2019/9/17クラシック倶楽部を聴く
ミシェル・ダルベルト ピアノ・リサイタル
2018年11月1日 浜離宮朝日ホール
ミシェル・ダルベルト
1955年パリ生まれ。12歳からパリ国立高等音楽院でアルフレッド・コルトーの愛弟子であるブラド・ペルルミテールにピアノを学ぶ。1975年クララ・ハスキルピアノ・コンクール優勝。1978年リーズ国際ピアノ・コンクール優勝。シューベルトのピアノ・ソナタ全集のほか、数々の名録音を残す。力強いタッチから、深く輝くような音色を奏で、現代を代表する巨匠として世界中から賞賛を集める。
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今回のリサイタルのテーマについて
このリサイタルはフランクとドビュッシーを軸に構成しています。西洋音楽史はドビュッシー以前と以降に分けられると言っても過言ではありません。ドビュッシーは作曲の初期から、それまでと全く異なる音楽を目指したのです。一方のフランクの視線は、過去の時代へ向いています。バッハやそれ以前にまでさかのぼる音楽です。当時のフランスではフランクを父とあがめ、古い音楽を解雇する作曲家たちがいて、一方ではドビュッシーを新時代の旗手にすえた急進的で未来志向の作曲家がいました。こうした19世紀後半から20世紀前半にかけてのフランスの音楽の潮流を紹介したかったのです。
ドビュッシーの作品について
ドビュッシーは昔から演奏していますが、集中的に弾いてはいませんでした。それが15年ほど前から頻繁に取り上げるようになりました。ドビュッシーの楽譜を見ていると、ある「言葉」が繰り返し記されていることに気づきます。柔軟性を求める「ルバート」で、どの作品にも共通して求められる表現です。学生にはよく「ドビュッシートラヴェルを同じように弾かないで」と注意しています。柔軟な「ルバート」を求めるのがドビュッシーの音楽で、ラヴェルはメトロノームのような厳格な拍を求める作曲家です。ドビュッシーを弾くうえで大切なのは響きに対する豊かな想像力です。ドビュッシーは「空想」で曲を書く作曲家だからです。彼の作品には題名を持つものが多いですが、どれも漠然としたものばかりです。あくまでイメージにすぎず、異なるアイデアで弾いてもいい「ご自由に」という感じです。ですからドビュッシーを弾くときは想像力を膨らませることです。
楽曲
☆「前奏曲、コラールとフーガ」フランク:作曲
フランクは技巧派のピアニストとしてキャリアをスタートし、20代後半からは教会のオルガン奏者を長く務めた。作品を通してフーガの主題が循環し、終結部では曲を構成するテーマが同時に鳴らされ荘厳な響きをつくる。
☆「「ベルガマスク組曲」から 月の光」ドビュッシー:作曲
「ベルガマスク組曲」はドビュッシーが28歳となる1890年頃に着手され1905年に出版された。「月の光」はこの組曲の第3曲にあたり、単独で演奏される機会も多い。この作品でドビュッシーは、きらめく月光のイメージを甘美な旋律と色彩豊かな和声で見事に描き出している。
☆「こどもの領分」ドビュッシー:作曲
この作品はドビュッシーが46歳になる1908年に完成し、当時まだ3歳だった愛娘エマに捧げられた。大人の視点でとらえた子どもの世界をドビュッシーは愛情深くユーモアを交えて描いている。
☆「前奏曲 嬰ハ短調 作品45 (アンコール)」ショパン:作曲
🎵きのうのラフマニノフ1番、捉えどころが…と書いたのだが、そのあとレコーダーに録り置いたものを聴き返したところ、随所にこれぞラフマニノフが現れており、どうやら自分の耳の方に問題が。その時々によって聴く態勢がどうあるかにもよると。
きょうのダルベルト、これも以前聴いたもの。価ある映像の一つであると。ドビュッシーの繊細で微妙な表現、同じ指でもこのように奏することができる不思議。この「月の光」はいまにも壊れそうな薄いガラスに色彩が流れ浮かびあらわれしているのだが、永遠に朽ちないだろう確かさが。
🎧名曲アルバム
「未完成交響曲」シューベルト
【管弦楽】NHK交響楽団,【指揮】飯守泰次郎
シューベルトの死後40年経って発見された「未完成交響曲」の楽譜。
⛳きょうは見終えて、先ずは6時に朝食を摂り、6時40分ごろから筆記。これで朝食を出さねばという拘束感に追われずに済む。写真がうまくいかないままアップ。8時4分更新
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