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2019/9/13クラシック倶楽部を聴く

アンドレアス・シュタイアー チェンバロ・リサイタル
(チェンバロ)アンドレアス・シュタイアー
2018
1220日いずみホール(大阪市)で収録

 

アンドレアス・シュタイアー
1955
年ドイツ生まれ。フォルテピアノとチェンバロのスペシャリストとして世界的に活躍。

今回のプログラムはバッハの平均律クラヴィーア曲集を軸にバッハに影響を与えた多彩な作曲家を織り交ぜて構成されている。最初はバッハよりも100年以上前に生まれたジョンブル。次にオランダの作曲家スウェーリンク。半音階で下降していく主題がバッハのイ短調の前奏曲に共通している。次はバッハより17歳年上のフランソワ・クープラン。フランスで一時代を築いた彼の作品からバッハは華やかな装飾音の技法を学ぶ。続いてドイツの作曲家フローベルガー。ヨーロッパ各地の様式を融合させ、バロック音楽の礎を築く。自らの死を予感して作られた瞑想曲には、印象的な半音階の音型が使われている。

楽曲
☆「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ」ジョン・ブル:作曲
☆「半音階的幻想曲 SwWV258」スウェーリンク:作曲
☆「平均律クラヴィーア曲集 第2巻から第20番 イ短調 BWV889」バッハ:作曲
☆「クラヴサン曲集 第2巻 第8組曲から「ラファエル」」クープラン:作曲
☆「クラヴサン曲集 第2巻 第8組曲から「ガヴォット」」クープラン:作曲
☆「平均律クラヴィーア曲集 第2巻から第13番 嬰ヘ長調 BWV882」バッハ:作曲
☆「トッカータ 第2番 ニ短調 FbWV102」フローベルガー:作曲
☆「組曲 第20 FbWV611aから「瞑想~来るべき我が死を思って~」」フローベルガー:作曲
☆「平均律クラヴィーア曲集 第1巻から第24番 ロ短調 BWV869」バッハ:作曲

🎵ここのところ、すばらしい演奏続き、きのうも何も書かなかったけれども、心の滋養が詰まっている感じだった。きょうはまた音楽学者の演奏を聴いたという感じが。この短時間で書き表せるものでもないし、少なくともあと45回は聴いてみなければわからないという気も。そのうち再放送、再々放送もあるだろう。バッハ以前の作曲家が、バッハにどのような影響を与えたかを解説を交えての演奏だ。特に興味深かったのは、フランスのクープランがバッハに与えた点。バッハの嬰へ長調にはクープランと同じ付点のリズムが出てくる、またフーガにはクープランのガヴォットの典型的なリズムが出てくるといったあたり。バッハの旋律の華やかさはこんなところにあったのかと。またドイツのフローベルガーはバロック様式組曲を完成させた作曲家のようだが、フローベルガーの半音階の音型にあらわされる苦しみ悲哀がバッハのきょうの最後の曲第24番ロ短調にあらわれ、これは平均律クラヴィーア曲集 第1巻の極めつけであるということだ。バッハの作曲に結果的に貢献したといえる先達を知ることができた。

 

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