20512クラシック倶楽部を聴く 小山由美 メゾ・ソプラノ
クラシック倶楽部 小山由美 メゾ・ソプラノ リサイタル20世紀の作曲家たちの知られざる名曲を集めた演奏会から。【出演】メゾ・ソプラノ/小山由美、ピアノ/佐藤正浩【曲目】シュテファン・ゲオルゲの詩による「架空庭園の書」から(シェーンベルク作曲)、メーテルリンクの詩による歌曲から(ツェムリンスキー作曲)、待雪草(コルンゴルト作曲)、子守歌(ショスタコーヴィチ作曲)ほか【収録】2018年9月22日 ハクジュホール(東京都渋谷区)―番組紹介からー
「架空庭園の書から」ゲオルグ詞、シェーンベルク曲
「眠り、眠り、眠りだけ」ヘッベル詞、ベルク曲
「メーテルリンクの詞による歌曲」、メーテルリンク詞、ツェムリンスキー曲
「歌曲集作品18から」モルゲンシュテルン詞、ヒンデミット曲
「待雪草」アイフェンドルフ詞、コンゴルト曲
「祝詞」テニメル詞、コンゴルト曲
「博物誌 こおろぎ」ルナール詞、ラヴェル曲
「永遠の謎」ヘブライの歌、ラヴェル曲
「バイオリン」ヴィルモラン詞、プーランク曲
「シラブル」、メシアン曲。歌曲集「ハラウィ」の中の8番。緑の鳩が再び現れ、オノマトペが多用される。これは猿の声の擬声語であり、猿の声の警告によって危機を脱したインカの王子を記念する「猿の踊り」を模したもの。
以上10曲は多田茂史・訳
「子守唄」ショスタコーヴィッチ曲
「歌うな美しい人よ」プーシキン詞、ラフマニノフ曲
「私はすべてを奪われた」チュッチェフ詞、ラフマニノフ曲
以上は伊東一郎・訳
🎵以前にも聴いているはずなのだけれども、いったい何をどう聴いていたやら、今回聴いてみると、これが近年聴いたリートの中では記憶にのこるものとなった。当初、知られざる名曲と聞いて、きっと厭きるだろうと聞き始めたところが、次は? つぎは? と55分があっという間に。この歌詞はネットではおいそれと出てはこないのではないかと今そちこちをググっている。詳しく年代別に並べてみたい気もしたのだが。
小山由美、失礼なようだけれども、敬称略で、小山由美がいうに、20世紀前半、第一次世界大戦、第二次世界大戦前後激動の時代を生きた作曲家たちがどんな曲を書いているのか、ことばを通してどんなことをいっているのか、つたえようとしているのか、いわば近代のリートの流れを理論はもっとあるのだろうけれども実際に楽曲に託してつたえてくれたのだ。一般受けしないと仰っていたが、一般受けしない曲がこんなにおもしろいとは! 実にわかりやすくリートをお話くださった。完璧に拾うことはできないが、リートを歌うことは、美術館にある一枚一枚違う絵画を客観的に見せていくこと。技術的にはその曲に合った彩あい、これが歌曲の中では、というより、その絵画土壌にもドイツ、フランス、ロシア、スペインとそれこそ限りなくあるはずだが、その国の原語ドイツ語、フランス語などなど、けさちょっとゲール語の話しが後番組に出ていたが。ちょっと逸れたけれども、言語も音楽のうち、そしてここが大切なのだろう愛情のこめ方だという。そして次が歌い手にとって険しくも厳しいところなのかと思うが、「パーソナリティを聴かれている」というのだ。これは怖い。次に出てくる言葉は「真価」といった予感に怖くなるのだが。「日本人なら日本語に対する思い入れ、自分にとっての思い入れをもっとこうだとはっきり主張するべきだ」と。「たとえ反発があっても自分のやりたいことを出すこと」であると。
どこが良かったか、「どれもそれぞれに」、どれも捨てがたいということなのだが、歌詞の内容、それに密着し引き出してメゾ・ソプラノの幅のある奥行のある豊かさで「ぐんと惹きつけられたという点では、「架空庭園の書から」、「メーテルリンク」「祝詞」、メシアンの「シラブル」、ショスタコーヴィッチの「子守唄」これを聴きながら、ソ連時代の収容所列島なども思い出し、子守唄というよりはソ連、ロシアの多くの婦人たちのやりきれない癒しがたい思いがつたわってきた。そして
「私はすべてを奪われた」―私はすべてを厳格な神に奪われた/健康も 力も 意志も 呼吸も 眠りも/神が私に残されたもの/それはお前だけ/神へと 私はまだ祈りを捧げることができるようにとーこれがどなたの訳かは不明。ネットから
🎧名曲アルバム「バイオリン協奏曲」シベリウス。バイオリン加藤知子、指揮現田茂夫、東京フィル?
🎵加藤知子のバイオリンが映し出す、そんな感じで映像を観ていたのだけれども。ここでも聴覚、心を病む夫の癒しのために山荘に生きる決意をする妻のすがたが。ヤルヴェンパーの森の光と影。
⛳書き始めが何時であったか、何れ11時更新。
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