音楽雑感
滅多にはないけれども、真夜中に目をさますことがある。1時とか2時、そんな時間だ。お茶を飲むなりするわけだけれども、これが悪癖かどうか、TVのリモコンを押してしまう。無意識のうちに音楽番組をさがす。そして観ることになったのが2016年、佐渡裕のトーンキュンストラー管弦楽団のガラコンサートだった。グラフェネック野外劇場だったと思う。ネットを飛んでみると「グラフェネックは、ウィーン市街から車で40分ほど。19世紀の優美なグラフェネック城がたたずみ、芝
生の緑が鮮やかな英国調の庭園が広がる32ヘクタールの広大な敷地に、対照的にモダンな建築の野外劇場とオーディトリアム(屋内コンサートホール)があり
ます」とある通り、文化の厚みを感じさせる美しい景観の中でのコンサート。日本人である佐渡裕が指揮者として活躍してくれている嬉しさ。最後は花火が打ち上げられるのだが、指揮している佐渡がそれを最後の瞬間だけでも見ることができるかどうか、結局花火は、振り終える直前に終わってしまったのだった。
それが以前に夜中に目をさましたときも、佐渡裕が、それもやはりグラフェネックでだったと思うが、コンサートをTVで観たことがある。ちょうど、「佐渡は日本では佐渡ではなくても務まるような番組に出ているようだけれど、いま実際どんなふうな活躍をしているのかしらん」と思っていた最中のことだった。佐渡裕に呼ばれたなどというつもりは毛頭ない。恥をかくだけのこと。ただ、何かに呼ばれてというか、無意識のうちの直感でなのか、目をさましてみると気にかけていた音楽に出会えたということがある。
またまたTVのはなしだが、今朝のクラッシック倶楽部は、チョ・ソンジンのショパン『ピアノ協奏曲第一番』だった。1994年生まれの韓国のピアニストだ。2015年のショパン国際ピアノコンクールで優勝。アジア人としては3人目。このときの録画かと思う。瑞々しい感性に貫かれたすばらしい演奏だった。
数日前のアフリカの民族音楽の影響のある作曲家の作品から弾いてくれたピアニストの登場など、毎日は観かねることもあるけれども、また、番組の途中からであったり、あたまの部分だけ、或いは最後部分だけしか見られないこともあるけれども、この番組がもたらしてくれる楽しみは尽きない。
一方、メディアが提供してくれる音楽だけを崇め奉っていていいのかという疑問もないではない。けれども、自分で発掘するほどの余力のないものにとっては、いまのところ、これが随分とありがたいのだ。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- 室内合唱団「日唱」の第40回定期演奏会があります。指揮は中館伸一氏。題して「受け継がれる魂~祖父・中館耕蔵の足跡をたどって~」(2025.04.15)
- 音楽雑感 これそれ あれこれ(2025.03.25)
- クラシック倶楽部あれこれ(2025.03.01)
- 新ダヴィット同盟(2025.02.12)
- クラシック エラール メモ(2025.02.05)
コメント