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静寂を表すに

きょうは寿司屋で地域のランチ会があった。8枚の座布団が長テーブルを挟んで向かい合う。手前の左端に落ち着いてみると、ここには音がないと気づく。音楽がかかっていない。2階だから、冷蔵庫を開けたてしたり、魚を下したり、シャリを握る音もしない。暖房でぬくもりかけた一室に、客を待つ静けさだけが満ちている。これもいい。作曲家であったならどうだろう。静寂を作り出すに、それが短くて済むなら休符を使うだろうけれども、静寂に何らかの意味や色彩、思想、感情を表すとなれば、やはり音符を連ねることになるのでは。ほんとうの静寂を表すにはやはり音が要る、そんなことを思ううちに、靴音とおしゃべりが階段を登りはじめ、にこやかな顔、顔、顔が現われた。

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