20/7/3クラシック倶楽部を聴く ナタリー・シュトゥッツマン&オルフェ55
コントラルト、そして指揮者のふたつのキャリアで活躍するナタリー・シュトゥッツマン、そして彼女自身が創設した室内オーケストラ、オルフェオ55の演奏でバロック期の声楽曲・器楽曲をお送りする。声楽を学ぶ学生が必ず勉強する「イタリア歌曲集」の曲目をオリジナル編成で演奏した公演で、深みのある豊かな歌唱、そして集中度の高いアンサンブルが注目を集めた。2018年5月、紀尾井ホールで行われた演奏会の後半から。ー番組紹介よりー
🎵ナタリー・シュトゥッツマンのコントラルト、いちど聴いたなら忘れる人はないだろう。この放送はかつて2回聴いており、このブログにメモってある。いちどは2019年1月30日、この日の朝は氷点下9度、それでも起きだして聴いている。いちどは2019年7月5日。
いずれも2018年5月の収録分。2019年7月5日を読んでみたが、きょう聴いて感じたところと少しの違いもない。
ナタリー・シュトゥッツマンのコメントの一部
歌と指揮を同時におこなうことについては、私の脳が二つのパーツで構成されているのかもしれません。私にとって「声」はずっとメインの楽器でした。ピアノやチェロなども学びましたが、声がもっとも自分を表現しやすかった。だから「二つのことを同時にしている」という感覚はありません。自分もアンサンブルの一部といった感じです。歌のパートは徹底した準備が必要です。本番では歌で体を使うので、オーケストラに細かい指示を出せません。ですからリハーサルではオーケストラの準備を入念に行います。もちろん負担は大きいです。でも作品全体を自分で表現できる至福を味わうことができます。最高ですよ。最近は指揮活動の方が増えました。指揮者になることは夢でしたので嬉しいです。偉大な指揮者たちに支えられて多くのすばらしい機会に恵まれています。でも歌手を辞めたわけではありません。指揮の割合が増えてきたということです。いまはノルウェーのオーケストラの音楽監督とアイルランド放送交響楽団の首席客演指揮者も務めています。オペラの指揮もします。このあいだワーグナーの「タンホイザー」の指揮をしましたが大変でした。でも私自身は何も変わっていません。音楽家であるということは「生き方」だと思うのです。指揮者であろうと歌手であろうと音楽家であることに変わりはありません。私は音楽ができれば幸せなのです。
☆「協奏曲 第1番 ヘ短調から ポコ・アンダンテ」ドゥランテ:作曲
☆「歌劇「ポンペオ」から 私を傷つけないで」アレッサンドロ・スカルラッティ:作曲
☆「歌劇「ジュスティーノ」から この喜びをもって会おう」ヴィヴァルディ:作曲
☆「歌劇「アルミード」から パッサカリア」リュリ:作曲
☆「歌劇「救われたアンドロメダ」から 太陽はしばしば」ヴィヴァルディ:作曲
☆「オラトリオ「敵の将軍ホロフェルネスに勝って帰るユーディット」から 気まぐれの風にもてあそばれ」ヴィヴァルディ:作曲
☆「歌劇「みやびなインドの国々」から 未開人の踊り」ラモー:作曲
☆「パッサカリア」ファルコニエーリ:作曲「踊れ、優しい乙女よ」ドゥランテ:作曲
☆「愛の喜び」マルティーニ:作曲
☆「歌劇「オリンピアーデ」から 私は苦しみながらも震えている」ヴィヴァルディ:作曲
🎵シュトゥッツマンのコントラルト、嘆き、憂い、怒り、苦悩、忍耐を浄化しうたいあげる。その奥に底光りを放つ黒い、青い宝石のよう。実に魅力的だ。そしてまるで空中の酸素のかわりに優しさと雅さ、繊細さで呼吸、息をしているようなオルフェオ55。シュトゥッツマンの響きに寄り添うオルフェオ55の柔らかな響き。まえにも聴いているけれども、今回より深く身近に心に落ちた。シュトゥッツマンの歌う歌詞の内容を包み、強弱の別はあれ、そこはかとない包容力に満ちて流れるこの絶妙さ。去年の5月に来日し手堅く篤く厚く熱い支持を得ているところから、またの来日が期待できそう。上京してでも聴きたいところだ。
シュトゥッツマンには女性ながら胆力も感じられ、決して尻ごみしない精神力がやはり彼女を指揮者に駆り立てるのか。
以前は以上のように感想を綴っていたのだが、しかし、2019年4月27日の「月刊音楽祭」で報じられたところでは、オルフェ55が24日に活動停止を発表。政府の支援が減ったことに原因が。同じ現実が出てきそうな様相に暗たん。好きな楽団がなくなったことには気落ちしたが、しかし、あの響きはいまもこちらに。
翻訳の方々は広塚洋子、岡本和子の各氏
🎧🎵名曲アルバム
「ラ・マルセイエーズ」(バリトン)直野資,(合唱)二期会合唱団,東京少年少女合唱隊,(管弦楽)東京フィルハーモニー交響楽団,(指揮)矢崎彦太郎
ディートリッヒ市長からの委嘱にこたえて作曲者リールは、一晩で一気に書き上げたという。歌いながらの義勇軍の突撃のものすごい場面はさておき、場合によっては狂気にも駆り立てられそうな、とにかく元気の出る曲。
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