20/3/31クラシック倶楽部を聴く
キャロリン・サンプソン ソプラノ・リサイタル「花に寄せて」
銀座・王子ホールで収録
🎵聞き間違いでなければ、たしかこれは2017年の収録。何回か聴いているが、それでも新たな発見がある。クラシック倶楽部のページがリニューアル、かなり簡素化され、伴奏者や曲名は書かれていないが、きれいな画面に奏者の写真とわずかな紹介で惹きつける。
今回のピアノ伴奏はジョセフ・ミドルトン。
ありとあらゆる花のオンパレード。リヒャルト・シュトラウス作曲の歌曲集「乙女の花」けしの花ときづたが対照的な詞の内容で、対照的に歌われる。「赤い血かよう健やかさ」、ほかを押しのけ己を強く輝かせるけしに対するは「他のいのちに愛を与えつつひっそりと咲いている」きづたなのだが。いずれこの花のシリーズ、シューベルトの「花言葉」「森で」、シューマンの「献身の花」、これはすこし趣が変わっていて、「僕は庭に咲く花」という歌詞。多くは乙女に、女性にたとえられる花なのだが、花にたとえられる男性の登場なのだ。「僕は庭に咲く花、君がどんなふうに僕のところに来るかを待っている」というのだ。シューマンの「まつゆき草」では「雪の鈴が鳴る」というフレーズに心魅かれた。広瀬大介さんの訳。プーランクの「花」。「余談から一歩抜け出した花」友達段階から恋人段階へなのか。ユゴー作詞、フォーレ作曲の「ちょうと花」、これは成立した男女を花にたとえ、片方の花はさらに花を求めてとび、片方の花は地に涙する。ドビュッシーの「花」は、傷つける花。アイリスは相応しいらしい。「日差しよ性悪の花々の味方よ」「苦痛の狭間の緑へと流れ落ちていく」といった怨念とも受け取れるフレーズ。「去年咲いていたリラの花は」、これはプラーンジェ。「ありったけの花」これはロスタ詞、シャブリエ曲。ありったけ、ヤグルマギク、ヒルガオ、リラ、バラ、シクラメン、ジャスミン、エニシダ、よくぞエニシダを入れてくれたもの、アイリス、スズランもまだ2,3あった気がするが。出るも出たりこれだけの花をありとあらゆる愛の機微にたとえ託して精緻にていねいに歌い分け楽しませてくれたキャロリン・サンプソンのソプラノ。アンコールは北原白秋、山田耕筰の「からたちの花」を日本語で。改めて何と清楚で花そのものを生かし愛でて詩にのこしてくれた白秋という詩人が思われた。2曲目のアンコールは「野ばら」。いうまでもなくゲーテ&シューベルト。いつかここに出て来た「ありったけを」の庭を歩きながらこの歌曲を聴いてみたいもの。
🎧名曲アルバム「クロイツェル・ソナタ」ベートーベン作曲
(バイオリン)小林美恵,(ピアノ)清水和音 ~オーストリア・ウィーン~
🎵小林さん、清水さんのクロイツェルよかった! それでも名曲アルバムの購入は10年後かな。買ってしまうとたぶん今のようにすこしでも学ぼうという意欲は減退するだろうから。
⛳3月もとうとう聴いてしまったクラシック倶楽部。この時間を聖書研究か創作に打ち込んだ方がいいのではないかと逡巡しつつ、5時からはクラシック倶楽部になっている。さて来月はどうしたものか。
コロナで明けコロナで終わりそうな3月。新型コロナ以外のコロナには何がある? などとほとんどどうでもよいことをググってみたところ、延々と延々と新型コロナばかりが。ちょっと抜け出して、新聞にちょっと出ていたコロナストーブ。太陽のコロナ。あとは、あとは思い浮かばず。6時55分更新。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- 室内合唱団「日唱」の第40回定期演奏会があります。指揮は中館伸一氏。題して「受け継がれる魂~祖父・中館耕蔵の足跡をたどって~」(2025.04.15)
- 音楽雑感 これそれ あれこれ(2025.03.25)
- クラシック倶楽部あれこれ(2025.03.01)
- 新ダヴィット同盟(2025.02.12)
- クラシック エラール メモ(2025.02.05)
コメント