210317 クラシック倶楽部を聴く 「ザルツブルク音楽祭 2020」アンドラーシュ・シフ
2020年の「ザルツブルク音楽祭」から卓越した技術と豊かな音楽性を兼ね備えたピアニストとして聴衆を魅了し続ける世界的ピアニスト アンドラーシュ・シフがシューベルトとヤナーチェクの作品に取り組んだ2020年の「ザルツブルク音楽祭」のコンサートからお送りする。出演:アンドラーシュ・シフ(ピアノ) 曲目:4つの即興曲 D.935(シューベルト作曲)、霧の中(ヤナーチェク作曲) 〈2020年8月25日 ザルツブルク モーツァルト劇場〉ー番組紹介よりー
曲目
☆4つの即興曲 D.935 (シューベルト)
☆霧の中 (ヤナーチェク)
モーツァルトの生誕地オーストリアのザルツブルクで毎年夏に開催されるザルツブルク音楽祭。一か月以上に及ぶ期間に演劇、オペラ、バレエ、種々のコンサートを含む数多くのプログラムが提供され規模、内容ともに世界有数の音楽祭として知られる。1920(大正9)年に第一回が開催されたのち、偉大な音楽家たちの導きで伝統を積み重ねてきた音楽祭が2020年創立100年を迎える。新型コロナウィルスの感染拡大を受けて一時開催が危ぶまれたが規模を縮小しさまざまな感染防止対策をとったうえで8月1日から30日間、110公演が行われる。
音楽祭の後半、ステージに登場したのは、世界的ピアニストのアンドラーシュ・シフ。アンドラーシュ・シフは1953年ハンガリーのブダペスト生まれ。バッハからブラームスまでのドイツ音楽のレパートリーを中心とし卓越した技術と音楽性を兼ね備える。
🎵ザルツブルク音楽祭は1920年から100年の歴史をもつ。100年前の日本()というと、音楽では軍楽隊や帝室雅楽部が西洋音楽の習得も課せられて頑張っていた。ヨーロッパに比肩しうるアンサンブルもない時代。この圧倒的な落差。アンドラーシュ・シフの演奏、研ぎ澄まされ澄んだ音にも、流麗なところにも、清新さなどのすべてに明晰さが感じられた。
🎧名曲アルバムはベルリオーズの「幻想交響曲 第一楽章」
マーラーと共に当時の音楽評論家に物議をかもしたベルリオーズの生家、フランス南東部の田舎町ラ・コート・サンタンドレにある生家、また愛用したと伝えられるギターと指揮棒。当時この町にはピアノが1台もなく縦笛とギターで作曲したという。たしか10歳から。この少年が後に後に、ここからはアンリルイ・ド・ラ・グランジュの著書からの引用だけれども、「はじめて交響曲の扉をカリカチュアに、そして大衆音楽に、それまで絵画と文学にのみ出番があった「醜悪さ」に開」くことになる。伝統的な美の拒否、破壊なのだ。と、ここまで書いて、何だか面白そうと追跡し時間を費やしてみて、あらら、これは自分のやることではなかったかもと突き当り、しかし興味深い音楽史の一つのプロセスを垣間見た思いになった。もしかこのことは一度書いたことがあったかもしれない。
⛳けさは、先ずは「土の器」の温存を図らねばと早朝TVは止そうと番組予告も見ずにいたが、習慣でつい起きだしスイッチオン。それがザルツブルク。何か得した気分に。それが次いで名曲アルバムでベルリオーズの故郷を映像でたどることができラッキーだった。恋によりたくさんの作曲をし、18歳でパリに出てからは激しい恋をし、それが「幻想交響曲」になったとか。たしかフロイトが芸術は「性」からと言っていた気がするけれども、宗教曲などはこの範疇であるものとないものとがあり、特にも偉大な宗教曲は神への愛であると思っているけれども。世の中フロイトばかりでは測れないことも多々。いまはそれがすこしぼやけた時代になっているのでは。もっとも詳しく根拠を挙げよと言われるとそこまでの学びもしてはいない、それどころか音楽の入り口でいまだ足踏みをしている自分である。
あすは筝曲、ひび割れそうな土の器の罅に不安をかこち乍らまた起きだすかもしれない。
この時間で散歩でもした方が健康には良かったかなと思いつつ16時更新。
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