210408 クラシック倶楽部を聴く キアロスクーロ四重奏団
名手アリーナ・イブラギモヴァが率いるカルテット、キアロスクーロ四重奏団。チェロ以外の三人が立って演奏する独特なスタイルによる、しなやかなアンサンブルをおおくりする。【曲目】弦楽四重奏曲ト長調作品18第2(ベートーベン作曲)、弦楽四重奏曲第1番変ホ長調作品12(メンデルスゾーン作曲)【収録】2019年4月23日 王子ホール(東京都中央区)―番組紹介よりー
キアロスクーロ弦楽四重奏団は、ロンドンで学んだ弦楽器奏者により2005年に結成。メンバーは
アリーナ・イブラギモヴァ:ヴァイオリン
パブロ・ヘルナン・ベネディ:ヴァイオリン
エミリエ・ヘルンルント:ヴィオラ
クラーレ・ティリオン:チェロ
ガット弦を使い、立奏で行われるアンサンブルは、しなやかでダイナミック。彼らの演奏はヨーロッパの聴衆に高く評価されている。エディンバラ国際音楽祭をはじめ、ヨーロッパの音楽祭に数多く出演。また録音も意欲的に行っている。
コメント
クラーレ・ティリオン:カルテットの「キアロスクーロ」とは、絵画の技法において光と影を意味します。この名にしたのはロジャー・ノリントンのおかげです。私たちがロンドンで学んでいたころ彼に会いました。指導を受けていた時に「もっと違いをはっきりと! キアロスクーロのように!」と言われたのです。音楽は緊張と緩和の対比なので、その名は最適です。全員が気に入っています。
アリーナ・イブラギモヴァ:色彩の違い、強弱、緊張と和み…など。多くの意味を持つことがすばらしいと思います。
パブロ・ヘルナン・ベネディ:キアロスクーロの演奏形態立奏については、立奏は自由になれます。私たちに新たな交流の方法をもたらしました。いつでも動けます。座って練習していても立つだけで音がより心地よく響きます。
エミリエ・ヘルンルント:ガット弦を使い、少し低い音程で演奏します。おすすめはしませんが…その音色に魅了されました。純粋で美しい音、無機質な音、野性的な音も出せるので、皆その音が気に入っています。
アリーナ・イブラギモヴァ:この奏法はキアロスクーロ(光と影)の方針を発展させます。私たちは光と影の境界を広げようとしているのです。
曲目
☆弦楽四重奏曲 ト長調 作品18 第2 ベートーベン
ベートーベンの作品18は6曲の弦楽四重奏曲で構成されている。1799年に完成。優雅な香りが漂う。主題が挨拶を交わしているように感じられるところから、「挨拶四重協奏曲」と呼ばれることもある。
☆弦楽四重奏曲第一番 変ホ長調 作品12 メンデルスゾーン
メンデルスゾーンは1829年にこの曲を20歳で作曲。ベートーベンの影響を強く受けているが、メンデルスゾーンらしい端正なハーモニーも表れている。
🎵光と影を弦で描出するためにさまざまな工夫が為されているようだ。
2005年の結成。「並外れたユニークな音色だけでなくアンサンブルに知性ある姿を兼ね備え」とユーラシックには出ている。この知性が曲を凌駕したというほどではないが、この知性支配とまでは言い難いかもしれないが、何か、曲そのものを超えていたという感じが。ただし、これがベートーベンの曲も多分に実験的であると感じられたままに聴いているわけで、そこに整合性を聴き分けられなかったのは、それこそ筆者の側の感性の乏しさであることも多分にあるかもしれず、モノ申した分を引っ込め引き下がれとなっても、直感を押し通すだけの迫力と論拠を持ち合わせてもいない。
メンデルスゾーンの終楽章の巧みさ見事さをこの曲でも見せつけられたというか、いよいよ認識を強くしたというか。終楽章が受けた多くの影響の集大成、大団円と感じられた。
🎧名曲アルバムはオネゲルの「パシフィック231」
機関車の名前をそのまま曲名に。鉄道マニアを沸かせそうな映像と音楽。この時代の産業の動力の力強さが。
⛳4時代のさやかな三日月が消えゆくさまを惜しみ曙光を迎え、きょうの一日は果たして動き出しているかも捉え難いまま8時3分の更新
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