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昔むかしも面白い

  いま盛岡タイムスに連載している鳥取春陽の叔父鳥取萬次郎に関しては、経歴を調べるのにけっこう時間がかかった。目星をつけた学校の記念誌などはもちろんのこと、岩手県教育史にも1項目はあったが、なかなか。そこで年代の目星をつけながら、新聞の年度末、年度始めの異動記事をさがし出し、経歴のあらかたは埋まった。最後にやってよかったという萬次郎の功績というか、紹介したいようなそれが出てきたので、無駄にはならなかった。別件を探していたら、ひょっこりと萬次郎の事項が出てきたこともある。

 いつも思う事だが、ふと、こんなことをしていて何の役に立つのか自問自答している事がある。それが、また何かに背中を押されているみたいに、また別な資料をあたり、それで出てこないと、こんどは、どの辺りから切り込めばよいかを考えている。そしてふと、ああ、これだな、ああ、あれを読めばいいな、などと続けている。やっているのか、やらされているのかわからない心境になることもある。しかし、いつも、何か天的な助けを感じている。

 ミサイルが飛んだ日にも、水爆実験が為されるか否かの騒ぎのときにも、凡人は、ただ淡々と、目の前に置かれた事を、端からこなしていく以外にはないのを実感。

 ☆

 石川天涯の「東京学」、あの時代、明治に、これぐらいの実業の書があったことに驚く。読み終えて、これを実行したら、いったいどんな人物像が……、と考えたとき、真っ先に浮かんだのは田中角栄だった。もっともロッキード疑獄以前の角栄のことだけれども。

 昔むかしをやるのも、けっこういろいろな気づきがあって面白い。

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