2019/4/18クラシック倶楽部を聴く
エドガー・モローのチェロ&ピエール・イヴ・オディクのピアノ
2017年6月1日 王子ホール
☆「エレジー 作品24」、フォーレ:作曲
☆「チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 作品38」、ブラームス:作曲
☆「歌劇「サムソンとデリラ」から「あなたの声に心は開く」」、サン・サーンス:作曲
☆「モーゼ幻想曲」、パガニーニ:作曲
☆「チャールダーシュ」、モンティ:作曲
エドガー・モロー
1994年パリ生まれ。4歳でチェロを、6歳でピアノを始める。2011年国際チャイコフスキー・コンクール第2位、14年ヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディション第1位。世界各地の音楽祭に招かれている。使用楽器は1711年ダヴィッド・テヒラー製チェロ。テヒラーの父が、投資のために購入したもの。
モローが語るピエール・イヴ・オディク
チェロのレパートリーを熟知しているだけでなく、一緒に弾いている人物に耳を傾け、そのフィーリングをつかむことができる。それはピアニストとして何よりも賞賛すべき資質
(以上はエドガー・モロー 一問一答から)
🎵エドガーが骨董屋で少女が弾いていたチェロに一目惚れしたというが、骨董的価値を認めた父親がちゃんと買い取っておいた、それを貸してもらっていたが、今はエドガーが買い取り自分のものになっているのだという。チェロが人の声に近いというのは聞いたことがあるが、肉体的、官能的で引き寄せて弾いている時に、肉体と融合する感覚があるとエドガーはいう。自分の体の一部となるまでに楽器を弾きこむという意味とはまた違っているように思った。
「チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 作品38」、第一楽章、こもる感情の揺らめき。第二楽章、部屋には何人かいるようなのだが、屈託のない日常会話。第三楽章、さてさて本題と、思い思いの想い考えを本音をちょっと垣間見せながら提示しあっている、そんな感じで聴いた。「あなたの声に心は開く」、官能的アリアとされているが、音符が弦を潜ると、人間の濁り、あくどさはかなり濾過されてしまうので、またそれでいいのだと思うけれども、デリラの狡猾さが今一つ聴こえてこない。「モーゼ幻想曲」、これがパガニーニの作曲。チェロの最高音の一弦の音がやはり印象的、パガニーニならではという感じが。ナイルから引き出されたモーセ、エジプトの王子として育てられ、やがて自分が、この国で奴隷と虐げられている民族の血筋であることを知り、宮殿を出て荒野を彷徨い、やがてイスラエル民族の偉大な指導者となるモーセの成り行きが浮かんだが。この曲では、モーセが自分の運命と使命に覚醒させられる、そんな旋律かとも思われた。「チャールダーシュ」、要所要所で感情をギュッと凝縮させた部分があり、よく聴く曲ではあるけれども、新しい解釈があったなと。
🎧
名曲アルバム。「シャコンヌ」バッハ作曲
【バイオリン】堀米ゆず子
堀米氏は、彼女がまだ桐朋で学んでいた時代に、岩手県宮古市にある宮古ジュニア弦楽合奏団に来てくれたことがある。注意力が喚起されたことと、映像のすばらしさは確かに関係はあるが、そればかりではなく、今朝流れたシャコンヌは典雅な重量感ある憂いに満ちていた。
シャコンヌはケーテンで作曲されているが、バッハはここで領主レオポルドの庇護のもと、最も充実した時を過ごしたようだ。ケーテンは、バッハが最も輝いたまちであるという。
⛳6時50分 更新
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