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西沢爽著「日本近代歌謡史」

ショパンのノクターン嬰ハ短調が流れている。名曲アルバムでは、よく取り上げてくれる曲だが、耳にするたびに、心が揺すぶられる。
 きょうのクラシック倶楽部は、リゲティ作品。一連の練習曲。演奏はトーマス・ヘル。共感得られたって得られなくたっていいんだよ、だけどわかる人にはわかるのさ、とのヘスの無言のメッセージも聞こえたような。リゲティは「私は音楽を書く。それが人々に何を語りかけるかは、気にしない。ただ、消費され、最後は無に帰すたぐいの作品ではないとの自負はある」といっている。消費とはよくいったもの。流行歌は消費され消えゆく命運にある側面もある。ユダヤ系ハンガリー人。関東大震災の年に生まれ、つい12年まえまで生きていた作曲家だ。リゲティは、2010年代に入ってよく演奏されるようになり、いまではクラシックの定番だという。それほど聴いている暇もなかったが。「芸術は、恐れていてはいけない」という荒井英治が、東京フィルでの全曲演奏を実現し、観客動員にも努めて、ある意味冒険でもあるこの演奏会を満席にし、成功させたようだ。
 雨音がしているが、この一時間の音楽で、憂鬱を免れ、よいスタートを切ることができた。


県立図書館にやむなくクルマで。ほんとうはバイクがいちばん手軽なのだけれども。また借り受けたこの著書。


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2600×1900×80、3300g。1リットルの牛乳約3本分の重さ。片手で持ち上げられない重さのこの書籍、実は、上巻、下巻、資料編の3部作。春陽を調べるようになるまで、流行歌にこういうしっかりと編纂された書籍があるとは想像もしなかった。しかも明治、大正、昭和の戦前のもの。大変な労作なのだ。西沢爽氏がのこしてくれたものだ。ふだんは書庫に眠っている。どんどん捨てられ、忘れ去られていくものを、チラシの果てまで集められる限りを尽くして収めている。偉人のこと、壮大な歴史、文化、芸術、科学なら、たくさんの研究者、文学者が、学問的情熱、或いは功績、手柄を競って人生を時間を注ぎ込みのこしているけれども、庶民の隅々までを集め、しかも、このような立派な著作物とした方がいたことは驚きだった。蔵書検索をしているうちにすがたを現したのだ。実物を見るまでは、せいぜい厚さ2センチていどの古本かと思っていたのだ。ずっしりとした重み。それも3巻。有難く拝見しているうちに、もっと光を当てたいとアップしてみた。

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