朝のひとときークラシック倶楽部ー
4時半ごろに、何台もの緊急車のサイレンが駆け抜けていったが、何処へ向かっているのかわからなくとも、近頃は、気持ちが一瞬沈んでしまう。さまざま祈りながらひと時を。して、いまはデニス・マツーエフのピアノ。ロシアのピアノの巨人弾くベートーベンだ。「とどろく爆音から、限りなく澄み渡る弱音まで変幻自在!」と解説にでていた。もう「ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 作品31第2」が流れている。演奏前にトークが入った。「作曲家が求めるものを弾く」「ロシアのピアニズムは歌うこと、ハンマーで打ち叩いて音をだすのだが、それでもうたうこと」「ラフマニノフは神のような存在」、そして「ベートーベンの17番、31番は自分が熱いロマンスの心境になれる。31番はもっとも情熱的。17番と31番を演奏のはじめに置くことは自分にとって重要」と語った。作曲家を追体験、感情移入しその心情になって、真直ぐに正直に、今動き出した即興性で弾く、これが彼の真骨頂であるらしい。いま、ベートーベンの「ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 作品110」が流れている。ベートーベンが一音一音を書き留めるすがたがふつふつと浮かぶ。のこる4分47秒で、デニス・マツーエフが作曲した「即興」だ。ピアノのハンマーがランダムにと見えるのだが、実にリズミカルにシャープに振り下ろされている。クラシックから飛び出して、自在な感情の迸しりに任せ存分に自らに浸り、自らが癒されているという感じが。

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