210401 クラシック倶楽部を聴く パク・キュヒ ラテンの風 ~古民家に響くギターの調べ~
韓国と日本で育ち横浜に住んでいた3歳の時にギターを始める。東京音楽大学を経て、ウィーンとスペインで学ぶ。数多くの国際コンクールで優勝。日本と韓国を拠点に国際的に活躍するギタリスト、パク・キュヒのリサイタル▽江戸~明治時代に建てられ横浜市の文化財として保存・公開されている、みその公園にある古民家「横溝屋敷」から。2018年11月収録▽スペイン&中南米ギター音楽の傑作によるスペシャル・コンサート▽ソナタ(スカルラッティ作曲)ワルツ第3番(バリオス作曲)▽ソナタ(ヒナステラ作曲)▽カタルーニャ奇想曲(アルベニス作曲)▽練習曲(ソル作曲)▽旅人のソナタ(ブローウェル作曲)ほかジャパンシリーズ ー番組紹介よりー
パク・キュヒのコメント
まず最初にお話しいただいたときに、古い民家で撮影するということを聞いて、そもそも野外で演奏したことがあまりなかったので、どういう響きになるかすごく楽しみにしていました。いつもコンサートの前はコンサートホールで演奏するということをイメージしながら練習してるんですけれども、今回来る前まであまりイメージが湧かなくてそういった部分がちょっと心配だったんですけれども、お家で 弾くような感じかなというイメージが湧いたので、そういう感じで演奏できたかなと思っています。
ヒナステラの「ソナタ」は、アルゼンチンのリズムを使った曲になっています。マランボというのはアルゼンチンの男性が踊るリズムのことで、すごく男性的なかっこ良さを表しています。この曲の聞きどころは、特殊奏法がけっこうある。たとえばギターを弾くだけでなく、板や弦をたたいたり、弦をはじくという奏法が駆使されている楽しい曲かなと。特に4楽章では日本人ギタリストが名付けた奏法があるんですけれども、「猫パンチ」という奏法がはいっていまして、これは猫のように指を丸めて一回たたきます。たたいてラスケアードという一気に弦をはじくという奏法なんですね。これが合わさってリズムを表す、そういう奏法になっています。そこを聴いていただけたらと思います。
ブローウェル「旅人のソナタ」はこの曲はブラジルの巨匠のオダイル・アサドさんに献呈された曲です。彼がブラジルの方なので、ブラジルをイメージして旅をするような形で、4楽章になっている曲です。スペインに留学していた頃にオダイルさんにレッスンを受ける機会があって、特徴としてはオダイルさんの人柄にすごく似ているかなという感じがしました。彼の言葉でいちばん記憶に残っているのは「この曲はロックン・ロールだ」。オダイルさんはとてもワイルドな方で自由な方なんですね。それがこの音楽にまさに入っていて、その自由さそしてワイルドな感情をもって演奏することを心がけています。
曲目
☆「ソナタ ト長調 K.391」スカルラッティ:作曲
☆「アランブラ宮殿の思い出」タレガ作曲
☆「フリア・フロリダ(舟歌)」バリオス:作曲
☆「ワルツ 作品8 第3」バリオス:作曲
☆「ワルツ 作品8 第4」バリオス:作曲
☆「ソナタ 作品47」ヒナステラ:作曲
☆「カタルーニャ奇想曲」アルベニス:作曲
☆「練習曲 ホ短調 作品6 第11」ソル:作曲
☆「旅人のソナタ」ブローウェル:作曲
☆「愛のロマンス」作者不詳:作曲
🎵1896年に建てられたという横溝屋敷。横浜にこのような豪農が存在したことの驚き。
この放送を聴くのは3回目。よいものは何度でも。ヒナステラの「ソナタ 作品47」、ブローウェル「旅人のソナタ」、解説を踏まえて興味深く。「アランブラ宮殿の思い出」、「愛のロマンス」、この二つの曲は、ほかにどんな曲があろうとも、他を良い意味で駆逐してしまう。
カメラワークのすばらしさ、演奏のすばらしさは前にも書いたけれども、ギターのラテンの響きが時を超えて16世紀の古民家に届きそこで鳴り、同時にいまのこの古民家のたたずまいに響いているかの不思議さ。
🎧名曲アルバムはブラームスの「大学祝典序曲」。田中良和&東京フィル
ブラームスは列車の旅が好き。
⛳きのう神奈川の友人から届いた写メールは
間もなく岩手も満開にと思い、窓外を見やるとこの陽気、きょう咲く桜もあるだろう。
10時56分更新
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