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200917 クラシック倶楽部を聴く  メナヘム・プレスラー 93歳のピアノ・コンサート

 待望の来日公演!90歳でベルリン・フィルにソリストデビューを果たし、ますます精力的な活動を展開するプレスラー。2017年秋に行われた日本での演奏会をお送りする。ピアニスト・メナヘム・プレスラー。20世紀を代表するピアノ三重奏団ボザール・トリオのメンバーとして半世紀以上にわたり活躍した。トリオ解散後はソロ・ピアニストの活動を本格化させ、90歳を超えてなお世界中で演奏会を行っている。今回の来日公演時、プレスラーは93歳。ショパン、ドビュッシーなど全16曲を熱演した。観客総立ちとなった話題の演奏会からお送りする。 2017年10月16日サントリーホールで収録―番組紹介からー

メナヘム・プレスラー プロフィール
1923
1216日ドイツのマグデブルク生まれ。ナチスから逃れて1939年に家族と共に移住したイスラエルで音楽教育を受ける。1946年、サン・フランシスコのドビュッシー国際コンクールで優勝し、本格的なキャリアをスタート。1955年~2008年ピアノ三重奏団ボザール・トリオで活躍。ピアノ三重奏曲の人気を大きく高めた功績を持つ。トリオは世界各地で年間100以上のコンサートをこなした。2011年、ICMA国際クラシック音楽賞の生涯功労賞および名誉あるウィグモア・メダルを受賞、20126月には、スペインのソフィア女王よりメニューイン賞を授与され、またグラモフォン誌の殿堂入りを果たした。90歳でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と共演。この齢93歳。コンセルトヘボウ管弦楽団、パリ管弦楽団等へ次々と客演、欧米で話題の中心となっている。室内楽の第一人者としての威信は非常に高く、ピアノと音楽の知識は膨大にして、楽譜に書かれた音符から美しい音楽を紡ぎ出す聡明さを伴う。(番組解説とウエブとからの編集)

メナヘム・プレスラーのコメント
ピアノを弾くときこそが至福の時間でした。ピアノはいつも私に語りかけ私は返事をする。するとピアノは音楽に対し多様なアプローチがあることを教えてくれるのです。ピアノの声に応じていれば時には力強く時には控えめに激しくもあれば時にはこの上なく繊細な音も奏でることができるのです。
私の目的は常に作曲家たちの考えを細部まで伝えることです。例えばショパンはピアノを開花させることができる。彼の手にかかればピアノは別次元の美しさを放つ楽器へと変化します。私は作曲家が直接語りかけているような演奏を目指してきました。そのためにあらゆるテクニックは存在するのです。

曲目
「シャコンヌ」ヘンデル:作曲
「前奏曲集 第1巻から「デルフィの舞い姫たち」「帆」「亜麻色の髪の乙女」「沈める寺」「ミンストレル」」ドビュッシー:作曲
「マズルカ ロ短調 作品33 4」ショパン:作曲
「マズルカ 嬰ヘ短調 作品59 3」ショパン:作曲
「バラード第3番 変イ長調」ショパン:作曲
「月の光」ドビュッシー:作曲

🎵アンコールの「月の光」、彼の弾くドビュッシーはみなそうだけれども、透明度が増していき、それこそ月明かりが水の表面に静かにゆらめくばかりでなく、そこまでを静かにライトが底を無意識に探るように照らし出していく。「マズルカ」、音をそっと棚に置くかのその間合いにくっと来るのだ。ものがたり世界に引き入れてくれる繊細な響き。壮年のある意味のあざとさやダイナミズムからは遠く、彼の行きついたところの楽響が心地よい。サントリーホール満場のスタンディングオーベンション、プレスラー、温かな心からの祝福に包まれて左袖に。🎵メナヘムが楽譜を見るとき、或いは高齢での思いがけない起こり得る事態への対応とも素人目には思われもするのだが、それ以上に目の表情に見とおす眼力が漲っている。この曲はこうであるという確信めいた信念だ。やはりドヴュッシーの音の機微に含蓄を感じる。特に最後の「月の光」、暗い水面、しかし暗いながら美しく澄んだ水面に、月の光が、ただひっそりとたたずむ懐深い樹林に見守られながら、とき折り月の形状をゆるやかに断裂させながら揺らめいている、そんな情景が浮かんだ。巨匠93歳の月の光だ。
以上が前回、前々回に聴いて感じたところなのだが、🎵けさは、……私は若い頃のメナヘムの演奏を聴いたことがない。ナチを逃れて39年にイスラエルに移住している。激動の6年間を逃れられたのだ。このメナヘムの歴史が彼の演奏家としての人生を彩った側面もあったかなと憶測する。サントリーホールでの演奏は2時間であったらしい。この番組は55分編集。曲にだけ、曲の世界のみを見つめて弾いているかの93歳の演奏。幸せで豊かな演奏人生。90歳でベルリン・フィルとの共演。招待したのはサイモンラトル。以下はベルリン・フィル・デジタルコンサートホールの記事の転載です。

20141月、ピアニストのメナヘム・プレスラーは、実に90歳でベルリン・フィルにデビューを果たしました。驚くべきはその年齢だけでなく、彼の比類なき音楽性でした。柔らかいレガート、息をのむようなピアニッシモ、語るようなアーティキレーションなど、どれもが別の世界から来たような趣きを放っていたからです。そのとき客席にいたサイモン・ラトルは、躊躇せずにプレスラーをベルリン・フィルのジルベスターコンサートに招待し、同年末に両者の共演は実現したのでした。
プレスラーは1923年、ドイツ・マグデブルクのユダヤ人家庭に生まれました。ナチスの迫害を逃れて1939年両親とパレスチナに亡命し、やがて彼はアメリカに移住。1955年にはボザール・トリオを結成し、20世紀最高のピアノ三重奏団のピアニストとして、2008年に解散するまで活動を続けました。プレスラーのソロのキャリアはそこから始まったのです。
このドキュメンタリー作品は、過去ではなく、「いまここに」生きている一人の音楽家の姿を克明に伝えています。チャーミングな人柄を見せる一方、高いレベルの音楽を求めるためには自己や他の音楽家に対して妥協を許さない厳しい姿勢も覗かせます。ダニエル・ホープなど同僚とのインタビューやマイスターコースからの抜粋は、音楽と人生への深い愛情がメナヘム・プレスラーの生きる源になっていることを実感させてくれるでしょう。

 

🎧名曲アルバム。バーバー「弦楽のためのアダージョ」【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団,【指揮】円光寺雅彦 ~アメリカ・ニューヨーク~―番組紹介よりー

⛳後番組のカナダ紀行を気にしながら筆記し、7時2分の更新。

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