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20515クラシック倶楽部を聴く  東京混声合唱団

1956年の設立以来、250回を超える定期演奏会、200曲を超える新曲委嘱を行ってきた東京混声合唱団。設立以来、日本の合唱界をけん引してきた円熟のアンサンブルをご紹介します。【出演】東京混声合唱団(合唱)、山田和樹(指揮)、福間洸太朗(ピアノM3のみ)【曲目】1.コンダリラ(スティーブン・リーク作曲)、2.カンタータ「人間の顔」(プーランク作曲)、3.混声合唱とピアノのための「鉄道組曲」(信長貴富作曲) 【収録】2020年2月8日 東京文化会館 小ホールで収録―番組紹介よりー

🎵東混の桂冠指揮者は田中 信昭。この合唱団が創立当時に掲げた目標は三項目。
一、楽しい雰囲気の演奏会を行う。
一、職業合唱団として成立させる。
一、日本の合唱曲を創る。
この三つめがやはりすごいところ。200を超える新曲委嘱作品を誕生させたわけだ。現在の指揮者はブザンソン指揮者コンで優勝の山田和樹だ。

「コンダリラ」、あっと驚く演奏技術。「カンタータ 人間の顔」、「鉄道組曲」と、この合唱団だからこそ演奏しきれるといった感じが。「鉄道組曲」は委嘱作品で勿論初演。作曲家・信長貴富、巧まざるというよりも巧んで巧んで仕掛ける作曲家なのではないか。意外の次に来るのはまた意外。1~5曲までの総体的な透徹した連関というか、凡人筆者はこの曲をこの時間帯でただ一度聴いただけでは、それを見とおせずに戸惑っている。よく聴いてみなければならないというべきなのだろうが、よく聴いた先がどうであるのか。
 山田和樹が「今回は自然があり、人が生まれ、音楽が生まれた」といったストーリー性を持たせた選曲と。やはり委嘱初演が真骨頂、東混の技量の高さを語っている。
「コンダリラ」がいちばん自然に近く自然と人とのかかわりの親密さ、民俗色もあるという点でわかりやすかった。ジャングルに忍び入る陽光の明滅と感じられた旋律が印象的。「人間の顔」はプーランクがナチス占領下のパリで作曲した。ポール・エリュアール、ダダイズムとシュールレアリズムの具現、型破り、既存の破壊。凡人筆者からすれば精神分裂的。「人間の顔」、ここでは高橋秀雄・訳。メモりかねたのでちょっと別訳を一部個人的な参考のために

VIII. 自由
学習ノートに/机に 木々に/砂に 雪に/ぼくは書きつける
読み終えたページに/真っ白な紙に/石 血 紙 又は灰に/ぼくは書きつける
黄金の像に/兵士の武器に/王冠に/ぼくは書きつける
ジャングルに/砂漠に/巣に 藪に/子供の頃のこだまに/ぼくは書きつける
すてきな夜に/白いパンに/婚約した季節に/ぼくは書きつける
青いぼろきれに/沼に カビの生えた太陽に/湖に 明るい月に/ぼくは書きつける
野原に 地平線に/鳥の翼に/風車の影に/ぼくは書きつける
オーロラのきらめきに/海に 船に/悠々たる山に/ぼくは書きつける
あわのような雲に/嵐のような汗に/霏霏たる雨に/ぼくは書きつける
きらめく形に/色鮮やかな時計に/物質の真実に/ぼくは書きつける
上り坂に/広い道に/はみ出た場所に/ぼくは書きつける
燃えるランプに/消えたランプに/建て直した家に/ぼくは書きつける
鏡の中の 部屋の中の/おいしそうな果物に/ベッドに 貝殻に/ぼくは書きつける
食いしん坊のかわいい犬に/ピンとたった犬の耳に/不器用そうな犬の足に/ぼくは書きつける
玄関のステップに/見慣れたオブジェに/聖火の列に/ぼくは書きつける
調和した肉体に/友達の額に/差し出された手に/ぼくは書きつける
驚きのガラスに/きりりと黙って/引き締まった唇に/ぼくは書きつける
廃墟の隠れ家に/崩れた灯台に/倦怠の壁に/ぼくは書きつける
欲望の不在に/裸の孤独に/葬式の行進に/ぼくは書きつける
回復した健康に/なくなった危険に/過去のない希望にぼくは書きつける
言葉の力を借りて/ぼくは人生をやり直す/その言葉がぼくを勇気付ける/それは自由という言葉だ

あとでよく読んでみなければならないが、何れエリュアールも今回は東混の演奏のすばらしさの証明に貢献してくれた。

 

🎧名曲アルバム。「バレエ音楽マ・メール・ロアから妖精の園」(管弦楽)東京フィルハーモニー交響楽団,(指揮)北原幸男 ~パリ・フランス~
当初はピアノの連弾用として書かれたらしい。

⛳7時1分更新を書き忘れ、8時4分に書き入れ。

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