20/4/16クラシック倶楽部を聴く
🎵けさは4時きっかりに、すっきりと起きだし、5時にはスイッチオン。ギル・シャハム&江口玲。このふたりの会話が実に互いを輝かせるというリップサービスなしの爽やかさ。まことの友人とはこんなものであろうと思わせられる。断片とはなるが、ギル・シャハムが「バッハを弾くのは怖い」というこれが意外だった。長い間バッハを弾かなかったらしい。そこに江口が「シャハムはバッハのすべてを引き出してくれる」と。シャハムいう「玲のような共犯者と悪だくみ」しながら30年の共演であると。音楽の悪だくみ、信頼ある愉快なことばだ。すでに完成かと聴いたギル・シャハムがいう「バイオリンはスマートホンのようなもの。使いこなせない。少しずつこのマシンのすばらしさを発見しつつあるところ」。この関係は確かに演奏に反映されており、互いが互いの個性を引き出し互いが存分に自らの演奏を充実させ次の可能性を期待させてくれていた。
クライスラーの「プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ」に、精緻な音の輝きが。バッハの「無伴奏バイオリンパルティータ第3番」、これはすばらしかった。どんなふうに、とにかく風通しがいい。たとえは適切かどうか自信はないけれども、超能力を備えたハウスキーパーが、へやにあるものを次つぎに、一点の曇りもなく見る見る間に磨き上げていく。床、ガラス、天井、照明、ドアノブ、手すり、スイッチ、壺、日常に使う食器の数々。つまりこのへやが筆者の内面なのだが。マイナスの感情を痛みもなく切り落として、すっきりとそのもの本来のありようを取り戻してくれるのだ。ギル・シャハムもいっている「バッハがいてよかった」と。ロンドン風ガボットではもう喜びが満ち溢れている。玲が言ったとおり「シャハムの演奏は、目の覚めるようなクレイトーン、天国にいるような響き」であり、バッハは、シャハムが言うとおり、彼に言わせれば演奏した後はということなのだろうが、聴いたあとには「良い人になった」かの思いにさせてくれるのだ。
フランクの「バイオリン・ソナタ」。フランクは人生の大半を教会のオルガン奏者として過ごしたようだ。この曲はフランク64歳の作曲。フランクの人生のドラマ展開をシャハムの小気味よい見事な演奏展開で聴かせてくれた。収録は2018年6月24日 紀尾井ホール。湧き上がるブラボー。でしょう、そうでしょうとも。音楽的にだけでなく、シャハムの人柄からもつたわってくる冴えと人間味を兼ね合わせたすばらしい演奏だった。
🎧名曲アルバム「クロイツェル・ソナタ」ベートーベン作曲
バイオリン小林美恵、ピアノ清水和音
🎵トルストイを衝き動かしたクロイツェル。悩み深く扇情的なところもあるクロイツェル・ソナタだが、トルストイは禁欲的な愛を勧めているというが。重たい荷を引きずる精神的な苦悩も感じられるクロイツェル。小林のバイオリン、清水のピアノの相乗効果。
⛳一次更新7時10分。二次更新9時13分
音楽とは関係ないが、けさのウルトラ重機、42メートルの大型トレーラーに掘削用巨大ドリル。これら大型重機は、実は自然破壊の“大立者”であるという側面も。現地に入っての撮影、どんなものだろうか。とにかくすごい!
けさ、この住まいには太陽が二つ昇った。向かいにある10数階建てのビルの左横からが一つ、その奥にほぼ重なる近距離にある右隣のビルの窓ガラスが映し出した太陽、これが眩さで建物の外観が消えているために、事実その建物の地点に太陽が昇ったように見えるのだが、これが一つ。けさは二つの太陽が同等に強烈な光を放ってこの室を照らし出してくれた。
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