遺影 / バイオリニスト、イザベル・ファウスト
サンショウの葉っぱにアゲハの幼虫がいました。一枚目の写真、右上に見えるまだ黒っぽい幼虫が光沢がなくごつごつした感じであること、同じ仲間である下の写真で、腹脚の上に白線があることなどから、ナミアゲハであるかと。庭のそちこちに生えてくるサンショウを引き抜かないでおいてよかったと思えた瞬間でした。よく見ると、大きくなった緑色の幼虫が3頭、黒っぽい幼虫が5頭もいます。この時期からうまく成虫にまでなれるかどうかちょっと不安でしたが、それでも、この庭にアゲハが8頭もとぶさまを想い描くのは愉快でした。
ネットで被って保護しようかと思いましたが、このように大きくなるまで無事だったのは、もしかすると獲物を狙う敵の死角の範囲にあるのかもしれないと、今日中にやればいいと先延ばしに。ところが、その2時間後、コーヒーを飲みながらふと外を見やると、雀が低空飛行、それもサンショウの木の高さなのですが、近くにある葡萄の木に止まったのです。何か気になり急いで出てサンショウの木を見ると、何と、緑色になった幼虫が3頭とも消えています。ペットを一瞬にして失ったようで信じられない。裏側も捜しましたがやはりいません。蛹になるために移動したとは考えられません。黒っぽい個体だけが残っていました。というわけで、写真は発見からたった2時間で、ただ一枚の遺影となってしまいました。
見事に雀に奪い去られた3頭の幼虫たち。一方、自然界の食物連鎖と厳しさが想われました。専門家ならそのあたりを詳しく述べることができるのでしょうが、カラスといい、クマといい、食べ物が足りていない。雀もそういう感じが。これは感じでいう事ではないのですが、ぜんたい生物の数が減っているのでは。
と、ここでまた懲りずに「生物 激減」、と検索してみると、こんなページも。さらにいろいろあるでしょうけれども、何れ、しまいにはヒトにすべてが跳ね返ってくるのでしょうか。
☆ ☆ ☆
けさのクラシック倶楽部は、ドイツ出身の女性バイオリニスト、イザベル・ファウストによるオール無伴奏でした。楽器演奏はことば以前ともいわれますが、無伴奏はさらに奥深いという感じが。「パルティータ第5番」作曲のヴィルスマイアーは1663生まれ。バッハは1685生まれ。たしかにヴィルスマイアーはバッハの22年前に生まれている。バッハを聴いている感じでしたが。ビーバーの「パッサカリア ト短調」はビーバーの最高傑作だとか。
いちばん興味深かったのはバルトークの「無伴奏バイオリン・ソナタ」。イザベル・ファウストは11歳で初めてバルトークを弾いている。彼女はデネス・ジグモンディに師事したが、ジグモンディはバルトークを本能的に色鮮やかに教えてくれたと語っている。この無伴奏はバルトークが白血病を患っていたときに作曲。不安、魂の漂泊、陰影、暗示が伝わってくる。この曲を聴いてバルトークの理解の入り口にようやく立てた。
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