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210126 クラシック倶楽部を聴く アリス・紗良・オット

若い頃から世界的な活躍を続けるピアニストが、さらなる飛躍を目指して「ナイトフォール(逢魔時/おうまがとき)」をテーマに選んだフランス音楽の数々アリス・紗良・オット夢(ドビュッシー作曲)グノシエンヌ第1番、ジムノペディ第1番、グノシエンヌ第3番(サティー作曲)「夜のガスパール」(ラヴェル作曲)ほか2018年9月27日 東京オペラシティコンサートホール―番組紹介よりー

アンコールは亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル)

🎵収録の力の入れようも一入という感じが。まえに聴いたときには、アリス・紗良・オットの世界「逢魔時」を象徴するかのような青いライトの巧みさ、ナイトフォールに溶けこむかの紗良の美しさに惹きつけられ食い入るかに見入ったけれども、今回はむしろ視覚的な部分を伏せて、ほとんど目を閉じて聴いていたのだけれども。紗良のいう光と闇がぶつかり合う白黒つけがたい、これはいわば葛藤というものでもあるかと。自分の中にある二面性をさぐってもらいたいという紗良。華々しい世界的な活躍をひた走ってきた紗良がたどり着いたこの時点。この収録は2018年だが、現在の彼女にはまた芸術に昇華された変化が織り込まれているのではとユニバーサル・ミュージック・ジャパンに飛んで彼女の今を確認。

ラヴェルの「夜のガスパール」、底に静まっていた沈殿物が、水の面を過るさまざまな生物、動物、物体、などというと曲想からいえば物々しくなってしまうが、いずれ人のさまざまな感情を含んだことばなどで立つさざ波によって、浮遊、これはふだんの自分のありようから思わぬ方向、事態に自分の意思とは時として無関係に引っ張られてしまうような物理的な引力とはまた違った牽引力なのだろうけれども、引かれ浮遊し、自らの存在に安定感を失っている、そんなあり様を想像してしまった。魂の落ち着きどころがなく羅針盤を失った航海でもしているような感じがした。これがあたっているかどうか。

 

🎧名曲アルバム。ヴィヴァルディの「四季」から「冬」【バイオリン】千住真理子,【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団,【指揮】高関健
クラシック倶楽部は紗良で、そのあとが千住真理子。この豪華さ! 冬の硬質な弦の音が何とも。養育院の少女たちにバイオリンを教え、彼女たちのために多くの作曲をしたヴィヴァルディ。

⛳くもりぞら、しかししかし、紗良のピアノと千住の弦で心晴ればれ。7時9分更新。


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