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クラシック倶楽部を聴いてー最先端を走る作曲家ー

  世界の最先端をはしる作曲家のひとりが登場と予備知識を手に期待感をもってTVに、と思いきや、ふと窓外に目をやると、昨日に増して金星と木星がさやかに存在を輝かせている。もったいない、これも見なくちゃ、だけど藤倉も見なくちゃに揺れたが、星の方をしばし見上げてから、すこし遅れて、三味線の途中から、TVの前に。

オール作曲家・藤倉大作品。イギリスを拠点に国際的に活躍。ハクジュホールの開館15周年記念公演「藤倉大 個展」。この「藤倉大 個展」にはじめ違和感があったが、聴き終えて、なるほどこれは確かに個展だわ、と。一曲、一曲が新たに額に収まって目の前に立ち現れるという感じ。

 経歴は、WEBから
 藤倉大は1977年大阪生まれ。15歳で渡英し、エドウィン・ロックスバラ、ダリル・ランズウィック、ジョージ・ベンジャミンに師事、と書くも、筆者の知らない名前の羅列なのだ。現代の錚々たる教授陣なのだろう。数々の作曲賞を受賞。ザルツブルグ音楽祭、ルツェルン音楽祭、ときて、ああ、やっとわかる項目に。BBCプロムス、バンベルク響、シカゴ響、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、シモン・ボリバル響、アルディッティ弦楽四重奏団等から委嘱され、国際的な共同委嘱もますます増えている。……こんなにすごい日本人作曲家がいたらしい。そして、ここからは筆者も知った名前たち、ブーレーズ、エトヴェシュ、ノット、ドゥダメル、アルミンク、リープライヒ、井上道義、山田和樹ら指揮者たち、それがどうしたの? それが藤倉の作品を初演・演奏していたのだ! と、これ以上の輝かしさは省略。

 藤倉自らがいうに、教授という立場にあって、自宅で教授、生徒たちの方が自宅にやってきて教えていただくという形。それが、藤倉が作曲中であれば、いくら呼び鈴を押しても出て来てくれない。誰も文句は言わない。言ってはならないのだ。こういう在り方が許されている、それだけ才能が認められ厚い、いや篤いであったか、何れ、すごい曲をつくるであろう、それを邪魔してはならないと、何よりも創作を保護、保証されている存在なわけだ。


 

☆「NEO(音緒)~三味線のための~」、三味線・本條 秀慈郎。この段階ではそれほど斬新さは感じられなかった。三味線という楽器がある意味いかようにも斬新になり得るのをすでに聴いているせいかもしれない。☆「きいて~ソプラノのための~」、ソプラノ・小林 紗羅。小林の委嘱であるという。正統派をくつがえそうとグロテスクに仕上げたと藤倉。音楽から遠く動物的と感じられる最初のフレーズを、小林は忠実に表現。最後までこれが続くかと思ったところで、声楽らしく、というのは、藤木はそれさえも、常識を超えてと画策しているのだが、そのらしくに乗ったところで、ほっとした心境に落ち着いた。歌というよりは演出の妙に触れている感じが。☆「GO~ピアノと管楽のための~ から 第5楽章」、クラリネット・吉田 誠。ピアニスト小菅優の委嘱作品だ。幻想的な世界。ここでちょっと雑念が入り、余計なことが頭を過ったために、まともな視聴ができないでしまった。☆「ゆらゆら~ホルンと弦楽四重奏のための~」、ホルン・福川 伸陽、弦楽四重奏・カルテット・アマービレ。通常の奏法を一切使っていないという。まったく新たな別次元の響き。☆「Osm(オズム)~チェロのための~」、チェロ・新倉 瞳。閉塞感、先の見えない戸惑い、不安、手探りで迷路をたどり行くような。こう鳴らしてみようか、ああ鳴らしてみようかという作為が随所に鮮やか。時として露骨なまでにそれが感じられるのだが、それがすべて成功しているという感じ。☆「チャンス・モンスーン~ギターのための~」、ギター・村治 奏一。村治 奏一の委嘱。こまい音の連なり。宇宙のイメージを広げたのだとか。最後部分に宇宙空間の静けさが醸す雰囲気が見えたような。☆「はらはら~ホルンのための~」、ホルン・福川 伸陽。それこそハクジュホール15周年を記念して2018の作曲、真新しい曲。音楽的に新たな次元を発掘したという感じ。

 次はどんな曲? 次は? 次は? と聴く者に、何か独創的なことをやってくれる、聴かせてくれるだろうという期待感を絶えず持たせている藤倉。藤倉が藤倉の創造を優先的に生かす在り方が許されている理由がわかった。



 

“名曲”、「小さな星」マヌエル・ポンセ作曲、加羽沢美濃・編曲。チェロ・江口心一、ピアノ・加羽沢美濃。

アグアスカリエンテスという温泉の街。ポンセが音楽的に育ったサンディエゴ教会が映っていた。故郷に向かう夜行列車の中で作られた曲「小さな星」

   7時1分 更新

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