20729 クラシック倶楽部を聴く キアロスクーロ四重奏団
名手アリーナ・イブラギモヴァが率いるカルテット、キアロスクーロ四重奏団。チェロ以外の三人が立って演奏する独特なスタイルによる、しなやかなアンサンブルをおおくりする。【曲目】弦楽四重奏曲ト長調作品18第2(ベートーベン作曲)、弦楽四重奏曲第1番変ホ長調作品12(メンデルスゾーン作曲)【収録】2019年4月23日 王子ホール(東京都中央区)―番組紹介よりー
🎵「キアロスクーロ」、これは絵画の方でいう「光と影」であるという。弦楽四重奏としては珍しい立奏。チェロだけは楽器の性質上座っているけれども。コメンントでは、立奏の方が音がよく出ると。ガット弦を低く調弦するなど、光と影を弦で描出するためにさまざまな工夫が為されているようだ。メンバーは
アリーナ・イブラギモヴァ:ヴァイオリン
パブロ・ヘルナン・ベネディ:ヴァイオリン
エミリエ・ヘルンルント:ヴィオラ
クラーレ・ティリオン:チェロ
2005年の結成。「並外れたユニークな音色だけでなくアンサンブルに知性ある姿を兼ね備え」とユーラシックには出ている。この知性が曲を凌駕したというほどではないが、この知性支配とまでは言い難いかもしれないが、何か、曲そのものを超えていたという感じが。ただし、これがベートーベンの曲も多分に実験的であると感じられたままに聴いているわけで、そこに整合性を聴き分けられなかったのは、それこそ筆者の側の感性の乏しさであることも多分にあるかもしれず、モノ申した分を引っ込め引き下がれとなっても、直感を押し通すだけの迫力と論拠を持ち合わせてもいない。演奏技術の高さはもうその通りで、もしかすれば曲の好みの問題か。
ベートーベンの「弦楽四重奏曲ト長調作品18第2」。そしてメンデルスゾーンの「弦楽四重奏曲第1番変ホ長調作品12」、1829年メンデルスゾーン20歳での作品。ベートーベンの影響があると。メンデルスゾーンの終楽章の巧みさ見事さをこの曲でも見せつけられたというか、いよいよ認識を強くしたというか。終楽章が受けた多くの影響の集大成、大団円と感じられた。
🎧名曲アルバム
「“リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲”から第1曲“イタリアーナ”」レスピーギ作曲 (リュート)櫻田亨,(弦楽合奏)東京フィルハーモニー交響楽団,
🎵この工房はローマの中心部にあるらしい。リュートもまた古くからの技法であると。いまは古楽器やリュートの修復が主な仕事。リュートは16世紀に隆盛、バロックの終わりに衰退。これに光を当てたのがレスピーギ。近頃は古の楽器がむしろ音が溢れジャンルを問わずに選べる現代に、単一の音で気分をシンプルに平明に単一的に、そして安ど感をくれるところがある。
⛳けさも聴いている最中5時35分に地震情報が。こんどはどこ? と書きはするが、「こんどは」と思うゆとりはなく、「どこ?」。大雨災害にたたられ、それがまだたたられ途上にあるこのときに、また!? まさか九州じゃ、あそこじゃ、こっちじゃなかろう、と数々の被災地が浮かぶ。茨城県震度3と出てすこしほっと。コロナ危機に流され壊され、それでも沈まぬ沈んでなるかの日本列島などと自分を励ましている今朝
7時5分更新。
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