210421 クラシック倶楽部を聴く ニコラ・アンゲリッシュ ピアノ・リサイタル
米で生まれ仏で学んだアンゲリッシュ。来日の回数は多いものの、オーケストラとの共演がメインで本格的なソロ演奏会は今回がほぼ初めて。卓越したピアニズムを聴く。【曲目】「きたれ、異教徒の救い主よ」BWV659(バッハ作曲ブゾーニ編曲)、クライスレリアーナ 作品16(シューマン作曲)ほか【演奏】ニコラ・アンゲリッシュ(ピアノ)【収録】2019年10月15日 紀尾井ホール―番組紹介よりー
ニコラ・アンゲリシュ
1970年アメリカ生まれ。13歳でパリ国立高等音楽院に入学し、アルド・チッコリーニ、イヴォンヌ・ロリオ、ミシェル・ベロフ、マリー=フランソワーズ・ビュケに師事した。ピアノと室内楽で1等賞を授与され、同音楽院を卒業。
アメリカのジーナ・バッカウアー国際ピアノ・コンクールで第1位(1994年)に輝く。ソリストとして世界の舞台で活躍するばかりでなく、マルタ・アルゲリッチをはじめ、ルノー・カプソン、ゴーティエ・カプソンなど著名な音楽家たちから篤い信頼を得て共演を重ねている。
ニコラ・アンゲリッシュのコメント
Q日本について
学生時代に日本人の友人がたくさん出来て、日本に興味を持つようになりました。日本の人々は音楽や芸術に対して素直な愛情と敬意を持っていますね。すばらしいことです。そのような人はどこの国にもいますが、日本は特別ではないでしょうか。あらゆるものを敬う精神が根付いているこの国が好きです。
Qプログラムについて
プログラムを考えるときには、「音楽の旅路」のようなものを念頭に置いています。感情的、精神的な旅路で、作品の再発見にもつながります。調和を持ちながら異なる世界観を持つ作品を並べるように工夫を凝らしています。きょう演奏する曲はどれも近年弾き込んでいる大好きな作品です。
Qクライスレリアーナについて
シューマンは常に画期的な試みに挑戦しました。この曲も従来の音楽の枠を超越しています。それぞれの曲の調性の選び方も独特です。激しさと親密性、内面的な性格が混在していて情熱的であり、いかにもロマン派らしい曲ですね。シューマンの音楽はロマン派という時代を体現していると言っても過言ではないでしょう。
曲目
☆「コラール前奏曲「きたれ、異教徒の救い主よ」BWV659」バッハ:作曲、ブゾーニ:編曲
厳かな低音と装飾的に歌う旋律の特徴が際立つ。ブゾーニの編曲は多くのピアニストに愛されている。
☆「クライスレリアーナ 作品16」シューマン:作曲
シューマンはクララとの結婚を反対されていた時期に苦しい思いを綴るかのようにピアノ曲を次々に書いた。「クライスレリアーナ」もそういった時期の作品。題名はE.T.A.ホフマンの著作に由来している。ダイナミックであり、変化に富んだ8曲で構成されたシューマンのピアノ作品の傑作の一つ。
☆「こどもの情景 作品15 から「知らない国々」」シューマン:作曲
🎵2019年4月に来日したマルタ・アルゲリッチがアンゲリッシュを語るに、「ニコラのことは何年も前、彼が若い時からよく知っていてよく共演もしています。しかし、間もなく50歳を迎える彼が日本であまり知られていないなんて、信じられないわ!だってニコラは私がサポートなんてする必要はまったくなく、ヨーロッパでは素晴らしいキャリアを積んで充実した活動をしているのに。彼は真摯で謙虚。インテリジェントで本当に素晴らしい音楽を聴かせてくれます。彼に『スター』という感覚はないかもしれないけれど、音楽家としてこういう態度はとても大事だし、ニコラのようなピアニストにこそ人々の関心が強まることを望んでいます」。
その信じられない一人がこのブログの管理人だったのだニコラ・アンゲリッシュ。「クライスレリアーナ 作品16」、1,3,5,7曲と興味深く。解説をのみ込むにはあと何回か聴く必要がありそうだ。心の奥で誰かが、それはおそらくは自分だろうけれども、「笑います」と言っている。けさは感想を書いても、その感想を後で読んで「笑います」「笑えます」「笑いましょう」となりそうなので、一曲だけを然るべき先につないで終わりに。(苦笑)
🎧名曲アルバムは、バッハの「コーヒー・カンタータ」(ソプラノ)澤江衣里,(管弦楽)バッハ・コレギウム・ジャパン,(指揮)鈴木優人
詩人ピカンダーはコーヒー好きな女性たちの声を代弁する詩を発表。バッハはこの詩に曲をつけカンタータに仕上げる。
⛳眩い日差し。暑くなりそう。7時42分更新
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