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2019/6/10クラシック倶楽部を聴く

ジェームズ・エーネス バイオリンの世界
(ピアノ)江口玲
2017215日、16 NHK CT102スタジオ~

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エーネスのコメント
「悪魔のトリル」については、
若い時に初めて習ってから、その後何年も楽しんで演奏しています。聴衆に語り掛けるような曲でピュアな音色のコンビネーションがあったり、バイオリンの高度な技術もあったり、全てを兼ね備えた曲です。バイオリンの作品に求めるすべてがあります。美しさ、ワクワク感、そしてすばらしいカデンツァも。「悪魔のトリル」には当時なかった特別な技術革新があります。私が弾きなれている版はクライスラーが作ったカデンツァで構成されています。これはバイオリニストへの要求をさらに次のレベルへと推し進めているものです。
24のカプリース」について、
パガニーニはすばらしい曲をたくさん手掛けていて、バイオリンに限らず音楽全般にとって貴重な人物だと思います。パガニーニの作品の中で一つ選べと言われたら、この「24のカプリース」を選びます。うっとりさせるようなメロディーが多くの作曲家にインスピレーションを与えました。とてもシンプルなメロディーで、誰にでも書けるような気がしてしまうのです。そのため人の耳になじみやすいのでしょう。変奏もシンプル以外の何物でもないですよね。驚くべきことは約200年前の曲が、常にバイオリンの超絶技巧の最先端にいることです。パガニーニがバイオリンの限界を広げたんです、それまでの誰よりも。この曲は人前で演奏されることを前提に書いています。パガニーニ自身、偉大な演奏家であり、ショーマンですから、劇場の要素が含まれています。16小節のシンプルなテーマがあらゆる技巧で演奏される。第24番はその中でも超絶技巧を極めた曲で、視覚的にも演奏効果が高い。リスト、ブラームス、ラフマニノフなどが、この曲に触発されて作品を書き残している。

「バイオリンとピアノのためのラプソディ 第1番」について、
バルトークは好きな作曲家の一人で、これまで何回も弾いてきました。彼の作品はどれも素晴らしくバイオリンに寄り添って書かれているんです。演奏するのは難しいのですが、バイオリンの仕組みに深い理解がある作曲家で、友人のバイオリニストと一緒にうまく演奏できるのかを考えながら作曲し、バイオリンの限界を広げていきました。その方法は大いに違いますがパガニーニと共通点がありますね。2人と楽器の可能性をある限界まで推し進めたんです。バルトークを初めて練習すると、混乱させられるんですよね。これまでやったことがない事が書かれているのですが、そういう違いがあるからこそ、バルトークの曲は他とは違って聴こえますし、バイオリンの作品を残した作曲家として彼の名声は唯一無二で特別なのです。

 

☆「無伴奏バイオリン・パルティータ 第3番」バッハ:作曲
☆「バイオリン・ソナタ ト短調 「悪魔のトリル」」タルティーニ:作曲、クライスラー:編曲

 バロック時代のイタリア人作曲家タルティーニがのこした3楽章から成るソナタ。彼の夢の中に出て来た悪魔が弾いたバイオリンのメロディーに魅せられ、すぐに書きとってこの曲が生まれたことから「悪魔のトリル」と呼ばれるようになった。

☆「24のカプリースから 第24番」パガニーニ:作曲
☆「バイオリンとピアノのためのラプソディ 第1番」バルトーク:作曲
 バイオリンの名手でバルトークと親交の深かったシゲティに捧げた曲。

🎵
 

バッハについてのコメントを書き落したけれども、エーネスは「パルティータ」は、弾いた後、デザートを満喫したような気持ちになると言っている。

 「パルティータ」、音のどこをとっても翳りというものがなく、光の遊びと聴こえる。明るい。「悪魔のトリル」、飄々と。たくらみといったところが無いのは意外。「バイオリンとピアノのためのラプソディ 第1番」、粗雑とも聴こえるところを気をつけて聴くと意匠があり、これを巧みに楽曲と成しているところに凄さを。
 出だしの数小節を聴いただけで、何かをしながら聴くことを許さない演奏というものがあるが、エーネスもそんな一人。徹頭徹尾聴き耳を立てさせる。
 翳りのない曲を演奏する演奏家の足元に延びる奏者の濃い影、薄い影の妙。スタジオ録音が捕らえた音の美しさ。

🎧
 

名曲アルバム。歌劇「セミラーミデ 序曲」ロッシーニ作曲
【管弦楽】東京フィルハーモニー管弦楽団,【指揮】飯森範親

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⛳解説、写真はすべて番組より  7時20分 更新のための更新

 

 ロッシーニ、たったの5分間の映像から、この作曲家に関しては、楽譜よりも料理レシピを求めた方がいいのかな。フォアグラをのせたビーフステーキは彼のお気に入り。
 ロッシーニの夢はほんとうは肉屋になること。一応マルティーニ音楽院で音楽を学びはするのだけれども。オペラまで作曲しながら、彼にとってもっとも大切なのは美食だった。自ら次つぎに新しい料理を生み出す。後の料理界に多大な影響を及ぼしている。ボローニャで料理に専念するために作曲家を止めたというのはほんとうだろうか。

 

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