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210303 クラシック倶楽部を聴く 笛田博昭 テノール・リサイタル

日本を代表するテノール・笛田博昭が、オペラ・アリア、歌曲の伴奏者として一流歌手から絶大な信頼を寄せられているスカレーラとベッリーニ、マスネなどの名曲の数々を熱演【出演】笛田博昭(テノール)ヴィンチェンツォ・スカレーラ(ピアノ)【曲目】マリンコニーア(ベッリーニ作曲)、オシアンの歌「春風よ、なぜ私を目ざますのか」(マスネ作曲)ほか【収録】2019年6月9日 テアトロ・ジーリオ・ショウワー番組紹介よりー

 

笛田博昭(テノール)
名古屋芸術大学音楽学部声楽科を首席で卒業。同大学院修了後ミラノで学ぶ。2012年フェッラーラ国際コンクールで優勝。歌劇「トロヴァトーレ」マンリーコ役でイタリアデヴュー。「アイーダ」「マクベス」「運命の力」など多くのオペラ作品に主要な役で出演を重ねている。
ヴィンチェンツォ・スカレーラ(ピアノ)
アメリカ ニュージャジー州出身。マンハッタン音楽学校で学び、ピアノ演奏の学位習得。1980年ミラノ・スカラ座の副指揮者兼リハーサルピアニストに就任。カルロ・ベルゴンツィ、ホセ・カレーラスなど世界一流の歌手の伴奏を務め、芸術性の高い演奏は「名手スカレーラ」と評されている。

笛田博昭・スカレーラのコメント
Q
今回のプログラムについて
あまり日本で歌われないというか、みんながやるようなプログラムではないものをやりたかったと。「アマランタ」は初めて。やってすごく大好きになりました。やればやるほど歌えば歌うほど、どんどん掘り下げられる。歌曲はそんなにたくさん勉強してこなかったので、勉強する作業が、歌うってことが僕は声を出すことにすごくとらわれていたわけですよ、アクート、高い声を出すのにはそこに集中しなければいけないし、けれどもそうするとドラマが見えてこない。「アマランタ」を勉強していてあるとき、オペラ歌手というのは役者以上に芝居ができなければ成立しないのだとすごく思った。訳者みたいにオペラの人は、もちろん歌いながらなので動いて表現するよりも言葉のニュアンスとか、動かないでそのドラマを再現するという意味では、ものすごく芝居心とかが必要だなとよくわかりました。
Q
スカレーラについて
笛田博昭:僕はフランス歌曲とかぜんぜん歌ったことがないし、フランスものをほとんどやったことがなかった。だからスカレーラに教えてもらいました。
スカレーラ:私がそうだと言っているわけではありませんが、理想的な伴奏者というのは歌手の息が続かないなどトラブルが起きたとき助けられる人です。リハーサルからやり方を変えて演奏を音楽的に成り立たせるのです。
Q
今回初挑戦するマスネの歌曲について
スカレーラ:: フランス語のマスネのアリアは私のアイデアでした。彼の声に合っていると思ったのです。ベッリーニの歌曲からイタリア歌劇のアリアへの橋渡しになると思いました。

曲目

フィッリデの悲しげな姿よ」ベッリーニ:作曲
ベッリーニの若き日の恋から生まれたといわれる作品。今は亡き恋人に変わらぬ愛を歌いかける。
マリンコニーア」ピンデモンテ:作詞、ベッリーニ:作曲
「マリンコニーア」はイタリア語で「憂愁」「哀しげ」の意味。恋人をニンフ(妖精)に例え、「憂愁」にひそむ甘美を歌う。
お行き、幸せなバラよ」ベッリーニ:作曲
6つのアリエッタ」の第2曲。ベッリーニらしい旋律美にあふれた作品。
アマランタの4つの歌」ダンヌンツィオ:作詞、トスティ:作曲
トスティの生涯の友人で詩人・劇作家のダンヌンツィオと意見を交わしながら作曲した歌曲集。
あなたの青い目を開け」ロビケ:作詞、マスネ:作曲
マスネが母校パリ音楽院の作曲家教授に就任した1879年の作品。歌曲集『愛の詩』の第3曲。
エレジー」ガレ:作詞、マスネ:作曲
ピアノ独奏だった曲にガレが詩をつけた作品。フランス歌曲の名作の一つとして広く愛唱されている。
「歌劇「ウェルテル」からオシアンの歌「春風よ、なぜ私を目ざますのか」」マスネ:作曲
若き詩人ウェルテルが人妻シャルロッテへの思いを、伝説の詩人オシアンの詩に託して歌う甘美なアリア。
タイスの瞑想曲」マスネ:作曲   ピアノ独奏
「歌劇「運命の力」から「この世は地獄」「天使のようなレオノーラよ」」ヴェルディ:作曲
アルヴァーロが不幸な生い立ちを振り返り、レオノーラへの愛と絶望を情熱的に歌うアリア。

訳は河野典子

🎵きのうはバリトンできょうはテノール。声のバリエーションをまた物語を聴くならオペラ全体ということなのだろうけれど、この短い時間帯にこれだけの解説、それに知っている断片と想像力で類推しながら理解の助けとしている。
 「アマランタの4つの歌」は1そっとしておいて2暁は光と影を分け3虚しく祈り4賢者の言葉よ、何を語っているのか。ガレの「エレジー」春はもう戻っては来ないと切々。ヴェルディ「運命の力」、王座を夢見た者は皆斧で殺され、その血筋にあることにふるえながら不運に掴まれた慟哭が真に迫り地を圧するの感。

🎧名曲アルバムはハイドンの弦楽四重奏曲「皇帝」。演奏クァルテット・エクセルシオ
Dsc06029-2
ハイドンが最晩年に日課のように弾いたこの曲。果たして今聴いている曲の中で自分の最晩年に毎日でも聞きたい音楽はどれに、何になるのだろうか。
⛳メモ書きとして、9時18分更新。

 

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