時の勝利
時よ、そんなに慌てないでくれ。足がもつれそうだから。時よ、そんなに急かさないでくれ、つまずき倒れそうになるから。どうかもっとゆっくりと進んではくれまいか。
はや年の瀬。何もかもが未完成。ベートーヴェンの10番やシューベルトの7番や、チャイコフスキーの7番ならば、それでも人は聴くだろう。しかしこの内にある未完成は誰にもどこにも届かない。音符が足りないのだ。うまく休符も打てやしない。リズムは入り乱れ、いまだ音程さえも取りかねている。けれども時はいつも駆け足、倦まず弛まず、その生命力は強靭。力尽きることをつゆも知らない。すべてに始めと終わりがあるというのに、呆れるほどにけじめがない。時はただ先へ先へと行くばかり。どうやら時にだけは、誰も休符や終止があることを教えなかったらしいのだ。
して、きょうのクラシック倶楽部 は、
とにかく強い自負と誇りの高さ、演奏も一級のイギリス名門のブラス・バンド、ブラック・ダイク・バンドでした。門外不出の曲までをしっかりと守っているあたり、これはもう番組のHPでご覧いただくことに。▽【曲目】クイーンズバリー(ケイ)歌劇「ルスランとリュドミーラ」序曲(グリンカ)ミッション・インポッシブル(シフリン)トライアンフ・オブ・タイム(グレイアム)組曲「山の王」から「羊飼いの娘の踊り」(アルヴェーン)イモータル(クーパー)ほか
収録はNHKホール
「羊飼いの踊り」はユーフォニアムのソロ。ユーフォニアムはどんな楽器か見たことがあるだけで聴いたことがなかった。込み入った重量感のある管の柔らかな響きに聴き入りました。「トライアンス・オブ・タイム」、それこそ「時の勝利」、にはぜんぶの楽器のソロ演奏があり、興味深く。
弦楽器は古色蒼然としている方がいい音が出そうに見えるのですが、きょうの管楽器の美しさ。磨き抜かれた黄金色に、ホールの天井の並ぶライトが湾曲していたり、指揮者のすがたが小さく逆さまに映っていたり、楽団員の服の襟や袖の赤い折り返し、そしてその金の縁取り、男女問わずの黒い蝶ネクタイが小さく並んでいたり、楽器の湾曲に流れるようなさまざまな光景、ステキでした。ミゼレーレではないけれど、門外不出は「イモータル」。この楽団の打楽器奏者であったクーパー作曲。誰かモーツァルトのような耳の良い方が、すぐさま楽譜にしてはくれないものか。
きょうは2,3行でと思いつつ書いてしまったこのページ。さすがに明日からは忙しい。どうなることやら。
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