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クラシック倶楽部を聴いて

反田恭平( Kyohei Sorita)オール・ショパン・プログラム▽情熱的な演奏で注目を集める若手ピアニストによるスペシャルコンサート▽ポーランドが生んだ天才ショパンの傑作を演奏
~2019年1月30日 CHABOHIBA HALL(東京都立川市)~ー番組HPから-

 

1994年生まれ。2012年、日本音楽コンクール第1位(男性では史上最年少)2014年 - モスクワ音楽院に首席(日本人初の最高得点)で入学。2015年「チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノ協奏曲コンクール」古典派部門で優勝。2017年出光音楽賞受賞。CDショップ大賞「クラシック賞」受賞。現在はショパン音楽大学(旧ワルシャワ音楽院)に在学。


 

☆「アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 作品22」
☆「マズルカ ハ短調 作品56 第3」

☆「ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58」


 反田氏いうに「どう弾くのが正しいのか、正解を知りたくてポーランドに留学。徐々に自分のものになってきたが、とりあえず、ことしのツァーでそれをお届けしたい」と。氏の話しによれば、ショパンが使用しないでしまった作曲上のアイデアがさまざまのこっているとのことだ。ピアノだけを弾いているのではなく、作曲家の研究にも余念がないらしい。
 「マズルカ」の、ルバートについては、揺らしてゆらしてなじませていく。大木は動かず、その葉だけがさわさわと、か、ざわざわとか、揺れ動くのがルバートであるといい、
 「マズルカ」はファンタジーに近い聴きがいのある難しい作品。「ピアノ・ソナタ第3番」、34歳で作曲。古典的な手法による大規模な作品で、巧みな楽曲が組み合わされている。バッハの対位法を忠実に表現。色々なパッセージが組み込まれている。終楽章で3回目の主題には、あー、来た来たと、ざわーとするのだという。

 「ピアノ・ソナタ第3番」、ショパンを聴くとき、いつも水の3態、水の流れが浮かぶのだが、この4楽章では尽くされた楽曲が、これもか、これでもかと立ち現れ迫ってき、それがマッスとなって、人生の集約をドラマティックに提示された思いがした。また第二楽章の終わりの二つの音が心の底に落ちて、今も鳴っている感じで、作曲者の魂のどこかに触れたかなという気がしないでもない。あれは諦念でもなく沈潜でもない、いまにわかるときもあるかと。

 今回は公開録音ではない。カメラワークが、ピアノの持つ今一つの“機能”、周りにあるさまざまなものを美しく映し出すという可能性を最大限に追ってくれた。特に、持ち上げられた天板の角度の延長線の高さから捉えたピアノの内部構造、高橋アキ氏がいっておられたピアノは弦であるさまが、琴線さざめくごとくにとらえられていた。観客席にあるときには、視覚の範囲は一定しており、決して味わうことのない断面を、この映像では豊かに提供してくれた。ファツィオリと、それを縦横に弾きこなす演奏家と、カメラワークが作り出す詩の世界、これで三月初日もすばらしいスタートとなった。

 


 


 

名曲アルバム。「歌劇“タンホイザー”序曲」ワーグナー作曲。【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団,【指揮】飯守泰次郎

自己犠牲が魂を救う愛


7時1分 更新

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