クラシック倶楽部を聴いて
氷点下8度の朝。曙光はさしてくれるかくれないか、何れなりとも、きょうも頑張らなければならない。生きなければならない。死んだように生きるのではなく、一日を、生きているように生きたいものだ。
コントラルト(女声の最低音域)でもあり、指揮者でもあるナタリー・シュトゥッツマン。ナタリー・シュトゥッツマンが2009年に結成した室内オーケストラ、オルフェオ55の演奏。2018年5月15日紀尾井ホール。
指揮って、歌いながらできるものなの? するとシュトゥッツマン、歌うときには体を使うので、細かな指示はできない、本番前までにそれをしっかり徹底しておくのだ、と。「オルフェオ55」というネーミングについて、5は、シュトゥッツマンのラッキーナンバーだとか。変わった名をつけようとの意図から。「オルフェオ」、音楽で地獄の生き物を魅了するとかなんとか、聴き落しもあるかも。ちょっとびっくり。楽員はモダン、ピリオドの両楽器ができる者からの選抜。気になる古楽器が4つありましたが。演奏は時として情熱的。
コントラルト、数あるパートの中で一つの役割を果たすという思い込みを覆し、悲哀、苦悩、そして怨念までを立ち現れるようなリアルさで表現できるコントラルトに魅せられた。これには荒びる地獄の生き物も、くたっとおとなしく耳を傾けてしまうのでは。シュトゥッツマン、男性指揮者と見紛いそう。西本智実とはまた違ったカッコよさ。すばらしい女性でした。
歌曲の詞には日本人感覚とは異なるダイレクトさが。「高慢で、残忍で、理性を失った瞳よ、私を傷つけないで」、「周りに霊がいくつも見えて…体中を冷たい毒で満たす」、「愛の喜びはつかの間のものだが、愛の悲しみは一生続く」等など。
☆「協奏曲 第1番 ヘ短調から ポコ・アンダンテ」、ドゥランテ・作曲。☆「歌劇「ポンペオ」から 私を傷つけないで」、アレッサンドロ・スカルラッティ・作曲。☆「歌劇「ジュスティーノ」から この喜びをもって会おう」、ヴィヴァルディ・作曲。☆「歌劇「アルミード」から パッサカリア」、リュリ・作曲。☆「歌劇「救われたアンドロメダ」から 太陽はしばしば」、ヴィヴァルディ・作曲。☆「オラトリオ「敵の将軍ホロフェルネスに勝って帰るユーディット」から 気まぐれの風にもてあそばれ」、ヴィヴァルディ・作曲。☆「歌劇「みやびなインドの国々」から 未開人の踊り」、ラモー・作曲。☆「パッサカリア」、ファルコニエーリ・作曲。指鳴らし。床をたたくような音をどうやってだしているか。☆「踊れ、優しい乙女よ」、ドゥランテ・作曲。☆「愛の喜び」、マルティーニ・作曲。☆「歌劇「オリンピアーデ」から 私は苦しみながらも震えている」、ヴィヴァルディ・作曲。

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