210714 クラシッククラブを聴く マット・ハイモヴィッツ チェロ・リサイタル
1970年イスラエル生まれのチェロの鬼才、マット・ハイモヴィッツ、そしてパリを拠点に活躍する国際派のピアニスト、児玉麻里のデュオ・リサイタルから。ー番組紹介よりー
マット・ハイモヴィッツ1970年イスラエル生まれ。4歳でカリフォルニアに移住。13歳でメータ指揮イスラエル・フィルと共演。演奏活動と並行して音楽学を学び、1996年にはハーバード大学の学士号習得。作品の背景を深く掘り下げた演奏解釈と情感あふれる音色で聴衆を魅了。
児玉麻里 大阪生まれ。6歳で渡欧。14歳でパリ国立高等音楽院に入学。在学中に数々のコンクールで優勝、入賞を果たす。ベルリン・フィル、ロンドン・フィル他世界の一流オーケストラと共演。室内楽分野でも精力的に国内外で活躍。
インタヴュー
(共演について)
マット・ハイモヴィッツ:音楽に関わっていると、相性はすぐにわかるものです。彼女の音楽に対する謙虚でまっすぐな姿勢にひかれました。日本でリサイタルを開くことになったとき、最初に思いついた共演者が麻里さんでした。一緒に演奏して新しい視点が開けるときは、目の覚めるような思いがします。自分が考えていたこと、聞こえていたものに違う視点が提供される。試行錯誤の繰り返しですが、麻里さんとはその過程も楽しむことができます。
児玉麻里:お人柄が温かいお人柄、それが音楽にも隅々に現れている。いつもいつもドラマティックでもどこかに温かさが漂った演奏をなさる。もう一つのバックグラウンドが、イスラエルでお生まれになったんですけれども、アメリカ人であるけれどカナダに住んで、ヨーロッパの文化にも触れてらっしゃるので、とても個性的な弾き方をなさる。いつも一緒に演奏させていただいて、とてもインスピレーションをいただく。
曲目
☆ベートーヴェン: ヘンデルの『ユダス・マカベウス』の主題による12の変奏曲
☆ドビュッシー: チェロ・ソナタ二短調
☆プーランク: チェロ・ソナタ
🎵ベートーベンの「ヘンデルの『ユダス・マカベウス』の主題による12の変奏曲」、ヘンデルとベートーベンの協業といった感じが。ピアノの方にベートーベンがよく現れて。ドビュッシーは、そちこちに横たわる樹木の影を踏んでいくような思いが。チェロの音色は児玉さんの仰るそのまま。そしてプーランクは叙情的でありドラマティック。
🎧名曲アルバム。「交響管弦楽のための音楽」芥川也寸志(1925~89)が25歳で作曲
演奏は広上淳一&東京フィル。
也寸志は龍之介の三男。龍之介の遺品レコードを聴いて育った。ストラヴィンスキーの「ぺトルーシカ」や「火の鳥」が大のお気に入りだったという。
1946年冬、也寸志は日光の伊福部昭を突撃訪問。伊福部は言った。「作曲家は己自身のすべてを音楽でかたらねばだめだ」と。也寸志は帰路、書き溜めた楽譜を破り捨てる。
也寸志はどうも突撃訪問が定番。思い立ったら矢も楯もたまらずなのか。後年、也寸志は「交響管弦楽のための音楽」を携えてソ連に潜入。こんなすごい作曲家たちに会っていたとは!
⛳先に朝食を終えて7時47分更新。
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