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クラシック倶楽部ーロシア・ピアニズム-

けさのクラシック倶楽部は、

原田英代 ピアノ・リサイタル。2017年3月3日 ハクジュホール
ロシアの重鎮メルジャーノフに師事。ジュネーブ国際コンクール最高位、シューベルト国際ピアノコンクール優勝。ドイツを拠点に欧州で演奏、審査員、教育で活躍。ロシア・ピアニズムの継承者。
 ロシア・ピアニズムといえば、セルゲイ・カスプロフの場合のように、楽器を豊かに鳴らし、ダイナミズムの幅が広く、レガートが美しく、歌心が息づいている、ということなのか。そんな期待でワクワクしながら聴く。

☆「幻想曲 ハ長調 作品15 「さすらい人」」、シューベルト作曲。どうも解説では、腕、上半身を用いる奏法をロシア・ピアニズムというのかなと。結局それが音量の豊かさ、力強さとなるものか。原田英代いうに、「人生はさすらい、目的地に着くまでどういう道をたどるかはわからない。シューベルトは、先ず喜びをもってさすらいを始めている」と。この曲はシューベルト25歳での作品。シューベルトの作品中の難曲であるらしい。随所に好奇心、これは旅する者の途上での好奇心が聞こえる。逡巡するような旋律も魅力。第4楽章では、地歩を固めながらの歩みを音で描出。人生の精華も添えられての終楽章と聴いた。☆「コレッリの主題による変奏曲 作品42」、ラフマニノフ作曲。この選曲について原田はいう、「自分は、自分が考えていることは毎日変わる。くだらないことを考えることもあるのを含めて毎秒変わるのだが、それが変奏。この醍醐味、変化を、何かが見えたときに、一つにまとめることが難しい」と。コッレリの「ラ・フォーリア」の旋律を用いての物悲しい主題を変化させていくのだが、ラフマニノフという作曲家に、かくも多くの旋律のバリエーションのインスピレーションをもたらす元曲の持つ力のすごさを想った。この曲は、ああもいえる、こうもいえるだろう、それが幾とおりにも繰り広げられるおもしろさ。それでも元曲もまた静かに光彩を放っている。何ともよい光景であるとも聴こえた。原田の豊穣、多彩な演奏にはキュン。☆「前奏曲 ト長調 作品32第5」、ラフマニノフ作曲。☆「「四季」から「六月 舟歌」」、チャイコフスキー作曲。
 それにしても、ピアノ奏者の手。女性であっても男性的であったり、男性でも女性的であったり……!?


        

「トロイメライ」シューマン作曲、栗山和樹・編曲。ピアノ仲道郁代、東京フィルハーモニー交響楽団、指揮は矢崎彦太郎

 トロイメライにはどんな映像が、これがいつも楽しみ。ザクセン州ツヴィッカウ、ロベルト・シューマン(1810~1856)生誕の地。文学好きの父の影響がある。20歳でライプツィヒへ。そしてピアノの神童クララ・ヴィークと恋に落ちる。「あなたって時々子どもみたいね」というクララのことばで、「子どもの情景」が生まれたとか。「子どもの情景」即ち「青春の情景」なのかもとは、なるほど。1840、シェーネフェルダー教会で二人は結婚、ドイツ・ロマン派象徴カップルの誕生であったとか。

                 6時52分  更新

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