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2019/7/12クラシック倶楽部を聴く 「火の鳥」世界初演 録画

シプリアン・カツァリス&広瀬悦子 ピアノ・デュオリサイタル
かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

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2人は、拠点としているパリで出会う。広瀬の演奏に感銘を受けたカツァリスの呼びかけでレコーディングが実現。今回は初めてのデュオリサイタルで2台ピアノ編曲版「火の鳥」の世界初演。
かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

シプリアン・カツァリス
1951年フランス、マルセーユ生まれ。40年にわたり世界の第一線で活躍。作曲・編曲も行う。ベートーベン/リストの交響曲全曲録音を行い高い評価を受ける。
コメント
きょう121日は私たち2人の初めてのコンサートです。そして2台ピアノ編曲版「火の鳥」の記念すべき世界初演の日でもあります。オーケストラでフルートやバイオリンが奏でる美しい旋律が、ピアノによって違った音色になります。いうなればクリスタルな音色です。オーケストラでは聴けません。ピアノ版とオーケストラ版と2つの着想があったのかもしれません。今回のピアノ版は、ストラヴィンスキーの意図をすべて汲みとっていると信じています。
私が初めてベートーベンの田園をピアノ編曲版で弾いたとき、ある評論家が私に言いました。「この交響曲のことをより深く学べた」と。編曲版は交響曲をより深く分析して作られているからです。そして私が編曲版をより深く愛するもうひとつの理由は私自身のピアノ演奏を成長させてくれることです。音の表現や強弱を捉える感覚が充実し、ピアノ曲を弾くときでさえ作品をより魅力的に感じます。たとえばショパンのバラードの旋律も、弦楽器のボーイングをイメージします。時にはクラリネットや人の声もイメージします。編曲版は音楽を理解するのにとても充実した方法なのです。


広瀬悦子
名古屋出身のピアニスト。ミュンヘン国際音楽コンクール優勝。マルタ・アルゲリッチ国際ピアノコンクール優勝。世界各国でリサイタルを開催。数々の音楽祭にも出演している。

コメント
この
ストラヴィンスキーの場合は、ほんとうにピアニスティックな魅力に溢れていて、打楽器的な要素だったり、そういうものが多いので、新たな側面というか、新たな光を当てて皆さんに新しい魅力を提示できるんじゃないかなと思って、ピアニスティックな華やかなアレンジなのでそういう点でも聴きごたえのある作品だと思います。

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☆「バレエ組曲火の鳥」ストラヴィンスキー:作曲、アキレス・ワストル:編曲
ストラヴィンスキーが作曲した最初のバレエ音楽。今回はギリシャ出身のピアニスト・作曲家であるワストルによる2台ピアノ編曲版
☆「交響曲 第9番 ニ短調 作品125 から 第4楽章」ベートーベン:作曲、リスト:編曲
リストはベートーベンの交響曲全曲をピアノ独奏版に編曲。その中で第9番のみ2台ピアノ版も残している。
☆「スラブ舞曲 ホ短調 作品722」ドボルザーク:作曲
当時無名だったドボルザークが、ブラームスの勧めで作曲。管弦楽曲としても親しまれているが、元はピアノ連弾用の作品。

🎵YAMAHAピアノ2台での演奏。2台で撮った映像の編集で20本の運指を間近にできるおもしろさ。交響曲のピアノ版は、特に声部に埋めきれないものがあり、それが空白として残ってしまうのだが、カツァリスのコメントを参考に、ピアニストの声や弦のイメージ化に発想を転換させて聴くとまた確かに新たな発見が。あの分厚いスコアから、ピアノ譜にのこす音符を拾い上げつかみ取り、鍵盤で玩味する労力、仕事の大きさに思いが至った。

 

🎧
名曲アルバム。「ハワイアン・ウェディング・ソング」C.E.キング作曲
【演奏】Lagoon

 

 

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