2019/11/5クラシック倶楽部を聴く
アレクセイ・リュビモフ ピアノ・リサイタル
2019年9月29日 すみだトリフォニーホール 小ホール
アレクセイ・リュビモフは1944年旧ソビエト連邦出身。10代から数々のコンクールで優勝し、その後現代音楽の演奏に力を入れ、シェーンベルクやブレーズの作品のソビエト初演を次つぎに行って注目をされた。30歳ごろからピアノだけでなくチャンバロやフォルテピアノといった古楽器の演奏にも取り組み、今では国を代表する古楽器奏者としても活躍しています。2018年には「第1回ピリオド楽器のためのショパン国際コンクール」の審査員も務めた。ピアノ、フォルテピアノ、チャンバロを弾きこなし、バロックから現代音楽まで幅広いレパートリーで活躍。モーツァルトはリュビモフにとって大切な作曲家であり、フォルテピアノの演奏でピアノ・ソナタ全曲録音を行っている。今回のコンサートではモダンピアノでモーツァルトの作品を熱演。
アレクセイ・リュビモフのコメント
多くの人はモーツァルトの音楽を語るとき、まず音楽の様式を理解することから入ろうとします。かつて私も古い音楽において大切なことは、様式を理解することだと思っていました。今私の考え方は少し広がりました。私にとって大切なことは様式ではなく、モーツァルトという人そのもの。様式においては同じ時代のほかの作曲家も同様でしたから。だからモーツァルトの人物像をひもとくことこそおもしろいアイデアであり、すばらしい課題だと思うようになりました。そして彼という人間の多彩性や多面性を演奏で表現することが一番大切だと思うようになったのです。モーツァルトの内面的な部分は、さまざまな文献や研究書で明らかになってきています。私はそうした資料を読むのがとても好きです。音楽を理解する助けになります。モーツァルトはとても複雑な人でした。どの小節にも彼の人間性が顕著に表れています。私にとって大切なことは、彼の音楽から彼自身を見つけ出すことなのです。
曲目 オールモーツァルト
☆「幻想曲 ニ短調 K.397」
☆「ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545」
☆「幻想曲 ハ短調 K.396」
☆「ピアノ・ソナタ ハ短調 K.457」
🎵演奏するさまはいうまでもなく、ハンマーの落ちるさま、黒鍵の並ぶハイライト、白鍵に動く動く指の影までに注意力を喚起させるすばらしい演奏。どこもかしこも聴き逃せない、見逃せない。どの音もが聴く者の感性に落ち、矛盾するようだが、繊細さややさしさが突き刺さるまでに繊細であるところに魅入られる。モーツァルトの内側に近づけた気が。
🎧名曲アルバム
「谷茶前(たんちゃめ)」沖縄民謡、丸山和範・編曲
【指揮】渡邊一正,【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
⛳とりあえず7時ジャスト更新
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