201020 クラシック倶楽部を聴く ドビュッシー没後100年記念演奏会Ⅰ 抜粋
20世紀を代表する、フランスの作曲家ドビュッシー。その没後100年を記念して日本の名手たちを集めて行われた、珠玉の室内楽作品の演奏会をお届けする。 曲目:ピアノ三重奏曲ト長調から、ハープと弦楽のための舞曲「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」(ドビュッシー)他 出演:吉野直子(ハープ)、小林美恵、川久保賜紀(バイオリン)、川本嘉子(ビオラ)、遠藤真理(チェロ)、三浦友理枝(ピアノ)、上野由恵(フルート)―番組紹介よりー
2018年11月24日、フィリアホール(横浜市青葉区民文化センター)
☆ピアノ三重奏曲ト長調(1880)
☆神聖な舞曲と世俗的な舞曲(ハープと弦楽四重奏による)(1904)
☆フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ(1915)
🎵「ピアノ三重奏曲ト長調」。説得力。「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」。ハープのような響き語感のコメントでは、自然の蔭、緑が移ろっていく、光があたることによって情景が変わる、五感、全身で受け止められている自然。また工場のオートメーション化、機関車などの登場という技術革新への興奮が伝わってくるのだが、なのに静か。両極端なものへの興奮がつたわってくると。「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」これは、プレイエル社が新しく開発したハープの宣伝のためにドビュッシーに作曲を依頼したところが、あまり売れなかったらしい。で、ドビュッシーは従来のハープ用に書き改めたとか。
「フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ」。コメントでは、フルートとビオラ、ハープの楽器の組み合わせはふつうは考えないのだという。他の曲ではあまり体験しない響きと。1915年に作曲されこの3年後にドビュッシーは亡くなっている。病苦にあっての作曲らしい。コメントを参考に聴くと、三つの楽器がそれぞれに個別の空間に鳴っている、それがむしろそれぞれの楽器を特徴づけて聴かせてくれる。ところが別個であるようで、その底流で、一つのものと捕えられる不思議な感覚が。第一楽章の田園に親しみを覚え、また第3楽章の終曲には、あまり浮かんだことのない語彙「おびえ」、も感じられ、心の底に堆積する淀みも聴こえた気が。ビオラは直截てきに、フルート、ハープはその明るさの側面を保ちながらも暗喩的に。最後の音もばらけているといちどは。しかしそうではなく、それぞれの楽器がそれぞれの楽器方向を向いているとでもいったらいいのか、微妙なずれにある調和が感じられた。ドビュッシーはいわく言い難い。
🎧名曲アルバム。ベートーベン「田園」。大友直人&東京フィル
ベートーベンの田園世界は聴き終えて尚聴こえつづける。
⛳7時2分更新
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