーランクの「フルート・ソナタ」、街の喧騒のなかを逍遥しているような感じもするミヨーの「フルートとピアノのためのソナチネ」。この2曲の作曲家は20世紀後半のフランスの作曲家「6人組」に入っている。
 ライネッケの「ウンディーネ」、これは水の精の悲恋を書いたものらしいが、筆者は勝手に巨樹を想像しながら音を楽しんだ。1000年の木の葉をざわつかせるというよりは、1000年の流れの樹下に見てきた人間世界に愁嘆している木の葉のさざめきと思って聴くと、これが存外おもしろく聴こえだしたのだ。
 そして同じ「ウンディーネ」をまた時を隔てて聞いてみると、水の精を歌うフルート。時として陰影も伴う奥行きのあるフルートにピアノがけっこうドラマを付加してくれる。水の面をすべり揺らぐものがしだいに森の木立のかしこにあすをかなしく希望をさがしめぐるという感じが。悲しく呼ぶような、はたまたそれが木漏れ日に慰められてでもいるような魂のひとり歩き。第2楽章でアクティブに。いいじゃないの、これで、けっこうこれも愉快愉快と聴こえてからは解放されたような伸びやかさ。次楽章、それこそ、こうか、ああかと歌うような。終章、追いかけるのはピアノかフルートか、フルートかピアノかと華麗に勢いづく先の静けさ。 

 

🎧名曲アルバムはワーグナー「ワルキューレの騎行」
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ルートヴィッヒ2世はバイロイト祝祭劇場のみならずワーグナーの私邸までに私財をつぎ込んで。

⛳20時12分更新

 

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